読書。
『点滴ポール 生き抜くという旗印』 岩崎航 写真:斎藤陽道
を読んだ。
詩集です。
著者の岩崎航さんは1976年生まれで、3歳の時に筋ジストロフィーを発症し、
今は人工呼吸器をつけ胃瘻(いろう)で食事をとるという生活をされているそうです。
胃瘻とは、本書の注釈によると、「口から食事がとれない人、または充分にとれない人の
栄養確保のために、腹壁を切開して胃内に管を通して作られた、
お腹の小さな穴のこと。またそれに取り付けた器具」です。
そんな岩崎さんの闘病の記録でもある5行詩集なのですが、
そこから読み取れる気構えというか、姿勢ですね、それが素晴らしい。
繊細ななかに強さもあり、静かな言葉を落ち着いたトーンで使って、
短い5行詩でもって表現する。
そしてその訴えかけてくる力、というか、
彼の詩に触れることで、読み手である自分のこころが震えてくるような、
温かくなるような感じがしてくる。まるで共振を起こすかのように。
といいつつ、うまく紹介できていないなぁと苦笑してる僕です。
3つほど、引用紹介させてください。
_______
誰もがある
いのちの奥底の
燠火(おきび)は吹き消せない
消えたと思うのは
こころの 錯覚
_______
ほっとくと
どんどん冷える
世の中だから
それぞれが灯り
点して生きる
_______
暮らしを楽しむ
楽しもうとする
そのこころが
とても大事だということを
知った
_______
もっともっと読んでほしいのですが、
そこは本書を手にとって、ゆっくりとしっかりと彼のメッセージを
受け取ってほしいです。
僕とはほぼ同世代の岩崎さん。
生に対するベクトルがはっきりしていて、
見習わなきゃと思いました。
いっとき、自殺すら考えたことがあるといいます。
そして、20代のうちの4年間には吐き気に苦しんだ時期もあったそうです。
そうやって地獄を見てきたからこそ、
生の輝きを痛いほどわかっている方なのかもしれない。
なにかきっと、根源的な人間の生の力ってものがあって、
それを意識の上で掴んでいるのが岩崎さんだという気がする。
この本に出会えたのはよかったなぁと思いました。
病身の人の詩だからなんていうのに代表される偏見は
吹き飛んでしまえばいいです。
こういう輝きはもっと多くの人に知ってほしいです。
目の曇っていない人はこういう人なんだって、読むとわかります。
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『点滴ポール 生き抜くという旗印』 岩崎航 写真:斎藤陽道
を読んだ。
詩集です。
著者の岩崎航さんは1976年生まれで、3歳の時に筋ジストロフィーを発症し、
今は人工呼吸器をつけ胃瘻(いろう)で食事をとるという生活をされているそうです。
胃瘻とは、本書の注釈によると、「口から食事がとれない人、または充分にとれない人の
栄養確保のために、腹壁を切開して胃内に管を通して作られた、
お腹の小さな穴のこと。またそれに取り付けた器具」です。
そんな岩崎さんの闘病の記録でもある5行詩集なのですが、
そこから読み取れる気構えというか、姿勢ですね、それが素晴らしい。
繊細ななかに強さもあり、静かな言葉を落ち着いたトーンで使って、
短い5行詩でもって表現する。
そしてその訴えかけてくる力、というか、
彼の詩に触れることで、読み手である自分のこころが震えてくるような、
温かくなるような感じがしてくる。まるで共振を起こすかのように。
といいつつ、うまく紹介できていないなぁと苦笑してる僕です。
3つほど、引用紹介させてください。
_______
誰もがある
いのちの奥底の
燠火(おきび)は吹き消せない
消えたと思うのは
こころの 錯覚
_______
ほっとくと
どんどん冷える
世の中だから
それぞれが灯り
点して生きる
_______
暮らしを楽しむ
楽しもうとする
そのこころが
とても大事だということを
知った
_______
もっともっと読んでほしいのですが、
そこは本書を手にとって、ゆっくりとしっかりと彼のメッセージを
受け取ってほしいです。
僕とはほぼ同世代の岩崎さん。
生に対するベクトルがはっきりしていて、
見習わなきゃと思いました。
いっとき、自殺すら考えたことがあるといいます。
そして、20代のうちの4年間には吐き気に苦しんだ時期もあったそうです。
そうやって地獄を見てきたからこそ、
生の輝きを痛いほどわかっている方なのかもしれない。
なにかきっと、根源的な人間の生の力ってものがあって、
それを意識の上で掴んでいるのが岩崎さんだという気がする。
この本に出会えたのはよかったなぁと思いました。
病身の人の詩だからなんていうのに代表される偏見は
吹き飛んでしまえばいいです。
こういう輝きはもっと多くの人に知ってほしいです。
目の曇っていない人はこういう人なんだって、読むとわかります。
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