Miaou:猫と一緒にフランス語

長い道のりを猫と共に行きつ戻りつ

投薬実習

2006-02-14 22:34:40 | ねこねこ
行ってきました、獣医さんへ、投薬実習に。
診察台にエルメスを乗せ、まずは先生がいともカンタンにエルメスの口を開けました。口元(牙の生えている部分)を押さえ、口元がちょっと開いたら、指でこじ開ける感じです。
「すいません、今、エルメスの口をどのぐらいの力で抑えてますか?同じぐらいの力で私の手を抑えてはさんでもらっていいですか?」といきなりなお願い。
だって、力の入れ具合が分からずに、おそるおそる抑えているからエルメスの口が開かないのだ、というのは分かっていたものですから。
そうしたら、結構強く抑えていることがわかりました。

さて、私の番です。
まずは猫のあごの下に右手を入れて持ち上げ、上を向かせます。
そして頭蓋骨全体を左手で包むように持って左手の親指と人差し指で口元の牙の生えている辺りを押さえつけます。すると唇が開く、というか、口が開くので、右手の人差し指と左手の人差し指を使って口をこじ開けます。
でも、なかなか開きません。猫のあごの力もたいしたものです。
ちょっと開いたかな・・・と思って口の中を覗いてみると、舌が上あごにくっついてるんです。
これでは、薬を入れられません。
「こんなものを使うという手もあるよ」と先生が仰って登場したのが、写真の物体です。
注射器のようなもの。もちろん針はついていません。
錠剤をウェットフードなどで包んで小さい団子にし、それを注射器の先端におきます。そしてその注射器を口の中に入れると、猫は自然に口を開くので、すかさず団子を押し出して口の奥に落とす、というシステムです。
そして、注射器を抜いて口を閉じ、しばらく上を向かせたままにして喉のあたりをさすっていると「ゴクン」と飲み下してくれるはずなのだそうです。

病院の診察室にはウェットフードはなかったので、錠剤を注射器の先端に入れてやってみたのですが、できました。 
もう一度やってみたかったのですが、今日の分の薬はもう飲ませてしまった後ということで、薬を使ってやってみるわけには行きません。先生が小さいドライフードを持ってくてくださって、それを同様に注射器の先端のセットしてやってみて、できました。

汗かきました。 

明日もできるかどうかはわかりませんが、なんとなく分かったような気がします。

ところで、エルメスは診察台の上ではまさしく借りてきた猫状態です。犬で言えば伏せの状態で動きません。
諦めが良いのです。
先生からのアドバイス、もう一つ。
薬を飲ませるときには、高い台の上に猫を乗せて飲ませるとよいそうです。
そのほうが、人間だって動作がしやすいですもんね。

明日もがんばるぞ。




舐性皮膚炎(しせいひふえん)

2006-02-13 23:20:24 | ねこねこ
エルメスのおなかの禿げがなかなか治らず、今朝みたら、うっすら血も滲んでいたようなので朝一で獣医さんへ行きました。
初めての症状ではないし、元気も食欲もあったのでおっとり構えていたのですが、改善が見られないなら放ってはおけないもんね。

そして舐性皮膚炎の診断を受けました。
体の一部を舐め壊して、その部分の毛が禿げて皮膚がもっこり盛り上がってきてしまう皮膚炎です。
獣医さんが仰るには内分泌系が原因なら後ろ足などに左右対称に毛が抜けるのだそうです。エルメスの場合は内側からくることが原因ではなく、なにかのきっかけでそこだけ舐める癖がついてしまったとのこと。
抗生剤の軟膏を内服薬を処方してもらい、帰ってきました。

ここからが大変。
薬を飲ませられないのです。
まずはすりこぎで砕いて粉状にして餌にまぜたのですが、「プイ」と顔をそむけられ、やっぱりだめか・・・と思いながら、Blogで知り合った、erimaさまから教えてもらったHPに出ていた猫に薬を飲ませる方法の動画を参考にしながらやってみたんだけど、猫に逃げられる始末で、最後にはキャットタワーの最上部へ行ってしまって降りて来やしない。

パスカルは病院帰りのエルメスに唸りっぱなしでウーウーシャーシャー言いっぱなし・・・。
模様と体の大きさから、ちょっとコワイです。
でも、本当は私が夜寝るときに、すま~~してソファの上で寝ているパスカル、明け方気づくと、私の布団の中で、私に寄り添ってからだを伸ばしておなかを出して眠っているんです、かわいいヤツなんです。

