私は、教職経験が少ない頃は、先輩の教員からこうしなさいとよく教えてもらいました。
その先輩教員は、さすがに生徒との良好な人間関係を築いていました。
だから、私は言われたように、教員の仕事をしていました。
しかし、一定程度経験を積んでくると、クラスをこうしたいとか、こんな授業をしたい、学年をこう運営していきたいという望みをもつようになりました。
たとえば、中学生が体験する職場体験学習は、どうしたら中学生に社会への扉を開くことができるかを考えた末に、チャレンジしました。
当時、職場体験学習をやっている中学校は近隣、また大阪府下にはほとんどありませんでした。
阪神淡路大震災で甚大な被害を受けた神戸市などで、子どもの心の復興を期して、「トライやるウィーク」を先行実施している程度でした。
わたしが学年主任をしているときに、箕面市の中学校ではじめて開始しました。
ときに1996年のことでした。
最初だったので、いろいろは不備はありましたが、生徒たちは体験を終えていい表情で学校へ戻ってきました。
そのあと、年度をおって他の中学校も追随するようになりました。
今年度で24年目になります。
この体験学習は、先輩教員がが教えてくれたわけではありません。
でも、子どものためにやってよかったと思っています。
教員の成長とは、こういうものだと考えています。
言われたことを言われた通りにやればいいのではないのです。
まして、いまの時代の学校では、言われたことを言われた通りにだけしかできない教員では、つとまりません。
子どものために、こんな取り組みや行事ができたらと願い、やってみようとする教員だあってほしいと思います。