本日、ニュージーランド・ワイングローワーズ によるセミナーと試飲会が都内で開催されたので出かけてきました。
セミナーのテーマは、「ニュージーランドの秘宝 シャルドネ&シラー」
ニュージーランド(NZ)で栽培されているブドウのトップはソーヴィニヨン・ブラン、2位がピノ・ノワールで、この2つがNZを代表する品種と言われ、日本にも多く輸入されているのは、ワイン好きの方ならよくご存じのことでしょう。
今回は、第3位にランクインする“シャルドネ”と、ピノ・ノワールに次ぐ赤の“シラー”がテーマ。
第3位のシャルドネは、それでも栽培面積が3120ha、ブドウ生産量26000トンで、全体生産量の8%でしかなく、輸出ワインの中では、たった3%のみ。
この数字を見るだけで、トップ2がどれだけ強いかわかりますよね。
シラーを見てみると、栽培面積は354ha、ブドウ生産量は2000トンで、全体生産量の1%。輸出ワインの中の割合に至っては0.2%!
今日は、シラー をピックアップしてみましょう。
シラーのNZの中での生産地は、ホークス・ベイとオークランドの2地区に集中しています。
上記の図で最も多いオレンジの部分がホークス・ベイ(HAWKE'S BAY、282ha)、次に多いのがオークランド(AUCKLAND/NORTHISLAND、42ha)で、どちらも北島になります。
HAWKE'S BAY
より内陸の土地で栽培されるため、1日の気温の温度差が大きく、乾燥した気候。
色調は濃く、黒っぽく、味わいはスパイシーで、ブラックペッパーやプラムの風味が表れる。
AUCKLAND/NORTHISLAND
生産量の大半が、サブリージョンのワイヘケ島とマタカナ。島は海の影響が大きく、雨量が多い。気温の日較差はホークス・ベイよりも小さく、気候も冷涼になる。
冷涼な気候を受け、色はやや濃さに欠け、キイチゴなどのベリーやコショウの風味が表れ、ホークス・ベイよりも軽やかな味わいのワインになる傾向が見られる。
セミナーではこれら2生産地からそれぞれ2種類ずつのワインを比較試飲しました。
HAWKE'S BAY
・Mills Reef Elspeth Trust Vineyards Syrah Hawke's Bay 2011
(輸入元:株式会社服部、価格:5040円)
・Bilancia Syrah Hawke's Bay 2010
(輸入元:株式会社デプト・プランニング、価格:4500円)
AUCKLAND/NORTHISLAND
・Man O' War Dreadnought Syrah Waiheke Island 2010 (未輸入)
・The Hay Paddocks Syrah Waiheke Island 2008 (未輸入、おそらく5400円)
ホークス・ベイのワインの方がスパイシー感が強く、華やかさがあります。
“Mills~”の方は色がやや薄めで、味わいは優美でエレガント、“Bilancia~”の方は果実味が濃厚ですが、甘さはなく、酸もしっかりとしています。
ワイヘケ島のワインはスパイシーさが穏やか ですが、“Man~”はタンニン量が豊富でビターなニュアンスが強く感じました。“The Hay~”は、年数が経っていることもあり、熟成のアロマ、風味、味わいがよく表れ、旨味たっぷりのフルボディ。果実味の中にビター感が少々あり、余韻がとても長く、これはウマイ!時間のなせる業ですね。
セミナーで供された上の4つのシラー以外のワインを試飲会場で探しましたが、なかなか見つかりません。生産量が少ない上に、輸出もわずかですから、仕方ないでしょうか。
が、見つけました!
左)Gimblett Gravel Hawkes Bay Syrah 2011 右)Hawkes Bay Syrah 2011 Trinity Hill
(輸入元:ヴィレッジ・セラーズ株式会社、希望小売価格:3850円、2650円)
右の “ホークス・ベイ・シラー” がスタンダードワインになります。酸のしっかりとした果実味がジューシーで、口当たりがよく、フードフレンドリーなワインです。これはシンプルな肉料理に合わせたい!アルコール12.5%。
左の “ギムレット・グラヴェル・ホークス・ベイ・シラー” は、このワイナリーのトップキュヴェである“Homage Syrah”の格落ち という、ラッキーなワインです。
果実味の凝縮度が強く、タンニンの骨格がしっかりし、厚みのある酸とのバランスが見事なワインに仕上がっています。まだ若いのでタフですが、落ち着いた安定感があり、将来が非常に期待できそうですね。
“オマージュ・シラー”は特別な年のみにつくられる超ハイエンドワインです(2007年ヴィンテージは12500円)。オマージュの格落ちのハイレベルワインがこの価格で飲めるのですから、ホント、これはラッキー
「トリニティ・ヒル」は、 “量よりも品質” をポリシーに、厳しい収量制限の下、ワインづくりを行なっているつくり手です。
NZでのシラーのワインづくりのポイントは 収量を落とす ことにある、と、セミナーで説明がありました。
「トリニティ・ヒル」も、まさにそれを実践している生産者、ということですね。
今回、シラーをテーマにしながら、試飲会場でシラーのワインの姿がほとんどなかったのが残念でしたが、NZのシラーのクオリティの高さがよくわかりました。
NZシラーは、エレガントで、しなやかさがあり、食事と一緒に楽しみやすいワインだと思います。
豪州のシラーズよりも、フランスの北ローヌのシラーに近い性格を感じました。
NZシラーのチョイスは、洗練されていてクール では?