ウーウーシャーシャー言われているほうの、エルメスは飄々としていますけど、決して気分いいものではないよね、かわいそうに。

明日またエルメスを連れて獣医さんへ行き、薬の飲ませ方の実習をさせてもらうつもりです。
またパスカルに唸られるんだろうと思うと行きたくなくなるけれど、そんなことは言っていられません。これから猫も年を取り、薬のお世話になる機会増えるので、慣れておかねば・・・。

猫に薬を飲ませるコツなどがあったら、教えてください、皆様!!よろしくお願いします。

有頂天ホテル

2006-02-11 22:37:02 | 映画
三谷幸喜監督の「有頂天ホテル」を観てきました。
普段、単館上映のフランス映画ばかりを観ている私にとって、メジャーな劇場へ行くのはいつ以来か・・・。
場所は有楽町日劇。
ロビーも広いし、階段の足元にはキラキラとした照明が光っているし。
もちろん人も多かったです。華やかな雰囲気。
そして映画も負けず劣らずに華やかでした。
大晦日のホテルを舞台にした、いろいろな人が絡まりあうコメディです。
出演者が豪華。普通なら主役を張るような人が一出演者となって映画に参加していました。
でも、それぞれの役者さんが、自分に与えられた"持ち場”を精一杯楽しみながら、プロ意識を発揮して演じているのが良くわかって、楽しい映画でした。
2時間以上の上演時間でしたけど、全く飽きず観ることができました。
邦画もたまにはいいね。


発音

2006-02-11 22:24:19 | フランス語
週刊誌で連載されている林真理子さんのエッセイ、今週号の中にこのようなことが書いてあった。

ケーキ屋さん(フランス風に言えば、パティスリ)へ行ってショーケースに宝石のように並んだケーキの中からほしいものを店員さんへ告げるとき、例えば、こんな言い方をしている人はおばさん(おじさん)街道まっしぐらなのだそうだ。

「あの、ちょっと、その一番下の段の、チョコレートのやつ1つと、真ん中の段の白いフワフワのやつ2つね」
本当はそれらのケーキには、”ムース・ド・ショコラアメール”とか”ムース・ドゥ・フロマージュフレ”などというれっきとした名前がついていて、ショーケースの中のネームプレートにもお値段と一緒に表示されている。

でも、面倒くさいのか全部言うのが恥ずかしいのか、そして、”こっちはお客なんだなら、お客の要求を先回りして汲み取りなさいよ”のような傲慢さも加わってなのか、「下の段の一番右」とか言ってしまう、店員さんから見れば一番左なのにね。

ああ、これはありがちなことだわ、とわが身を正し、金曜日に早速実践してみた。
場所は丸の内TOKIAの1階にあるパン屋さんのVIRON(ヴィロン)。
ここは対面販売のパン屋さん。普通のパン屋さんのように、トレーとトングを持って、自分の好みのパンを取り、レジで会計してもらうスタイルではない。

ショーケースにパンが並んでいるので、自分のほしいパンを店員さんに個数とともに告げるわけ。

今回、私は、パンオーレザンとカヴァットを買った。
パンオーレザンはレーズンの混ざったクロワッサン生地がカタツムリの殻のようにくるくる丸まって、焼かれているもの。
もう一つのカヴァットはブリオッシュ生地を平たい長方形に焼いて、その中にチョコチップとカスタードクリームがサンドされているもの。

フランスのパン屋さんなので、パンの名前を表示するプレートには、カタカナ表記とフランス語表記、そして値段が表記されている。

そこで「あれ??」ということがあった。
カヴァットとカタカナで表記されているパンのフランス語表記にはcravateとある。ちゃんと読めば「クラヴァット」だ。
ネクタイという意味のフランス語。
なるほど、平べったい長方形のパンはネクタイにも見えるかも。
でも、カヴァットとカタカナでかいてあるし・・・。

迷った末に、私は「クラヴァット1個とパンオーレザン1個下さい」、と言ったら店員さんがすかさず「パンオーレザンとカヴァット1つずつですね」と。

どうなんだ?フランス語綴りではしっかりcravateってあるけど?

