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ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

外から見た日本ワイン@香港

2018-11-09 09:00:53 | ワイン&酒
「Hong Kong International Wine & Spirits Fair 2018」に来ています。



初日は、日本が大々的に出展しているブースをまずは見て回りました。



日本の酒、ワインなら、香港じゃなくて日本で試飲すればいいじゃない?と思う方もいらっしゃると思いますが、海外での展示会だからこそ見るポイントがあります。




日本のワインは、今回は3社しか出展がありませんでしたが、良く言えば、集中して取材できた、でしょうか。




サントリー 登美の丘

ご存知、サントリーです。
2年前から香港に関連会社を置き、本腰を入れていると聞きました。

サントリーの最高峰ワインは「登美」ですが、「登美の丘」は、もう少し気軽に飲めるミディアムボディの赤ワインです。
とはいえ、全日空の北米路線のファーストクラスに採用されているそうです。

聞けば、赤はここ数年で樽の使い方を年によって変えたり、2016年からマスカットベリーAを少量加えたり、白の甲州の2017年は収獲時期をギリギリまで遅くしたりと、色々な試行錯誤があるそうです。
2018年の収獲は良かったそうですから、どんなアプローチがされるのか、期待大です。

香港・マカオ市場においては、しっかりした食事の1杯目に飲むドリンクとして日本のワインを提案しているそうです。
例えば、甲州と枝豆のペアリングなど。
また、味わいがフレッシュで、アルコールも高くないので、日曜日に楽しめるSunday wineとしての提案もしているそうです。

日本のワインは、日本食レストラン以外でも増えているそうで、レベルの高いレストランの繊細な味の料理に合わせるワインとして、意識の高いソムリエが、他にはないワインとして扱い、他店との差別化を図っているそうです。

JETROの方に聞いた話ですが、
香港では食事中にアルコールを飲む習慣がないため、アルコールは食事が終わってから飲みに行くものなのだそうです。
これは知りませんでした。

その飲食習慣を、日本の酒やワインを食中酒として楽しめるものとして提案してきたのが、JETROの方とのことでした。
(実は私のよく知る方なのですが、改めて尊敬!)

海外に自国の製品を売り込むには、相手国の事情に合わせたやり方をしないといけないものですね。

話はサントリーの話に戻りますが、将来を見据えたワイン造りの取り組みの話なども聞くことができ、非常に実りのある機会となりました。



2社目は、メルシャンです。
甲州ワイン3アイテムにフォーカスして紹介していました。



メルシャン勝沼ワイナリーのツアーパンフレットは英語版がありました。さすがです。

そういえば、先月、京都で開催された、アジア・パシフィックソムリエコンクールに出場した海外の選手の中で、コンクール終了後に個人的にメルシャン勝沼ワイナリーを訪問した人がいたと聞いていました。
海外でのメルシャンの知名度は高そうですね。



ブースで試飲して興味を持つ人が多かったです。
写真の男性は、示された資料をスマホで撮影していました。




3社目は、北海道ワインです。

個性的な品種のワインが特徴的で、余市のソーヴィニヨン・ブラン、鶴沼のヴァイスブルグンダーなど、非常に興味深いものがありました。



多彩なワインを紹介していましたが、本数が少ないものが多く、輸出に回せるのか?がネックのようです。
が、社長自らいらっしゃるくらいに、輸出には前向きでした。
※社長の写真は撮りはぐりました




非常に淡い色合いの北海道のピノ・ノワール。
世界のピノ・ノワールの中で面白い存在になりそう?



各社のブースに立ち寄る外国人(香港では私の方が外国人ですが(笑))の様子、反応を見るだけでも、いい取材になります。
外から見るって、大事です。

コメント
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