ミーロの日記

日々の出来事をつれづれなるままに書き綴っています。

ささやかな幸せを喜ぶ人たち

2020-03-02 12:34:45 | 日記

いつもの週末なら必ず行く温泉だが、今回は残念だが行くのを控えて、普段の週末と同じように食料品の買い出しだけをすることにした。

それにしてもどこも人出がなくて閑散としているのかと思いきや、スーパーの混みようには驚いた。

普段の週末の倍は、いるんじゃないかと思われる大勢の方で、レジには長い行列ができていた。(まるで年末商戦時期のような感じ)

密閉空間で大勢の人が密着して集まると感染の危険性が高まると言っていたが、まさにこれって危ないんじゃないかと思いながら並んでいた。

商品は、トイレットペーパーはもちろんのこと、いつもより商品が無くなっている棚が多かったが、みなさんいつも以上に買い込んでいるのかなと思った。

ところで、レジに長く並んですっかり身体が冷えてしまい、こんな時はあったかい温泉に浸かりたいなぁと心から思う。

さて前回、温泉に行ったのは、長女がささやかなことに喜べてうらやましいということを書いた翌日のことだった。

そこでなんと、まるでタイミングを合わせたかのように、ささやかなことに喜べる大勢の方に会うことができたので、今日はその話を書こうと思う。

まず温泉に入ってすぐ体を洗っていると、湯船から大きな声が聞こえて来た。

「あ~しあわせ。あったかいお湯に浸かって、なんて幸せなの。ありがたい、ありがたい・・・」

湯船を見たら年配の女性が二人入っていて、一人の女性がそう言うのをもう一人の女性が「ホントだね~しあわせだね~」と同意していた。

ふたりで「しあわせだね、ありがたいね」と言いあっているのを微笑ましく見ながら、外の露天風呂の方へ行くと、こちらもお二人の年配女性が先に入っていて、私が行くと「ようこそ~!こちらの方が温度が高いよ。遠慮しないで中の方へどうぞ入って」と言われた。

もちろん見ず知らずの方だったが、温泉に入ってリラックスしたのか、お二人は気軽に声をかけてくれた。

そして、内風呂に入っている方と同じように「しあわせだね~」と言いながら目を細めていらっしゃる。

温泉は人を幸せにすると、つくづく思う。

この日は、声をかけてくれた女性が、あとから入ってきた方に気軽に声をかけて、声をかけられた方々もまた気軽に話に応じて、見ず知らずの者同士で話に花が咲いた。

その中の一人の女性とは、隣同士でいろいろなお話をさせてもらった。

60代前半というその女性は、現在は介護のお仕事をしているそうで、子どもたちが独立したので、休日にはご主人とふたりでいろいろな温泉に行って楽しんでいるそうだ。

数年前には、ご主人が癌になってもうだめかも・・・と言う所まで行ったが、現在はなんとか回復して温泉にも来れるようになったそうだ。

そんなご主人といつも話しているのは、残りの人生を楽しもうということと、何か世の中のお役に立つことをしようということだとか。

人生を楽しむ為に、好きな温泉巡りをして、大好きな犬を何頭も飼っているそうだが、この犬たちというのは、実は盲導犬を引退した犬たちなのだという。

盲導犬は歳をとると、引退して余生を過ごす為に一般家庭に引き取られるのだが、引き取っても2~3年くらいで寿命が尽きるため一緒に過ごすのはそれほど長くはないそうだ。

「ついこの間も一頭を見送ったのよ。やっぱり寂しいわね」とおっしゃって、「でも犬が好きだから、短い間でも一緒に居られることが幸せなの。犬は文句ひとつ言わないしね。その点、人間はだめよ。文句ばかり言って」と続けた。

この時、女性の目に涙が浮かんだことに気づいたが、それは汗では無かったと思う。

さらに「二つの目が見えて、二つの手が動かせて、二本の足で歩けるのだから、元気なうちは、この身体を使って社会の役に立つことをしたいと思うの」とおっしゃった。

それは特に気負った風でもなく、ごくごく自然におっしゃって、なんて素敵な女性なのだろうと思った。

こんな風になりたいなぁと思うような本当に素敵な人だった。

最後に「今とっても幸せなの。生きているだけで本当に幸せ。だってこうして温泉にも来れるでしょ!」と笑顔で話すと、湯船を出て行かれた。

この日は、記事に書きたくなるような、ささやかな幸せを喜べる方に、ほかにもまだ会ったのだが、長くなるのでいつかまた書こうと思う。

 

 

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