でもでも、フランス語でのrの発音ってちょっと曲者。
英語のrの発音ともイタリア語のrの発音とも違う。
喉の奥に舌の奥の部分をくっつけるようにして、うがいするような音を出す。
決して、「ラ」という音ではない。

なので、cravateをフランス語っぽくばっちり発音するとrの音はあまり出てこない。むしろカヴァットと聞こえるかも。

いや~~~、思いがけないところで、正しい発音を習ったような、習わないような・・・首をかしげながらお店を出ました。





いとこ同士

2006-02-08 22:08:45 | Weblog
父方の叔母が亡くなった。90歳だった。
90歳の人のお通夜葬儀には、涙はない。
子供たちにしてみればいくつになっても母親は母親、亡くなれば悲しいに決まっているけれど、半面できるだけのことができた、という諦めと満足が混ざった心境なのではないだろうか・・・とお通夜の席で一人考えていた。

私の父は7人兄弟。亡くなった叔母は一番上、父は下から2番目。
なので、叔母の子供たちは、父の子供である私よりもずっと年上で、もう彼らの子供は結婚していたりする。

お通夜に集まった親戚たち。
とあるネガティブな理由でずっと疎遠になっていて、顔を合わせるのは祝儀不祝儀の席のみ。
20年以上の間を開けて再会した従姉もいた。

血の繋がりとはすごいもので、20年以上ぶりの再会でも、そのブランクはあっという間に懐かしさと親しさで埋まってしまう。
その場限りの親しさの復活とは分かっていても、その瞬間は子供のころの感覚に戻るものだ。

うちはいわゆる「本家」だった。
お盆とお正月には親戚たちが集まってくる。
夏は一緒に海に行き、お正月には叔父叔母たちからお年玉をもらい、いとこ達とはトランプをしたりかるたをしたりして遊んだっけ。
藤沢に住んでいた叔母の家に遊びに行って、家のすぐ裏を通る江ノ電を見たり、歩いて江ノ島へ遊びに行ったりした。
私が物心しっかりついてから触れた赤ちゃんは、叔母の娘(今回20年以上ぶりに再会した従姉)の産んだ赤ちゃんを見に行ったときだ。
そのときの、叔母の家の八畳間に、生まれたての赤ん坊を抱いて座っている従姉の様子を今でもくっきり思い出せるし、八畳間から見えた庭の様子も覚えている。

亡くなった叔母の娘(=私の従姉)は「アンタちっとも変わらないわね」と昔のままの声と話し方で語りかける。
他の従姉も寄ってくる。
すると、子供のころの、祖父も父もまだ元気で生きていて、何も心配することのなかった無邪気な時代がよみがえってきた。

亡くなった人が幸せな昔を呼んできてくれたのだった。

まりちゃん

2006-02-07 23:42:26 | ねこねこ
一昨日ブログに書いた猫の話のつづきです。

伊勢原にもらわれていったのは、出奔した母親そっくりの美人の三毛猫ちゃんです。ままにゃんさんのアドバイスにしたがって「湘南新聞」に出した3行広告を見て電話をかけてきてくれました。
約束の日の朝、裏口のドアを開けると湧き出てくる仔猫から、三毛猫ちゃんだけを捕まえてキャリーバッグへ入れ、車に積み込みます。
三毛ちゃんは一体自分に何が起こったのか分からず、残された兄弟たちも「なんだなんだ!?」といった雰囲気でした。本当ですよ。

待ち合わせ場所について、先方に電話し、自宅への道を詳しく教えてもらってお邪魔しました。
70代の女性一人暮らしのおうちです。
近くに娘さんが住んでいらっしゃる、というのを伺って少し安心しました。

家の中はたくさんの荷物があって、お世辞にも「きれいに片付いてる」とはいえない状態でした。でも、もちろん1軒屋だし、なにより猫のことをとてもかわいがってくれそうなので、里親さんになっていただくことにしました。

名前ももう決めてあって、まりちゃん、でした。
ぴったりの名前だと思いました。

渡して帰ってくるときに「室内で飼ってくださいね、不妊手術もしてくださいね」とお願いしたら「娘と一緒に病院へ行きます」と前向きな態度で安心して帰ってきたのです。

が!その翌日電話があって「まりちゃんが、いなくなってしまいました」とのこと。「え~~~~~!!」と言いたい気持ちをグッとこらえて「まりちゃんのポスターを作って持って行きます(里親さんを見つけるためのポスター作りのためにまりちゃんの写真もたくさん撮ってあった)」と電話を切り、またままにゃんさんに相談しました。
そうしたらままにゃんさんから、①事故に遭って、猫好きの人に助けられ病院へ担ぎ込まれている可能性もあるので、近所の動物病院へ連絡すること。②最悪、轢かれて死んでしまった場合、清掃局が回収するので、市の清掃局へも連絡して聞いてみること、のアドバイスをいただきました。

