Miaou:猫と一緒にフランス語

長い道のりを猫と共に行きつ戻りつ

猫が通る庭

2006-02-05 22:46:00 | ねこねこ
うちの庭には、いろいろな猫が来ます。
ただ通って行くだけの猫、植木にご丁寧にもマーキングする猫、縁側のガラス戸に近寄って中を覗いていく猫。

背中がグレーでおなかが白いのはパスカルの天敵で、裏のお家の飼い猫さんです。そこの家にはもう一匹猫がいて、チャコールグレーの長毛、狸のようなコで、名前は「太郎ちゃん」。奥さんがそう呼んでた。パトリスやアンドレじゃなくてよかったよ・・・。
そのほかに、我が家では「フィリピン」という名前で呼んでいる雉トラの小柄な猫。それから足先だけ白くてあとは全部黒い猫。これがいままで確認済みの猫です。
そして、つい最近、新個体を発見。全身真っ黒な猫です。縁側でエルメスと対峙しているとき、一瞬「誰がここに鏡を置いたの?」とギクリとしました。
よくよく見ると、向こうさんは尻尾が長いし体も大きいですが、パッと見焦りましたよ。
エルメスが脱走した?とも考えてしまいました。

縁側から庭に来る猫、時には小鳥を眺めるのはいいですよ。
でも、隣家のかたにしてみると、庭に猫が通るなどとんでもない!なのです。

でも、実はもう一匹いるのです。額の一部が黒トラで後は真っ白の男の子。

もう8年も前になります。裏の家がまだ空き家だったとき、裏の家の庭の片隅のトタン板が積み重ねて置かれていた場所、そこでノラちゃんがお産をしました。
夏でした。
ある日、どこからか「ミーミー、ミーミー」という仔猫の声がするので、裏庭の植え込みの中や縁の下を見ました。そして裏の家の庭のトタン板の間から仔猫が顔を出しているのを発見。裏の家の敷地はうちの敷地よりも50センチほど低くなっています。母猫はそのとき留守でした。

仔猫は無条件にかわいいもの。そのときから私はおせっかいおばさん、母猫にとっては都合のよい人間となりました。

子育てしている母猫にキャットフードをやり、わざわざ仔猫を残してどこかへ餌取りにでかけていかなくても済むようにしました。
日がたつにつれて、仔猫たちは活発さを増し、トタン板の上に乗ったり、周りを駆け巡ったり、全部で5匹いました。
そしてある日裏口のドアを開けてみると、5匹の仔猫が「ミャ-ミャー、ミヤァ~~~」と言いながら、すぐそこに”溜まって”いるのです。50センチの段差を、自力でクリアして、5匹そろってやってきたのでした。
裏口から我が家の台所に上がってきそうな勢いです。
茶トラ2匹、三毛1匹、雉トラ1匹、額だけ黒トラであとは真っ白が1匹です。
でも母猫がいません。
次の日も、その次の日も母猫は姿を現しませんでした。
そうなんです。彼女は私に仔猫を託して出奔(?)してしまったのです。

仔猫たちも「この人にご飯をもらえる」と確信したのでしょう。50センチ低くなっている裏の家の庭から、我が家の縁の下にお引越ししてきました。
朝、私が起きて台所の流しで水を出すと「あ、あの人、起きた」とわかるのでしょう、裏口の向こうで一斉に「ミヤ~、ニャ~、ニャァァ~~」の大合唱。
フードを3皿用意して裏口を開けると、仔猫が湧き出してくる、という感じでした。
仔猫たちが食事しているのをみながら「どうにかしなきゃなぁ」と考えていました。
母猫出奔から1ヶ月ほど過ぎたときに、隣の奥さんから「お宅が庭で飼っている仔猫がうちの庭をトイレとして使って困ります。仔猫を捨ててきてください」と”ブツ”持参でうちに来ました。(ヤバイ・・・汗)
とりあえず、その日の夕方菓子折り持ってお詫びに行き、捨てることはできないけど、里親を探すので少し待ってほしいとお願いしました。

それから5匹の仔猫の里親探し大作戦が始まったのです。
知り合いに声をかけたり、スーパーや獣医さんにポスターを貼らせてもらったり、うちの猫たちがお世話になったことのあるペットシッターさんのままにゃんさんにも相談に乗ってもらい、湘南新聞にも三行広告を出させてもらいました。

5匹のうちの3匹が、伊勢原、湯河原、多摩市へと貰われていきました。
残るは茶トラ1匹と白猫1匹。両方オス。
しばらく2匹でうちの縁の下にいました。
お隣も猫の数が減ったことで少しおとなしくなってくれました。

1年ぐらいたってしまい「もう仔猫じゃないから貰い手はいないだろう」と思っていたら、「白猫だけほしい」と言ってくださる人がいました。
でも私は「この2匹、ずっと一緒にいたので、できるなら2匹一緒に貰ってもらえないでしょうか?」とずうずうしいお願いをしてしまったので「2匹一緒は無理」と断られてしまったのです。(ドジッったよ、トホホ)

さらに半年ほど2匹は一緒にいました。彼らのテリトリーも我が家の庭やお隣の庭だけではなく、道路を渡ってだいぶ離れたところで見かけることもありました。
ある日から茶トラがぱったりと姿を見せなくなりました。
道路を渡っているときに車に轢かれてしまったのか、それともほかの家でご飯がもらえるようになったのか・・・。事故に遭ったら、多分我が家の近くで遭うだろうし、ご近所はその猫は私が面倒を見ている猫だということを知っているので、私が気づかなくても気づかせてくれるはずです。そう考えると、よそに行ったのだ、と思えるし思いたいのですが・・・。

そんなわけで、今は白猫さんだけがうちの庭にご飯を貰いに来るのです。
この白猫さん、前歯がなくて、声がかすれているのです。
今年で8年目。うちの猫たちも、この猫に関しては「あ、またいつものアイツだ」と、全然相手にしません。