箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

チーム学校とは

2019年06月22日 19時02分52秒 | 教育・子育てあれこれ
 
 
組織はチームとして機能することが重要であることは言うまでもありません。
 
学校も組織であることは確かなことで、文科省も教育行政も「チーム学校の組織づくり」を学校現場に提案します。
 
ただし、なぜチーム学校が必要なのかという論理的な説明がありません。
 
「教職員が協力しあうから、いい教育ができる」という理由だけでチーム学校が必要だと言われているようにしか、私には思えません。
 
1 1 2 でなく、1 1 2 以上になる理由を明確に説明しなければなりません。
 
たとえば、学校に企画力のある教員Aと生徒指導がうまい教員Bがいるとします。
 
一人で仕事をするときは、自分が苦手なこともしますが、二人で仕事をしてどちらもが得意なことだけに集中してできるように役割分担したほうが、それぞれパフォーマンスがあがるので、1 1 2 以上になるのです。
 
たとえば、私が校長を務めていたときの3年生の沖縄修学旅行(2018年)では、1日目の夜の平和学習で、「がちゆん」という那覇市にある学生が起業したグループを招聘しました。
 
 
彼らは、修学旅行生にディスカッションをコーディネートして、平和の問題や基地の問題を学習する機会を提供する大学生による企業です。
 
この新たな平和学習を企画した教員がいて、平和学習を指導した学級担任がいて、学年がチームになり、新たな試みの平和学習が実現しました。
 
当日、生徒たちは真剣になり、ディスカッションをして、深く平和のことや基地の問題について考えることができました。
 
これが、1 1 2以上になるチーム学校です。
 
これが個をいかすチームの実例であるとも言えるのです。
 
 
(なお、がちゆんは、いま業務を停止しています。)
 
 
 

悩みや不安は認めると軽減される

2019年06月22日 08時02分00秒 | 教育・子育てあれこれ
 
 
 
 
中学生になると、部活の大会や発表会で、子どもが緊張を強いられることがあります。 
 
いま、このサーブを決めたらチームが勝利する。
 
いまこのスリーポイントシュートを自分が決めれば勝利が転がり込む。
 
ソロで、たった一人で楽器を大勢の人の前で演奏しなければならない。
 
 失敗したらどうしよう。 
 
こんなとき、私が生徒にアドバイスしたのは、「だいじょうぶだよ」という声かけだったことがあります。
 
しかし、子どもによっては「あがっているんやね。無理もないな。こんな大事な場面やから」 このように声かけをしたときもあります。 
 
このときのねらいは、不安でいっぱいの子が「自分はあがってドキドキしている」と、自分の不安を受け入れることなのです。 
 
不安を不安として、人は認め受け入れたとき、不安は不安でなくなるのです。 
 
「不安だ、不安だ」と気持ちを膨らますだけでは、焦るばかりです。
 
自分に自信のある子は、不安をもった自分を受け入れることができるのです。 
 
 
あるとき、「なかよしの友だちなのに、あの子の言うことやすることが、いちいち気になるるのです」と言ってきた子がいました。 
 
しばらく話を聞いて、私は、結局この子は友だちに嫉妬しているのでないかと思いました。
 
 そこで、「その友だちに嫉妬しているのでないか」と問いました。 
 
しばらくして、後日その子は言いに来ました。 
 
「そうでした。ボクは友だちがうらやましかったのです。そう思うと、ボクの悩みは消えてしまいました」
 
 もともと、人間は不完全なものです。嫉妬やうらやみは起こります。そのとき、自分は自分と思えれば、自分は不完全な存在であると気がつくのです。 
 
人は、そのようにして不完全な自分と付き合って生きていくのです。 
 
悩みや不安は認めたときから軽くなるのです。