読書。
『墨攻』 酒見賢一
を読んだ。
古代中国でおおきな勢力をふるったことがありながら、
秦による中国統一のころには忽然と姿を消し、
それから清朝のころに再発見されたという、
墨家集団をあつかった物語。
墨家は、キリスト教なみに博愛の精神を説く
当時としては過激な思想をもち、
非戦の考えでありながらも、墨守という言葉があるように、
いくさで攻められた城を守る技術や戦術を磨いてきた
ひとたちだそうなんです。
いささかフィクションが混じってもいるかもしれませんが。
中国の春秋戦国時代の趙国が小国の梁国を攻めるのですが、
その防衛に派遣されたのが、たった一人の墨家の人物である革離(かくり)。
はたして、趙の軍勢を退けられるのか否か、
どう革離は防御していくのかがみどころです。
酒見さんの作品はあの『後宮小説』以来二つ目で、
デビュー作と二作目のを読んだことになりますが、
二作目にしてガツンと本格化したかのような、
しっかりとした作品になっていた。
ほぼ空想の産物のストーリーだけれど、ぐいぐい読ませる。
和田竜さんの『のぼうの城』がおもしろかったという人ならば、
古代中国が舞台ではあるけれども『墨攻』も楽しめるでしょう。
そして、難しい漢字がよくでてくるけれど、不思議と読みやすいです。
あとがきを読むと、やっぱり小説家らしく頭をよく使い、
さらに頭の良い人なのかなという印象を受けました。
酒見さんといえば、この『墨攻』と『後宮小説』なのだけれども、
他の作品にも手を出そうかなと、そんな気すらしてくるおもしろさでした。
『墨攻』 酒見賢一
を読んだ。
古代中国でおおきな勢力をふるったことがありながら、
秦による中国統一のころには忽然と姿を消し、
それから清朝のころに再発見されたという、
墨家集団をあつかった物語。
墨家は、キリスト教なみに博愛の精神を説く
当時としては過激な思想をもち、
非戦の考えでありながらも、墨守という言葉があるように、
いくさで攻められた城を守る技術や戦術を磨いてきた
ひとたちだそうなんです。
いささかフィクションが混じってもいるかもしれませんが。
中国の春秋戦国時代の趙国が小国の梁国を攻めるのですが、
その防衛に派遣されたのが、たった一人の墨家の人物である革離(かくり)。
はたして、趙の軍勢を退けられるのか否か、
どう革離は防御していくのかがみどころです。
酒見さんの作品はあの『後宮小説』以来二つ目で、
デビュー作と二作目のを読んだことになりますが、
二作目にしてガツンと本格化したかのような、
しっかりとした作品になっていた。
ほぼ空想の産物のストーリーだけれど、ぐいぐい読ませる。
和田竜さんの『のぼうの城』がおもしろかったという人ならば、
古代中国が舞台ではあるけれども『墨攻』も楽しめるでしょう。
そして、難しい漢字がよくでてくるけれど、不思議と読みやすいです。
あとがきを読むと、やっぱり小説家らしく頭をよく使い、
さらに頭の良い人なのかなという印象を受けました。
酒見さんといえば、この『墨攻』と『後宮小説』なのだけれども、
他の作品にも手を出そうかなと、そんな気すらしてくるおもしろさでした。