読書。
『死の淵を見た男』 門田隆将
を読んだ。
福島第一原発事故の発生から、
その収束のための指揮を執った吉田昌郎所長が病気で退くまで、
その原因となったマグニチュード9.0の地震が起こったところから
綴られていくノンフィクション。
どうやって、あの原発事故は最悪の被害を免れたのか、
福島第一の現場の状況は当時どう流れていっていたのか、
そこでどんな人々がどう闘っていたかがわかる本。
どうしても、東電や政府は悪いものだというイメージがあったりする。
10mを越す津波はこないとする想定の甘さといい、
マスコミによる政府や東電側の「対処の遅さや悪さ」
を強調する報道などが一面的になされたからだ。
しかし、本書を取ってみると、
現場で働く東電社員と協力企業や自衛隊の人々の
決死かつ迅速な事故対応を知り、イメージが新たになる。
そこには、平和ボケする僕も含めた大勢の一般人のような日本人はいない。
緊急時に際しても力を失うことなく、
やれることを最大限にやり抜き、知恵を絞り、スピード感を持ち、
そして放射能の恐怖に負けない、強い責任感(なのか、日本を救わなければという気持ちなのか)を
読みながら汲み取っていくことになり、心が打ち震えてくるのである。
まるでハリウッドの奮闘物映画のヒーローのような人たちばかりがでてくるし、
それは脚色でも演出でもなく、生の事実だというそのことが、
彼らへの敬意と感激とねぎらいの気持ちを起こさせるのだ。
そこには数々の人生が交差している。
それぞれに家族がいて、自分の生がある。
大きな、「日本滅亡へのベクトル」というどうしようもない流れに抗して
なんとか最悪の事態になるのには打ち勝った、その頑張りと勇気に
頭が下がってしかたがない。
それにしても、本書の書き方が偏った向きもあるのかもしれないけれど、
当時の首相の管直人さんの言動や行動にはあきれさせられた。
人間、怒りのパワーなどで人や物事を動かそうとしたって、
そんなのは逆によくない影響をもたらしたり、時間を無駄にしたりする。
そういう教訓として、管首相のところは読んだのだった。
「イラ菅」なんて呼ばれるみたいだけど、そんな人だったとはよく知らなかった。
福島第一原発事故はまだ収束しているとはいえないと思っています。
今だって避難している人たちはたくさんいるのだから。
そういう人たちそして、事故そのものを忘れないために、
そして、そこで闘った立派な人たちを知り、忘れないためにも、
(これは、原発推進、脱原発いずれの思想に限らず)
多くの人に読まれるといい本だった。
最近、朝日新聞の吉田調書での虚偽の記事が問題になりましたが、
本書では、そういうことはなく書かれている本だと思います。
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『死の淵を見た男』 門田隆将
を読んだ。
福島第一原発事故の発生から、
その収束のための指揮を執った吉田昌郎所長が病気で退くまで、
その原因となったマグニチュード9.0の地震が起こったところから
綴られていくノンフィクション。
どうやって、あの原発事故は最悪の被害を免れたのか、
福島第一の現場の状況は当時どう流れていっていたのか、
そこでどんな人々がどう闘っていたかがわかる本。
どうしても、東電や政府は悪いものだというイメージがあったりする。
10mを越す津波はこないとする想定の甘さといい、
マスコミによる政府や東電側の「対処の遅さや悪さ」
を強調する報道などが一面的になされたからだ。
しかし、本書を取ってみると、
現場で働く東電社員と協力企業や自衛隊の人々の
決死かつ迅速な事故対応を知り、イメージが新たになる。
そこには、平和ボケする僕も含めた大勢の一般人のような日本人はいない。
緊急時に際しても力を失うことなく、
やれることを最大限にやり抜き、知恵を絞り、スピード感を持ち、
そして放射能の恐怖に負けない、強い責任感(なのか、日本を救わなければという気持ちなのか)を
読みながら汲み取っていくことになり、心が打ち震えてくるのである。
まるでハリウッドの奮闘物映画のヒーローのような人たちばかりがでてくるし、
それは脚色でも演出でもなく、生の事実だというそのことが、
彼らへの敬意と感激とねぎらいの気持ちを起こさせるのだ。
そこには数々の人生が交差している。
それぞれに家族がいて、自分の生がある。
大きな、「日本滅亡へのベクトル」というどうしようもない流れに抗して
なんとか最悪の事態になるのには打ち勝った、その頑張りと勇気に
頭が下がってしかたがない。
それにしても、本書の書き方が偏った向きもあるのかもしれないけれど、
当時の首相の管直人さんの言動や行動にはあきれさせられた。
人間、怒りのパワーなどで人や物事を動かそうとしたって、
そんなのは逆によくない影響をもたらしたり、時間を無駄にしたりする。
そういう教訓として、管首相のところは読んだのだった。
「イラ菅」なんて呼ばれるみたいだけど、そんな人だったとはよく知らなかった。
福島第一原発事故はまだ収束しているとはいえないと思っています。
今だって避難している人たちはたくさんいるのだから。
そういう人たちそして、事故そのものを忘れないために、
そして、そこで闘った立派な人たちを知り、忘れないためにも、
(これは、原発推進、脱原発いずれの思想に限らず)
多くの人に読まれるといい本だった。
最近、朝日新聞の吉田調書での虚偽の記事が問題になりましたが、
本書では、そういうことはなく書かれている本だと思います。
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