時間外勤務の長さなど、多忙な学校の教員の現状が、メディアで報道されました。
あまりにもその多忙さがクローズアップされ、最近は、大学生が教職につきたがらないとも聞きます。
とはいえ、今の時期、教育実習を受けて、学校現場で奮闘している大学4年生が、結構います。
真っ直ぐな態度で、子どもに接する実習生に会うと、応援したくなります。
よく、「なぜ教員になりたいの?」と問います。
「子どもが好きだからです」と答える人がいますが、私はその答えは答えになっていないことを指摘します。
子どもが好きなのは、教師なら当然です。教師が子どもを好きなのは必要条件であって、十分条件ではない。
子どもの課題は多様であり、ときには子どもとの人間関係につまずいたり、うまくいかないこともある。
思い描く理想とかけはなれた学校の状況に直面して、「こんなはずではなかった」という気持ちになることもある。
ときには、子どもと向き合うのがしんどいときもある。
責任に押しつぶされそうになることとある。
それでも、子どもが伸びる可能性を信じて、弱音をはくことがあっても、教職にいそしむことができる。
関わり続けた生徒が、卒業前になり、「先生、3年間ありがとうございました」と言ってくれたとき、報われた気持ちになり、「卒業おめでとう」と返すのです。
これらすべての面を通して、子どもが好きだと言えるなら、教職をめざしなさい。
厳しい言葉かもしれませんが、こんなふうに話します。
また、教職経験は重ねても、毎日、素直な気持ちで子どもに接する人であってほしい。
松下幸之助の言葉を借りれば、
「朝に発意、昼に実行、夕べ反省」です。
毎日、自分が行なった教育活動は、素直な気持ちでやっていたかをふりかえり、翌朝また素直な気持ちで子どもと応対しようとする。
その営みを続ける教師たれと、自戒を踏まえて、現役の教師やこれから教職を目指す人に期待します。