輸入されているアイテム数は少ないかもしれませんが、出会いのチャンスがあれば、ぜひ試してみてください。
セミナーのテーマは、「ニュージーランドの秘宝 シャルドネ&シラー」
ニュージーランド(NZ)で栽培されているブドウのトップはソーヴィニヨン・ブラン、2位がピノ・ノワールで、この2つがNZを代表する品種と言われ、日本にも多く輸入されているのは、ワイン好きの方ならよくご存じのことでしょう。
今回は、第3位にランクインする“シャルドネ”と、ピノ・ノワールに次ぐ赤の“シラー”がテーマ。
第3位のシャルドネは、それでも栽培面積が3120ha、ブドウ生産量26000トンで、全体生産量の8%でしかなく、輸出ワインの中では、たった3%のみ。
この数字を見るだけで、トップ2がどれだけ強いかわかりますよね。
シラーを見てみると、栽培面積は354ha、ブドウ生産量は2000トンで、全体生産量の1%。輸出ワインの中の割合に至っては0.2%!
今日は、シラー をピックアップしてみましょう。
シラーのNZの中での生産地は、ホークス・ベイとオークランドの2地区に集中しています。
上記の図で最も多いオレンジの部分がホークス・ベイ(HAWKE'S BAY、282ha)、次に多いのがオークランド(AUCKLAND/NORTHISLAND、42ha)で、どちらも北島になります。
HAWKE'S BAY
より内陸の土地で栽培されるため、1日の気温の温度差が大きく、乾燥した気候。
色調は濃く、黒っぽく、味わいはスパイシーで、ブラックペッパーやプラムの風味が表れる。
AUCKLAND/NORTHISLAND
生産量の大半が、サブリージョンのワイヘケ島とマタカナ。島は海の影響が大きく、雨量が多い。気温の日較差はホークス・ベイよりも小さく、気候も冷涼になる。
冷涼な気候を受け、色はやや濃さに欠け、キイチゴなどのベリーやコショウの風味が表れ、ホークス・ベイよりも軽やかな味わいのワインになる傾向が見られる。
セミナーではこれら2生産地からそれぞれ2種類ずつのワインを比較試飲しました。
HAWKE'S BAY
・Mills Reef Elspeth Trust Vineyards Syrah Hawke's Bay 2011
(輸入元:株式会社服部、価格:5040円)
・Bilancia Syrah Hawke's Bay 2010
(輸入元:株式会社デプト・プランニング、価格:4500円)
AUCKLAND/NORTHISLAND
・Man O' War Dreadnought Syrah Waiheke Island 2010 (未輸入)
・The Hay Paddocks Syrah Waiheke Island 2008 (未輸入、おそらく5400円)
ホークス・ベイのワインの方がスパイシー感が強く、華やかさがあります。
“Mills~”の方は色がやや薄めで、味わいは優美でエレガント、“Bilancia~”の方は果実味が濃厚ですが、甘さはなく、酸もしっかりとしています。
ワイヘケ島のワインはスパイシーさが穏やか ですが、“Man~”はタンニン量が豊富でビターなニュアンスが強く感じました。“The Hay~”は、年数が経っていることもあり、熟成のアロマ、風味、味わいがよく表れ、旨味たっぷりのフルボディ。果実味の中にビター感が少々あり、余韻がとても長く、これはウマイ!時間のなせる業ですね。
セミナーで供された上の4つのシラー以外のワインを試飲会場で探しましたが、なかなか見つかりません。生産量が少ない上に、輸出もわずかですから、仕方ないでしょうか。
が、見つけました!
左)Gimblett Gravel Hawkes Bay Syrah 2011 右)Hawkes Bay Syrah 2011 Trinity Hill
(輸入元:ヴィレッジ・セラーズ株式会社、希望小売価格:3850円、2650円)
右の “ホークス・ベイ・シラー” がスタンダードワインになります。酸のしっかりとした果実味がジューシーで、口当たりがよく、フードフレンドリーなワインです。これはシンプルな肉料理に合わせたい!アルコール12.5%。
左の “ギムレット・グラヴェル・ホークス・ベイ・シラー” は、このワイナリーのトップキュヴェである“Homage Syrah”の格落ち という、ラッキーなワインです。
果実味の凝縮度が強く、タンニンの骨格がしっかりし、厚みのある酸とのバランスが見事なワインに仕上がっています。まだ若いのでタフですが、落ち着いた安定感があり、将来が非常に期待できそうですね。
“オマージュ・シラー”は特別な年のみにつくられる超ハイエンドワインです(2007年ヴィンテージは12500円)。オマージュの格落ちのハイレベルワインがこの価格で飲めるのですから、ホント、これはラッキー
「トリニティ・ヒル」は、 “量よりも品質” をポリシーに、厳しい収量制限の下、ワインづくりを行なっているつくり手です。
NZでのシラーのワインづくりのポイントは 収量を落とす ことにある、と、セミナーで説明がありました。
「トリニティ・ヒル」も、まさにそれを実践している生産者、ということですね。
今回、シラーをテーマにしながら、試飲会場でシラーのワインの姿がほとんどなかったのが残念でしたが、NZのシラーのクオリティの高さがよくわかりました。
NZシラーは、エレガントで、しなやかさがあり、食事と一緒に楽しみやすいワインだと思います。
豪州のシラーズよりも、フランスの北ローヌのシラーに近い性格を感じました。
NZシラーのチョイスは、洗練されていてクール では?
輸入されているアイテム数は少ないかもしれませんが、出会いのチャンスがあれば、ぜひ試してみてください。