ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

ボルドーワイン2015年を探る@UGB【後編】

2018-11-28 11:54:49 | ワイン&酒
【前編】より続きます。

さて、ボルドー左岸の赤ワインですが、まず印象に残ったのはマルゴー村でしょうか。
一番多く試飲ができた、というのもあります。



シャトー・ブラーヌ・カントナックは果実味がよく熟れ、酸も充分あってバランスが取れ、しっかりしたボリューム感がありました。
なめらかな質感も魅力。



シャトー・カントナック・ブラウンも果実味豊かで、口当たりがいい仕上がり。



シャトー・ドーザックは、フルーツもタンニンもしっかりあり、収れん味も小気味いい感じ。

シャトー・デスミライユは、酸と樽のバランスが良好。



シャトー・デュ・テルトルは、タンニンの骨格がしっかりしていて、酸もしっかりありながら、重たくならず、気品あるスタイルだと思いました。



シャトー・キルヴァンシャトー・ローザン・ガシーもバランス系。



サン・ジュリアン村は、酸がジューシーで、バランスの取れたものが見られました。



シャトー・ベイシュヴィルもバランス系です。



シャトー・ブラネール・デュクリュは、酸がジューシーなタイプで、サラリとしていました。



シャトー・グリュオ・ラローズは、ブラネール・デュクリュととてもよく似たタイプ。



ポイヤック村もいくつか飲めました。



シャトー・クレール・ミロンが、意外とジューシー!口当たりよく、飲みやすいです。



シャトー・ランシュ・ムーサはバランスがよく取れ、ふっくらみずみずしい果実味と酸が心地よかったです。



シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテ・ド・ラランドは、フルーツがしっかりあり、とても口当たりがいい、おいしい。



シャトー・ランシュ・バージュも、フルーツ豊かで、バランスよく、すぐおいしいタイプ。

2015年のポイヤックは、果実味がよく熟しているので、やっぱりイチオシかも?
シャトー・バタイエなど、樽しっかりタイプもありました。



サン=テステフ村は、時間の都合で、シャトー・フェラン・セギュールしか試飲できなかったのが残念。



フェラン・セギュールは、いい意味でのクラシカルなスタイル。



ボルドーには、貴腐ブドウからつくる 高貴な甘口白ワインもあります。
もう、どれもクラクラする美しさ。



ソーテルヌのシャトー・ド・ファルグ
一度デカンティングしたワインを、再びボトルに戻し、ワインを開かせています。
なめらかな甘さと余韻にうっとり~



クロ・オー・ペラゲは、甘みがより濃厚に凝縮し、余韻もじわ~っと長い。

最後のシメの甘口ワインは、最高のご褒美ですね(笑)





試飲会来場者数は、大阪は600名、東京は1000名と、過去最高だったとか。
この試飲会は毎回とにかく混んでいて、プロフェショナルの方々のボルドーワインへの関心の高さを実感させられますが、2015年ヴィンテージは前評判が高かったせいもあり、より関心を寄せられたようです。




オー・メドックやリストラック・メドックなどもありましたが、とにかく時間がなくて、ていねいに回れなかったのが残念!



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ボルドーワイン2015年を探る@UGB【前編】

2018-11-28 10:00:00 | ワイン&酒
ボルドーワインの話題、もうひとつ。
先週開催された、ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー(本部フランス・ボルドー)試飲会リポートです。

ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー(UGB)とは、ボルドーの生産者が、最新ヴィンテージのワインを直接ワイン関係者やワイン愛好家に披露するプロモーション活動を行うことを目的として、1973年に創立した団体です。

今回は、最新ヴィンテージ 2015年 を紹介する2018年度アジア・ツアー(日本、韓国、中国、香港)で、日本では大阪(11/19)、東京(11/20)で試飲会が開催されました。



UGBはボルドー各地区の格付けシャトーを中心とした団体で、現在134シャトーが加盟しており、大阪では史上最多の86シャトーが、東京では昨年同様の96シャトーが2015年ヴィンテージを紹介しました。

彼らが公式に出しているヴィンテージの特徴はこちら。




では、辛口白ワインからみていきましょう。
すべてはテイスティングできていませんので、ザッとの印象です。

白ワインは、サラリ系が多いと感じました。
デリケートでエレガント。
その一方で、フルーツを前面に出しているシャトーもあります。




グラーヴシャトー・フェランドはフルーツと酸がしっかり出てタイプ。
6月に真夏日があり、100年に一度だとか?
セミヨン40%、ソーヴィニヨン・ブラン30%、ソーヴィニヨン・グリ30%。

ここの赤は、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロが各50%。
よく熟した年なので、かっちりしたタンニンがあり、アルコール度数は14%。
クラッシックでボルドーらしい、この先の熟成が楽しみなタイプですね。

同じくグラーヴのシャトー・シャントグリーヴは、ほどよいボリュームのボディで、樽のニュアンスも感じられました。
ここのシャトーの赤の方は、エレガントで整ったおいしさがありました。

白はぺサック=レオニャンの方が、より繊細でしょうか。




赤白ともに素晴らしいワインを生産するドメーヌ・ド・シュヴァリエの白も繊細でエレガント。いつもの年よりもライトに感じました。
シュヴァリエの赤も、スーッとスッキリで、少しスリムな印象。

シャトー・カルボーニュの白も、シャトー・ブスコーの白も、軽やか系。

私のお気に入りのひとつ、シャトー・ド・フューザルは、軽快なのに、樽のニュアンスの方が出ていました。
ここの赤は、輪郭が少しゆるめに感じました。




対して、ラリヴェ・オー・ブリオンの白は、フルーツがしっかり出ているタイプ。
ここは赤もフルーツ豊かで、早くからバランスよく飲める仕上がりになっていると思います。




シャトー・パプ・クレマンの白は、甘めのフルーツがしっかりあり、口当たりよく飲める仕上がり。



シャトー・マラルティック・ラグラヴィエールの白は、フルーツ系ですが、ソフトでやさしく、デリケートさもあり、いいバランス。誰もが笑顔で楽しめると思います。

シャトー・オリヴィエの白はカッチリ!

シャトー・スミス・オー・ラフィットは、フルーツ+樽がしっかり。
ここは樽好きの人は好きだと思います。

白に関しては、シャトーによってさまざまなので、気に入るものを飲んで見つけるしかないと思います。
それでも、シャトーの個性は、それなりに出ているので、過去の経験をある程度は参考にしていいんじゃないでしょうか。



赤ワインで気になったアペラシオンは…

サン=テミリオンは、よく熟した魅力的な果実味がチャーミングなワインがある一方で、“熱”を感じたところがいくつかありました。




シャトー・ダッソーは、ジューシーな酸と果実味がいい感じです。



クロ・フルテは、なめらかで濃さがあり、すでにおいしく飲める状態。



トロロン・モンドも、フルーツが濃厚で、今から楽しめ、酸もしっかりあります。

ラ・ドミニクは、酸とタンニンのバランスがさすが。




同じく右岸のポムロルは、タンニンがキレイで、エレガントでスーッと入るところが多かったように思います。

シャトー・ボールガールシャトー・ル・ボン・パストゥールシャトー・ガザンなどが、このタイプ。




ユニークなところでは、ブルゴーニュの手法でつくっているというシャトー・ルジェ
まろやかで口当たりが良く、おいしく飲めます。
2015年は天候の条件が良かったので、果実だけでなく、梗までよく熟したそうです。

長くなりそうなので、ここでいったん切ります。
左岸は次回へ。

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