Miaou:猫と一緒にフランス語

長い道のりを猫と共に行きつ戻りつ

有頂天ホテル

2006-02-11 22:37:02 | 映画
三谷幸喜監督の「有頂天ホテル」を観てきました。
普段、単館上映のフランス映画ばかりを観ている私にとって、メジャーな劇場へ行くのはいつ以来か・・・。
場所は有楽町日劇。
ロビーも広いし、階段の足元にはキラキラとした照明が光っているし。
もちろん人も多かったです。華やかな雰囲気。
そして映画も負けず劣らずに華やかでした。
大晦日のホテルを舞台にした、いろいろな人が絡まりあうコメディです。
出演者が豪華。普通なら主役を張るような人が一出演者となって映画に参加していました。
でも、それぞれの役者さんが、自分に与えられた"持ち場”を精一杯楽しみながら、プロ意識を発揮して演じているのが良くわかって、楽しい映画でした。
2時間以上の上演時間でしたけど、全く飽きず観ることができました。
邦画もたまにはいいね。


発音

2006-02-11 22:24:19 | フランス語
週刊誌で連載されている林真理子さんのエッセイ、今週号の中にこのようなことが書いてあった。

ケーキ屋さん(フランス風に言えば、パティスリ)へ行ってショーケースに宝石のように並んだケーキの中からほしいものを店員さんへ告げるとき、例えば、こんな言い方をしている人はおばさん(おじさん)街道まっしぐらなのだそうだ。

「あの、ちょっと、その一番下の段の、チョコレートのやつ1つと、真ん中の段の白いフワフワのやつ2つね」
本当はそれらのケーキには、”ムース・ド・ショコラアメール”とか”ムース・ドゥ・フロマージュフレ”などというれっきとした名前がついていて、ショーケースの中のネームプレートにもお値段と一緒に表示されている。

でも、面倒くさいのか全部言うのが恥ずかしいのか、そして、”こっちはお客なんだなら、お客の要求を先回りして汲み取りなさいよ”のような傲慢さも加わってなのか、「下の段の一番右」とか言ってしまう、店員さんから見れば一番左なのにね。

ああ、これはありがちなことだわ、とわが身を正し、金曜日に早速実践してみた。
場所は丸の内TOKIAの1階にあるパン屋さんのVIRON(ヴィロン)。
ここは対面販売のパン屋さん。普通のパン屋さんのように、トレーとトングを持って、自分の好みのパンを取り、レジで会計してもらうスタイルではない。

ショーケースにパンが並んでいるので、自分のほしいパンを店員さんに個数とともに告げるわけ。

今回、私は、パンオーレザンとカヴァットを買った。
パンオーレザンはレーズンの混ざったクロワッサン生地がカタツムリの殻のようにくるくる丸まって、焼かれているもの。
もう一つのカヴァットはブリオッシュ生地を平たい長方形に焼いて、その中にチョコチップとカスタードクリームがサンドされているもの。

フランスのパン屋さんなので、パンの名前を表示するプレートには、カタカナ表記とフランス語表記、そして値段が表記されている。

そこで「あれ??」ということがあった。
カヴァットとカタカナで表記されているパンのフランス語表記にはcravateとある。ちゃんと読めば「クラヴァット」だ。
ネクタイという意味のフランス語。
なるほど、平べったい長方形のパンはネクタイにも見えるかも。
でも、カヴァットとカタカナでかいてあるし・・・。

迷った末に、私は「クラヴァット1個とパンオーレザン1個下さい」、と言ったら店員さんがすかさず「パンオーレザンとカヴァット1つずつですね」と。

どうなんだ?フランス語綴りではしっかりcravateってあるけど?

でもでも、フランス語でのrの発音ってちょっと曲者。
英語のrの発音ともイタリア語のrの発音とも違う。
喉の奥に舌の奥の部分をくっつけるようにして、うがいするような音を出す。
決して、「ラ」という音ではない。

なので、cravateをフランス語っぽくばっちり発音するとrの音はあまり出てこない。むしろカヴァットと聞こえるかも。

いや~~~、思いがけないところで、正しい発音を習ったような、習わないような・・・首をかしげながらお店を出ました。