場所:紀ノ川河口
条件:小潮 3:41干潮
釣果:タチウオ 26匹
サラリーマン生活もあと1年半で終わりというときにまたまた出向を告げられたというのは以前に書いたが、新しい会社に移って今日が初めての釣行だ。言ってみれば、リストラされて再就職したようなもので、しかも、今までの仕事とは何の関係もないところにたまたま拾われたというようなものだ。給料が今までと変わらないということだけが救いである。
新しい職場といっても何か今までの経験を活かせるというものではなく、おまけに大して重要な仕事でもなさそうだ。単なる雑用である。
この歳になってまったく知らない世界に自分の意志に反して連れてこられて、周りはおそらく人種的にも今までいた業界と比べるとまったく思考の違う人たちばかりのように思うが小さな組織の10人のメンバー全員、今のところクセが強くてかなわないという感じではなさそうだ。
僕の奥さんはその業界で働いていたのだが、結婚式の時の招待客の姿を見て、あなたの会社の人たちにはみんな髪の毛があるといって感動していたのを思い出す。
しかし、パソコンに触れることなく1日を過ごすというのは何年ぶりのことだろう。Windows95が発売されて間もなくパソコンを触り始めたのだから、おそらく26、7年前のことではないのだろうか。ある意味、新鮮といえば新鮮だがこれはこれで淋しい。いうなれば、知的労働の機会を剥奪されていると言っているようなもののように思える。とにかく1年半を我慢すればまた別の生き方をすることができるかもしれない。人は歳をとってくると時間の経過を早く感じるものだ。そう思って過ごすしかない。
ついでといってはなんだが、この職場は信託銀行なので老後の資産運用の勉強はさせてもらえるかもしれない。運用するほどの退職金はもらえないだろうが、なけなしのおカネで死ぬまで生き永らえる方法を教えてもらえることができるかもしれない。
時事ネタではないが、会社という組織はある意味カルト教団のようなところだ。トップが教祖でその要求と思想がどんなに理不尽でも整合性がなくてもそれには全力で従わねば切り捨てられる。残念ながら、僕はどうもそういう状況には馴染めなかったということだろうなと思っている。もちろん、そういう要求に答えられるほどの能力がなかったというのも事実であるが・・。
しかし、わが社(もと居た会社のほう)のいいかげんさには驚いた。まず、有給休暇の取り方がわからない。僕は一応、出向先では新入社員ということになっていて、もらえる有給休暇が少ないのだが、もと居た会社で持っている分は取っていいということになっているものの、出向先では有給休暇以外に様々な休暇制度があり、それを取ったうえでさらに有給休暇を取れるのか、それもと有給休暇で賄うのかがわからない。
時間外手当はもっとひどい。出向先では僕の労働に対して時間外手当が支払われるらしいのだが、もと居た会社では僕は管理職の待遇なので時間外は出ないと言われ、少しぐらいのサービス残業は我慢しなさいとも言われている。その、“少しぐらい”という曖昧さは一体何なのだろうか・・少しぐらいが月100時間になっても少しぐらいで済まされるのだろうか・・・。そんな疑問が浮かび上がる。
こっちの会社にそういったことを伝えると、こっちは支払っているのであとはあなたともと居た会社との問題だと思いますよと言われるし、あなたと人事で出勤状況の報告書というものはないのですか?人材を受け入れているほかの企業ではきちんと報告書を作っていますよ。と逆に質問される始末だ。今まで家族を含めて養ってもらってきた会社ではあるが、外に出てみると、あの会社はこんなにいい加減で適当な会社だったのかということが身に染みて感じる。
管理職待遇なので自由裁量の中で働くというのが建前だが、この環境のどこに自由裁量があるというのだ。確かにこんな環境に身を置かざるを得ない状態に追いやられたのも自分の責任ではあるのだろうが、せっかく僕の労働の対価として支払われた賃金が会社にかすめ取られるというのにはどうも納得がいかない。
同業他社のこいうった部分の対応の厳格さを見ていると、業績が悪いのは業界が衰退しているというのが原因ではなく、会社の構造自体にあったのであるという確信が持てた。
そんなことを思いながら港に向かった。
台風11号が近づいているので遠くには行きたくないので今日も紀ノ川河口にタチウオを釣りに行くことにした。しかし、この台風。まるで生物のように不思議な動きをしている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/38/7aed54b765dfa1a17e0d077be8401b64.jpg)
無生物がこんなに急激で複雑な動きをするものだろうか。高気圧のヘリに沿って動いているというがまったく不思議だ。