そのことを電話で伝え、私はパソコンでポスターを作り始めました。翌日持って行くつもりで。
そうしたら、翌朝見つかりましたの電話。
屋根裏にもぐりこんでいたそうです。
あ~~~~よかったよ~~~ぉ\(-o-)/
「これからはまりちゃんを紐でつないでおきます」だって。
そこまでしなくても・・・・。


それから2年後の6月に、突然お茶を送っていただきまして、お礼の電話を入れたらば、「すいませんねぇ、まりちゃん、今ちょっと出かけちゃってるんですよ」と。
え~~~、出入り自由猫になってるの?と思いつつも、まぁ、仕方なか・・・と思いました。
もっとも、私が電話をかけたときにまりちゃんが家にいたとして、まりちゃんと電話口で話ができたとしても「あなたには、子供のころいろいろお世話になったみたいだけど、アタシちっとも覚えてないのよ」と言われるのがオチなんですけどね。

小田原厚木道路で伊勢原を通るたびに、老婦人と三毛猫まりちゃんのことを思っています。


梅の木

2006-02-06 22:08:01 | Weblog
庭の梅が咲いた。
寒い寒いと言っても、花は季節の移り変わりをきちんと教えてくれる。
この梅の木は、私が物心ついたときにはもう立派な成木だった。
夏の日に、庭に陶器の椅子とテーブルを出して弟や従姉妹たちとお菓子を食べたとき、梅の木の枝からテーブルの上に毛虫が落ちてきて、皆で驚いたのを思い出す。
そして、恐る恐る木に顔を近づけて見ると、フワフワで銀色に光る毛虫がたくさんついていて、再び驚いて木から急いで離れたっけ。
それ以来、梅の木には近づけないでいた。

梅の木は樹齢が進むにつれ、だんだんと老木化してきた。
おばあちゃんが、だんだん腰が曲がって背が低くなるように、私が子供の頃あれだけ枝を張っていた木も、だんだんとスケールダウンして、背も低くなった。
私の身長が伸びたというのもあるけれど。
昔はあんなに青々とした葉を多くつけて、おまけに毛虫も住まわせていた梅の木も今では自分のことでいっぱいいっぱいみたいだ。
それでもこの時期になれば、つぼみを開いて花を見せてくれる。

子供のころは大きく感じたものを、今は小さく感じる。
それを実感したもうひとつのこと。
それは神社の石垣だ。

私は、神社に併設されている幼稚園に通っていた。
1日が終わって帰るとき、石垣の下に整列して、石垣の上に”姿を現す”大先生(おおせんせい=神社の神主さん)に「おおせんせい、さようなら、みなさん、さようなら」と大きな声で挨拶し、幼稚園バスに乗った。

今、お散歩コースに神社の中を通るけれど、子供のころ「石垣」と思っていたものはそれほど高さのあるものではなく、ちょっと飛び上がれば上に上れてしまうほどだ。
(話題は逸れるけど、「上」って言う漢字、いろんな読み方がありますよね。日本語をお勉強している外国人の皆さん、頑張ってください!!)

まだまだあるよ。
例えばお菓子屋さん。
うちの隣のお菓子屋さんはチョコレートやガムやキャラメルやアイスクリームなど一通りのお菓子を売っていたけれど、量り売りはしていなかった。
遠足のときに、いろいろなお菓子を少しずつ量ってもらって買って持ってくる友達がうらやましかった。
量り売りをしてくれるお菓子屋さんがあるのだ。でも、そのお菓子屋さんは、家から歩いてずっと遠くにあったのでなかなか行けなかった。
今は散歩コースの途中に、元・お菓子屋さんが普通の家に改築されてそこにある。

大人になって、昔は怖かったものが怖くなくなり、行けなかったところへもいとも簡単に行けるようになっている。
あの頃から今に至る変化は大きいけど、これからの私にどういう変化があるのだろう。もちろんポジティブな方向の変化だけど。

