ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

ボージョレ・ヌーヴォー2018解禁!

2018-11-15 12:29:52 | ワイン&酒
本日も香港で得たワイン&酒情報をリポートしたかったのですが、
本日、11月15日(木)は “11月第3木曜日はボージョレ・ヌーヴォー解禁日”ですから、こちらの話題優先で。



ボージョレ・ヌーヴォーの最大の輸出先は日本、ということは、過去の記事でも取り上げました。

しかし、2004年をピークに半分以下まで減少しています。

今年も夏頃からあちこちで「お早目の予約を~」という案内が見られましたが、例年と違うことが色々あります。

まず、ボージョレ委員会からの解禁イベント関連の案内がなく、また、輸入元が毎年開催している解禁イベントの案内もありません。
他の方へのご案内はあったのかもしれませんが、これだけ動きが何もない年は、過去一度もありません。

想像するに、近年は気軽にワインを飲めるワインバルが増え、ワインの購入に関しても日常的になってきているため、“普段ワインを飲まない人が年に一度ワインを飲むための一大イベントとしてのボージョレ・ヌーヴォー”の役目も終わりに近づいているのかもしれません。

大量にドーンと輸入されたボージョレ・ヌーヴォーが翌年の夏になってもまだ店の棚に残っていたり、ディスカウント価格で叩き売られている姿を見るのは哀しいものがあったので、ほどよい加減での販売は、健全ではないでしょうか。

それでも、秋の美食を楽しむ季節のさなかに新酒の解禁があるのは、心躍るもの。
好きな造り手のワインを毎年買い続けている人もいるでしょうからね。



各社からのボージョレ・ヌーヴォー解禁のニュースリリースも届いています。

かつて低価格を競った時代もありましたが、そのパイオニア(笑)「ドンキホーテ」は、今年も価格にこだわり、自社輸入のヌーヴォーを579円(750ml、税抜)で発売します。
579円は、“ご納得”にかけているそうです(笑)
ドンキの最安値への挑戦は9年連続になります。

この価格なら失敗してもいいか…と思えます。
そこで、私もドンキに買いに行ってきました(笑)



 Robert Sarrau BEAUJOLAIS NOUVEAU 2018 
750ml ペットボトル 579円(税抜)→ 549円(税抜)! ドンキホーテ

579円のはずが、“緊急値下げ”で 549円になってました!
税込価格でも592円という安さ



ロベール・サルーというネゴシアンのヌーヴォーです。
バラのラベルにはバリエーションがあり、1本ごとに違うそうですよ。
私はボージョレらしいカラーだと思った、このバラを選びました。



早速、軽く冷やして飲んでみました。
色は明るめです。アルコール度数は12.5%。

ボージョレ・ヌーヴォーには独特のむっとした香りがあり、苦手な人もいますが、このワインはイチゴ系の香りの方が勝っています。
味わいは軽く、フルーティーで、とても飲みやすいタイプ。
ランチなどに、軽く冷やして気軽に楽しむにはいいかも。
なにしろ、安いですからね(笑)




さて、ほかも見てみましょう。



「西友」オリジナルの「フランソワ・フッシェ ボジョレー・ヌーヴォー 2018」は948円(税抜)(750ml)です(左端)
ドンキほど低価格ではありませんが、1000円以下をキープしたい、という姿勢が見えます。

西友のボジョレー・ヌーヴォーは、2016年まで870円(税抜)で、2017年は970円でした。
今年2018年は948円と少々下がりました。

樹齢60年以上のブドウを使ったワンランク上の「フランソワ・フッシェ ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー2018」(左から2本目)は1570円(税抜)と、これもまずまず手を出しやすい価格帯でしょうか。

ボージョレのブドウ“ガメイ”を使ってスパークリングに仕上げた「フランソワ・フッシェ ガメイ・スパークリングワイン」(左から3本目)も1570円(税抜)。
赤ワインですが、シュワシュワの泡が楽しめるので、近年、ヌーヴォーの季節にスパークリングガメイを出すところもかなり多くなってきました。
口当たりがいいですし、赤の発泡は華やかですので、何本か飲むなら、1本はスパークリングを混ぜるといいと思います。

サイズのバリエーションも各社出してきていますが、西友は、白やロゼも含めた 187mlミニサイズを3種各378円(税抜)、ペットボトルで発売します。
ミニサイズ3本買うと1000円なので、まとめ買いがオトク。

他社スーパーを見てみると、



イオンのトップバリューのオリジナルヌーヴォーは950円(税抜)

セブン&アイは1000円以下のボージョレ・ヌーヴォーはありませんが、日本ソムリエ協会会長の田崎真也さんオリジナルのボージョレ・ヌーヴォーなんていうアイテムを投入してきました。



3000円を超えるクオリティヌーヴォーも見てみましょう。


メゾン・ジョセフ・ドルーアン ボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー ヴィエイユ・ヴィーニュ 2018

ブルゴーニュのボーヌに拠点を置き、素晴らしいブルゴーニュワインをつくりながら、ボージョレ・ヌーヴォーの先駆者でもあるジョセフ・ドルーアンは、古木のブドウから造るワンランク上のヴィラージュヌーヴォーを毎年リリースしています。

ドルーアンのリリースによると、
今年の夏は太陽の輝きの恩恵を受け、降雨量も少なく、ブドウが健康的な状態で8月最終週から収穫ができたそうです。
ワインは、赤い果実と黒い果実のニュアンスがあり、よく凝縮し、はっきりとしたボージョレの個性を表現した年になったとのこと。



ボージョレ・ヴィラージュ・プリムール 2018  ルイ・ジャド

同じく、ブルゴーニュのボーヌに拠点を置くルイ・ジャド社は、「ボージョレ・ヴィラージュ・プリムール」という名称でボージョレ・ヌーヴォーを発売しています。

左はベーシックなタイプですが、真ん中のワインはノンフィルタータイプ。
右はシャルドネで造った「マコン・ヴィラージュ プリムール 2018」です。




ベーシックタイプとノンフィルタータイプを比べると、まず色が違います。
右のノンフィルターの方が色調が濃く、黒っぽさもあります。
フィルターをかけないタイプは果肉感があり、タンニン分も濃く、コクのあるタイプ。
私はノンフィルターがいつも好みですが、2018年の味わいはどうでしょうか。
飲むのが楽しみです。



ボージョレ・ヌーヴォー解禁日から週末にかけて、駅ビルのコンコースや、ショップ店頭やデパートの特設フロアなどで試飲をしているところも多いので、まずは飲み比べて、気に入ったら買う、でいいと思います。


[参考]

ボジョレー・ヌーヴォーの歴史をさかのぼると…
https://blog.goo.ne.jp/may_w/e/35182eeb74b4085e7a3a58b0b50fe76e

ボジョレ・ヌーヴォーを今一度考える
https://blog.goo.ne.jp/may_w/e/a80b876e2fe4c186519c69779a8d8396

ボージョレ・ヌーヴォーと日本
https://blog.goo.ne.jp/may_w/e/257439ac71319f08fc4418620d3bed9d


ボージョレ・ヌーヴォー2017解禁!
https://blog.goo.ne.jp/may_w/e/7a2283ca637e41333ff13a50b231cf09

ボジョレ・ヌーヴォー2016 本日解禁!
https://blog.goo.ne.jp/may_w/e/65d37fb28fc22880377f5685517fe46a

ボジョレ・ヌーヴォーを楽しむための小ネタ(笑)
https://blog.goo.ne.jp/may_w/e/1832b8d740dfc737c003e04a30a0f8a1


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする