私が教職に就いた頃は、中学生にとっての「学力」というと、知識をたくさんもたせることや情報を正確に早く処理することを求めていました。
教科書に載っていることを頭の中に多く入れ、覚えて、テストで高い点数をとる子どもを、学力が高い子と考えていました。
社会や世間もそのように考えていました。
いま中学生の親になって、このブログを読んでいる人たちも、このような学力観で学習をしてこられた方が多いのではないでしょうか。
だから、いま「社会科は暗記科目よ」と言われる親御さんは、その時代の学力観に基づいていますが、いま社会科は知識とその知識を働かせて思考力を深める教科になっています。
このように、この30年間で大きく学力に対する考え方が変わりました。
この30年間は、いわゆる「バブルの崩壊」から、日本は低経済成長時代に入り、「失われた20年(30年)」と言われています。
その間に、社会のしくみは大きく変わりました。
SNSの発達は、私たち誰もが情報を世界に向け発信する術を与えてくれました。会社という組織に所属せず、収入を得る道も開かれてきました。
このような時代には、まわりの人と同じことができるように教育することより、自分でないとできないという強みを発揮する力が大切になると思われます。
その人に苦手なことはあったとしても、他者にはない強みや長所があり、それを発揮できることが重んじられるようになると思います。