読書。
『動きが心をつくる』 春木豊
を読んだ。
行動心理学と東洋の心身一元論的な考えを併せたような、
たぶん独自の学問である「身体心理学」についての本。
このあいだ読んだ『行動分析学入門』にも出てきた言葉でしたが、
ちょっと本書ではニュアンスを異にしてはいるのですが、
オペラント反応、レスポンデント反応というのが本書の大きなキーワード。
オペラント反応というのは意志的な行動です。
道路に落ちているお金を拾おうと身体を動かしたなら、
それはオペラント反応。
レスポンデント反応というのは、反射的な行動です。
心臓の拍動のように意志ではどうにもコントロールできない動作が、
レスポンデント反応。
それで、この本で大事とされるのは、
オペラント反応でもあり、レスポンデント反応でもあるという、
レスペラント反応と名付けた動作でした。
それには大きく8つあり、
「呼吸反応」
「筋反応」
「表情」
「発声」
「姿勢反応」
「歩行反応」
「対人距離反応」
「対人接触反応」
というのがそれ。
たとえば呼吸だと、
無意識に呼吸はしているけれども(レスポンデント反応)、
自分の意志でも呼吸を深くしたり、短くしたりできる(オペラント反応)。
そういうレスペラント反応こそが、体と心の両方にまたがった反応であるため、
体と心に影響を及ぼすことができるという重要な反応群であると言えるだろう、
と著者は述べています。
つまり、先に8つあげたレスペラント行動というものは、
動きによって心を作り、その作られた心がさらに体に作用するという循環的な
働きがあるだろうとうということなんです。
また呼吸を例に説明しましょう。
たとえば呼吸のうちの吐く息の時(呼気)の作用は「沈静」効果があるとされる。
逆に吸う息(吸気)のときには「興奮」効果があるとされる。
よって、心身を落ちつける時には、呼気を重視してゆっくりと息を最後まで長く吐ききり、
さらに吐ききったままの状態のポーズを少しの間とり続けることが大事になる。
本書では、前掲の8つのレスペラント行動について、
その心理的効果の有無や内容を、西洋的な、要は科学的な実験によって
確かめられていることを述べています。
その章がぼくとしてはもっとも読み応えがありました。
著者がなぜ、このような身体心理学を研究したかというと、
身体心理学で得られた結果を参考に、呼吸法や筋弛緩運動などで
心や体をよい状態に----体に生気をみなぎらせ、心は気力に満ちさせる、
そのことによって、健康でいようよっていうのが大目標なのです。
本書のまとめに近い章では、「気」の概念まででてきて、
東洋思想を取り入れているなあという印象を受けます。
人によっては、それって非科学的なものだと感じるかもしれません。
しかし、きっとそこには、ヨーガや禅や指圧など、
いろいろな東洋的なものを試してきた経験がある著者だからこその、
見抜きがあるような気がしています。
ただ、東洋思想的な東洋科学が受け入れない人でも、
レスペラント行動についての論説はおもしろく読めることでしょう。
『動きが心をつくる』 春木豊
を読んだ。
行動心理学と東洋の心身一元論的な考えを併せたような、
たぶん独自の学問である「身体心理学」についての本。
このあいだ読んだ『行動分析学入門』にも出てきた言葉でしたが、
ちょっと本書ではニュアンスを異にしてはいるのですが、
オペラント反応、レスポンデント反応というのが本書の大きなキーワード。
オペラント反応というのは意志的な行動です。
道路に落ちているお金を拾おうと身体を動かしたなら、
それはオペラント反応。
レスポンデント反応というのは、反射的な行動です。
心臓の拍動のように意志ではどうにもコントロールできない動作が、
レスポンデント反応。
それで、この本で大事とされるのは、
オペラント反応でもあり、レスポンデント反応でもあるという、
レスペラント反応と名付けた動作でした。
それには大きく8つあり、
「呼吸反応」
「筋反応」
「表情」
「発声」
「姿勢反応」
「歩行反応」
「対人距離反応」
「対人接触反応」
というのがそれ。
たとえば呼吸だと、
無意識に呼吸はしているけれども(レスポンデント反応)、
自分の意志でも呼吸を深くしたり、短くしたりできる(オペラント反応)。
そういうレスペラント反応こそが、体と心の両方にまたがった反応であるため、
体と心に影響を及ぼすことができるという重要な反応群であると言えるだろう、
と著者は述べています。
つまり、先に8つあげたレスペラント行動というものは、
動きによって心を作り、その作られた心がさらに体に作用するという循環的な
働きがあるだろうとうということなんです。
また呼吸を例に説明しましょう。
たとえば呼吸のうちの吐く息の時(呼気)の作用は「沈静」効果があるとされる。
逆に吸う息(吸気)のときには「興奮」効果があるとされる。
よって、心身を落ちつける時には、呼気を重視してゆっくりと息を最後まで長く吐ききり、
さらに吐ききったままの状態のポーズを少しの間とり続けることが大事になる。
本書では、前掲の8つのレスペラント行動について、
その心理的効果の有無や内容を、西洋的な、要は科学的な実験によって
確かめられていることを述べています。
その章がぼくとしてはもっとも読み応えがありました。
著者がなぜ、このような身体心理学を研究したかというと、
身体心理学で得られた結果を参考に、呼吸法や筋弛緩運動などで
心や体をよい状態に----体に生気をみなぎらせ、心は気力に満ちさせる、
そのことによって、健康でいようよっていうのが大目標なのです。
本書のまとめに近い章では、「気」の概念まででてきて、
東洋思想を取り入れているなあという印象を受けます。
人によっては、それって非科学的なものだと感じるかもしれません。
しかし、きっとそこには、ヨーガや禅や指圧など、
いろいろな東洋的なものを試してきた経験がある著者だからこその、
見抜きがあるような気がしています。
ただ、東洋思想的な東洋科学が受け入れない人でも、
レスペラント行動についての論説はおもしろく読めることでしょう。
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