天気は荒れ気味なのかと思ったが東の空には冬の大三角形がくっきり見えている。シリウスもその青白さが際立っている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/1a/a08ab2af8c70b350f57bec1a69d7b70f.jpg)
対して西の空では雲の中で雷が光っている。なんだか変な天気だ。しかし、今日は土曜日。それぞれの係留場所から船が続々と出港して行く。
北風が思いのほか強く、港内も波立っている。こんな日は釣れるのだろうかと訝しんでいたが、今日も南海フェリーが入港してきたことを合図にアタリが出始めた。引きは強いが魚が大きいのではなく掛かっている数が多いからだ。これから先、仕掛けを流すたびにほぼすべての鉤に魚が掛かっているという状態が続いた。
魚はいくらでも掛かるが、型はかなり小さくなってしまっている。小さいものは指2本ほどだ。前回までの釣行では全然見ることがなかったサイズだ。おそらく3分の一は放流してしまっただろう。
そしてやっぱり、フェリーが出港していくとアタリは遠のいてゆく。今日の場合はまだアタリは続いていたがこんなに小さなタチウオを釣り続けても仕方がないだろうと考えて終了とした。
海の様子を見てみようと新々波止の南に回ってみると、少しのうねりはあるもののいたって穏やかだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/47/f3a7ef08a345b4c4c14fc1271efdfe47.jpg)
禁断の仕掛けをもってくればよかったと悔やまれる。
そんなことを思いながら港に戻ると雑賀崎の底引き船も避難を始めていた。やはり今度の台風はこの辺りにもかなり影響を及ぼすのだろうか・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/e6/42e9a9c7c316e9c16a624b48718791f7.jpg)
午前6時に港に戻り、台風に備えてロープを増やし、締め直して今日の僕の1日は終了。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/e4/521f01ba7db9d6e72b62dfbaf319a5d7.jpg)
新しい仕事はまったく何の責任もないとはいえ、僕がいないと始まらない仕事でもある。電車が遅れたり不通になったりすると10人のメンバーにかなりの迷惑をかけてしまう。雨風は我慢するから電車だけは止まらないでくれと願うばかりだ・・。
条件:小潮 3:41干潮
釣果:タチウオ 26匹
サラリーマン生活もあと1年半で終わりというときにまたまた出向を告げられたというのは以前に書いたが、新しい会社に移って今日が初めての釣行だ。言ってみれば、リストラされて再就職したようなもので、しかも、今までの仕事とは何の関係もないところにたまたま拾われたというようなものだ。給料が今までと変わらないということだけが救いである。
新しい職場といっても何か今までの経験を活かせるというものではなく、おまけに大して重要な仕事でもなさそうだ。単なる雑用である。
この歳になってまったく知らない世界に自分の意志に反して連れてこられて、周りはおそらく人種的にも今までいた業界と比べるとまったく思考の違う人たちばかりのように思うが小さな組織の10人のメンバー全員、今のところクセが強くてかなわないという感じではなさそうだ。
僕の奥さんはその業界で働いていたのだが、結婚式の時の招待客の姿を見て、あなたの会社の人たちにはみんな髪の毛があるといって感動していたのを思い出す。
しかし、パソコンに触れることなく1日を過ごすというのは何年ぶりのことだろう。Windows95が発売されて間もなくパソコンを触り始めたのだから、おそらく26、7年前のことではないのだろうか。ある意味、新鮮といえば新鮮だがこれはこれで淋しい。いうなれば、知的労働の機会を剥奪されていると言っているようなもののように思える。とにかく1年半を我慢すればまた別の生き方をすることができるかもしれない。人は歳をとってくると時間の経過を早く感じるものだ。そう思って過ごすしかない。
ついでといってはなんだが、この職場は信託銀行なので老後の資産運用の勉強はさせてもらえるかもしれない。運用するほどの退職金はもらえないだろうが、なけなしのおカネで死ぬまで生き永らえる方法を教えてもらえることができるかもしれない。
時事ネタではないが、会社という組織はある意味カルト教団のようなところだ。トップが教祖でその要求と思想がどんなに理不尽でも整合性がなくてもそれには全力で従わねば切り捨てられる。残念ながら、僕はどうもそういう状況には馴染めなかったということだろうなと思っている。もちろん、そういう要求に答えられるほどの能力がなかったというのも事実であるが・・。
しかし、わが社(もと居た会社のほう)のいいかげんさには驚いた。まず、有給休暇の取り方がわからない。僕は一応、出向先では新入社員ということになっていて、もらえる有給休暇が少ないのだが、もと居た会社で持っている分は取っていいということになっているものの、出向先では有給休暇以外に様々な休暇制度があり、それを取ったうえでさらに有給休暇を取れるのか、それもと有給休暇で賄うのかがわからない。
