TakaPの数学日記

数学を教えていて感じたことや日常の感想などを記録しました。

調性について(続き)

2007年10月21日 20時08分33秒 | お囃子
オーケストラのバイオリンのように、吹奏楽ではクラリネットが中心となる。

 ところが、吹奏楽に使われるクラリネットはB♭調である。何でA調が使われないのだろう。詳しいことは分からない。(C調のクラは管が細いせいで音がキンキンして使われないのは前に述べた。管を太くすると倍音が出しにくいなど設計上不具合が起こるのだろう。)とにかくB♭調。だから、吹奏楽の楽曲の調は♭系が多い。

 たとえばスーザの有名な行進曲「星条旗よ永遠なれ」はE♭(♭3つ)。途中で行進曲特有のトリオという部分になるとA♭(♭4つ)になる。この部分で、ピッコロがソロを吹く場面がある。このときピッコロは♭4つの楽譜を吹くから大変。ところがDes Piccolo つまり、D♭調(♭5つ)の調のピッコロがあった。(今はあるかどうか分からないが)すると、このピッコロでは、なんと♯1つでいいのだ。
 これは極端な例だが、このように、吹奏楽で使われる楽器の調は♭系が多い。アルトサックス(E♭)、テナーサックス(B♭)、バリトンサックス(E♭)、ソプラノサックス(B♭)などがある。また、クラリネットにもEs Clarinet (E♭)という一回り小さいクラリネットがある。クラリネット族にはもっと小さいのもある。As Clarinet(A♭)である。模型のようなクラリネットだ。このようにどういうわけか♭系なのだ。

 ♭系は金管楽器にも。先に述べたトロンボーン。一番管を短くしたときの基本の音がB♭。つぎにチューバ。基本の音、つまりピストンを押さえない開放の音の基本音がB♭。どうしてなんだろう。ホルンはもともとF管のものが多いが、管の短いB♭管も好まれている。この場合は移調して吹いている。しかもB♭管は管をほんの少し長くすると、A管になる便利さがある。ダブルホルンといっていたかな。F調とB♭調の両方の調をもつホルンもある。よく見ると複雑に管が重なっているのが分かる。これも♭系なのだ。
トランペットはB♭のほかにも色々な調のものがあると聞く。オーケストラのスコアを見るとC調のトランペットを指定していたりする。
 ところが、実際に多く生産されているのはB♭のペットなので、演奏者は移調して吹いているようだ。クラでA管、B♭管の持ち替えをせずに移調して吹いていることもあるという。
 全部C調にしてしまえばいいのにと思うが、各楽器の設計の事情があるようだ。

 調性についてのウンチク話しはこのくらいにしておこう。



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