今の時代、年齢層に関係なく、電子メールやSNSを使い、人と人がやりとりをします。
先日、驚いたことがあります。
大学生が「あの人とは直接話しました」と言いました。
ところが、話をよく聞いてみると、「電話をして直接話した」と言っていることがわかりました。
わたしは、てっきり直接会って話したという意味だと思っていました。
ところが、メールなどではなく、電話をかけて直接話したということが、その大学生の言う「直接話した」という意味だとわかったのです。
ところで、実際に会って話すという行為は、SNSなどでのやりとりとは、まったくちがう効果をもっています。
たとえば、人間が発する表情や様子はたくさんの情報を表します。
顔を合わせて直接見る表情や口元から見える口調で、相手がどう思っているかがわかることも多いのです。
しかし、SNSの書き込みやメールによる文面は、相手の感情がわかりにくいのです。
では、なぜこれほどまでにメールやSNSが広がったのでしょうか。
おそらく、直接会って話すことを苦手にする人が増えたからではないでしょうか。
というか、逆もあるかもしれません。
メールやSNSを使うから、直接会って話すことが苦手になったとも考えられるかもしれません。
いずれにしても、わたしが過去に教員採用試験の面接官をしていて思ったのですが、グループディスカッションをすると、みんなが遠慮しあい、誰かの意見に反論することをよしと思わない学生が増えています。
自分をさらけ出すのではなく、また、相手を傷つけずにほどほどのところで自分の意見を述べる人が多いのです。
そういう状況を鑑みたとき、今の中学生には、学校生活のなかで、友だちと会い、直接に会話を交わす経験を積むことは大切だと考えます。
会話を交わして、うまくいったという経験だけでなく、失敗したという経験もするでしょう。
しかし、成功も失敗も、経験が増えれば増えるほど、その子は対人関係で柔軟な対応ができる大人になるのだと考えます。