時間外手当はもっとひどい。出向先では僕の労働に対して時間外手当が支払われるらしいのだが、もと居た会社では僕は管理職の待遇なので時間外は出ないと言われ、少しぐらいのサービス残業は我慢しなさいとも言われている。その、“少しぐらい”という曖昧さは一体何なのだろうか・・少しぐらいが月100時間になっても少しぐらいで済まされるのだろうか・・・。そんな疑問が浮かび上がる。
こっちの会社にそういったことを伝えると、こっちは支払っているのであとはあなたともと居た会社との問題だと思いますよと言われるし、あなたと人事で出勤状況の報告書というものはないのですか?人材を受け入れているほかの企業ではきちんと報告書を作っていますよ。と逆に質問される始末だ。今まで家族を含めて養ってもらってきた会社ではあるが、外に出てみると、あの会社はこんなにいい加減で適当な会社だったのかということが身に染みて感じる。
管理職待遇なので自由裁量の中で働くというのが建前だが、この環境のどこに自由裁量があるというのだ。確かにこんな環境に身を置かざるを得ない状態に追いやられたのも自分の責任ではあるのだろうが、せっかく僕の労働の対価として支払われた賃金が会社にかすめ取られるというのにはどうも納得がいかない。
同業他社のこいうった部分の対応の厳格さを見ていると、業績が悪いのは業界が衰退しているというのが原因ではなく、会社の構造自体にあったのであるという確信が持てた。
そんなことを思いながら港に向かった。
台風11号が近づいているので遠くには行きたくないので今日も紀ノ川河口にタチウオを釣りに行くことにした。しかし、この台風。まるで生物のように不思議な動きをしている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/38/7aed54b765dfa1a17e0d077be8401b64.jpg)
無生物がこんなに急激で複雑な動きをするものだろうか。高気圧のヘリに沿って動いているというがまったく不思議だ。
天気は荒れ気味なのかと思ったが東の空には冬の大三角形がくっきり見えている。シリウスもその青白さが際立っている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/1a/a08ab2af8c70b350f57bec1a69d7b70f.jpg)
対して西の空では雲の中で雷が光っている。なんだか変な天気だ。しかし、今日は土曜日。それぞれの係留場所から船が続々と出港して行く。
北風が思いのほか強く、港内も波立っている。こんな日は釣れるのだろうかと訝しんでいたが、今日も南海フェリーが入港してきたことを合図にアタリが出始めた。引きは強いが魚が大きいのではなく掛かっている数が多いからだ。これから先、仕掛けを流すたびにほぼすべての鉤に魚が掛かっているという状態が続いた。
魚はいくらでも掛かるが、型はかなり小さくなってしまっている。小さいものは指2本ほどだ。前回までの釣行では全然見ることがなかったサイズだ。おそらく3分の一は放流してしまっただろう。
そしてやっぱり、フェリーが出港していくとアタリは遠のいてゆく。今日の場合はまだアタリは続いていたがこんなに小さなタチウオを釣り続けても仕方がないだろうと考えて終了とした。
海の様子を見てみようと新々波止の南に回ってみると、少しのうねりはあるもののいたって穏やかだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/47/f3a7ef08a345b4c4c14fc1271efdfe47.jpg)
禁断の仕掛けをもってくればよかったと悔やまれる。
そんなことを思いながら港に戻ると雑賀崎の底引き船も避難を始めていた。やはり今度の台風はこの辺りにもかなり影響を及ぼすのだろうか・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/e6/42e9a9c7c316e9c16a624b48718791f7.jpg)
午前6時に港に戻り、台風に備えてロープを増やし、締め直して今日の僕の1日は終了。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/b4/d7b68758f595b08169d5e23956200ebf.jpg)
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新しい仕事はまったく何の責任もないとはいえ、僕がいないと始まらない仕事でもある。電車が遅れたり不通になったりすると10人のメンバーにかなりの迷惑をかけてしまう。雨風は我慢するから電車だけは止まらないでくれと願うばかりだ・・。