組織はチームとして機能することが重要であることは言うまでもありません。
学校も組織であることは確かなことで、文科省も教育行政も「チーム学校の組織づくり」を学校現場に提案します。
ただし、なぜチーム学校が必要なのかという論理的な説明がありません。
「教職員が協力しあうから、いい教育ができる」という理由だけでチーム学校が必要だと言われているようにしか、私には思えません。
1 + 1= 2 でなく、1 + 1= 2 以上になる理由を明確に説明しなければなりません。
たとえば、学校に企画力のある教員Aと生徒指導がうまい教員Bがいるとします。
一人で仕事をするときは、自分が苦手なこともしますが、二人で仕事をしてどちらもが得意なことだけに集中してできるように役割分担したほうが、それぞれパフォーマンスがあがるので、1 + 1= 2 以上になるのです。
たとえば、私が校長を務めていたときの3年生の沖縄修学旅行(2018年)では、1日目の夜の平和学習で、「がちゆん」という那覇市にある学生が起業したグループを招聘しました。
彼らは、修学旅行生にディスカッションをコーディネートして、平和の問題や基地の問題を学習する機会を提供する大学生による企業です。
この新たな平和学習を企画した教員がいて、平和学習を指導した学級担任がいて、学年がチームになり、新たな試みの平和学習が実現しました。
当日、生徒たちは真剣になり、ディスカッションをして、深く平和のことや基地の問題について考えることができました。
これが、1 + 1= 2以上になるチーム学校です。
これが個をいかすチームの実例であるとも言えるのです。
(なお、がちゆんは、いま業務を停止しています。)