劇的な変化はなくてもいいけど、心は前向きに変化していきたいよ、ね~~~~。





猫が通る庭

2006-02-05 22:46:00 | ねこねこ
うちの庭には、いろいろな猫が来ます。
ただ通って行くだけの猫、植木にご丁寧にもマーキングする猫、縁側のガラス戸に近寄って中を覗いていく猫。

背中がグレーでおなかが白いのはパスカルの天敵で、裏のお家の飼い猫さんです。そこの家にはもう一匹猫がいて、チャコールグレーの長毛、狸のようなコで、名前は「太郎ちゃん」。奥さんがそう呼んでた。パトリスやアンドレじゃなくてよかったよ・・・。
そのほかに、我が家では「フィリピン」という名前で呼んでいる雉トラの小柄な猫。それから足先だけ白くてあとは全部黒い猫。これがいままで確認済みの猫です。
そして、つい最近、新個体を発見。全身真っ黒な猫です。縁側でエルメスと対峙しているとき、一瞬「誰がここに鏡を置いたの?」とギクリとしました。
よくよく見ると、向こうさんは尻尾が長いし体も大きいですが、パッと見焦りましたよ。
エルメスが脱走した?とも考えてしまいました。

縁側から庭に来る猫、時には小鳥を眺めるのはいいですよ。
でも、隣家のかたにしてみると、庭に猫が通るなどとんでもない!なのです。

でも、実はもう一匹いるのです。額の一部が黒トラで後は真っ白の男の子。

もう8年も前になります。裏の家がまだ空き家だったとき、裏の家の庭の片隅のトタン板が積み重ねて置かれていた場所、そこでノラちゃんがお産をしました。
夏でした。
ある日、どこからか「ミーミー、ミーミー」という仔猫の声がするので、裏庭の植え込みの中や縁の下を見ました。そして裏の家の庭のトタン板の間から仔猫が顔を出しているのを発見。裏の家の敷地はうちの敷地よりも50センチほど低くなっています。母猫はそのとき留守でした。

仔猫は無条件にかわいいもの。そのときから私はおせっかいおばさん、母猫にとっては都合のよい人間となりました。

子育てしている母猫にキャットフードをやり、わざわざ仔猫を残してどこかへ餌取りにでかけていかなくても済むようにしました。
日がたつにつれて、仔猫たちは活発さを増し、トタン板の上に乗ったり、周りを駆け巡ったり、全部で5匹いました。
そしてある日裏口のドアを開けてみると、5匹の仔猫が「ミャ-ミャー、ミヤァ~~~」と言いながら、すぐそこに”溜まって”いるのです。50センチの段差を、自力でクリアして、5匹そろってやってきたのでした。
裏口から我が家の台所に上がってきそうな勢いです。
茶トラ2匹、三毛1匹、雉トラ1匹、額だけ黒トラであとは真っ白が1匹です。
でも母猫がいません。
次の日も、その次の日も母猫は姿を現しませんでした。
そうなんです。彼女は私に仔猫を託して出奔(?)してしまったのです。

仔猫たちも「この人にご飯をもらえる」と確信したのでしょう。50センチ低くなっている裏の家の庭から、我が家の縁の下にお引越ししてきました。
朝、私が起きて台所の流しで水を出すと「あ、あの人、起きた」とわかるのでしょう、裏口の向こうで一斉に「ミヤ~、ニャ~、ニャァァ~~」の大合唱。
フードを3皿用意して裏口を開けると、仔猫が湧き出してくる、という感じでした。
仔猫たちが食事しているのをみながら「どうにかしなきゃなぁ」と考えていました。
母猫出奔から1ヶ月ほど過ぎたときに、隣の奥さんから「お宅が庭で飼っている仔猫がうちの庭をトイレとして使って困ります。仔猫を捨ててきてください」と”ブツ”持参でうちに来ました。(ヤバイ・・・汗)
とりあえず、その日の夕方菓子折り持ってお詫びに行き、捨てることはできないけど、里親を探すので少し待ってほしいとお願いしました。

それから5匹の仔猫の里親探し大作戦が始まったのです。
知り合いに声をかけたり、スーパーや獣医さんにポスターを貼らせてもらったり、うちの猫たちがお世話になったことのあるペットシッターさんのままにゃんさんにも相談に乗ってもらい、湘南新聞にも三行広告を出させてもらいました。

5匹のうちの3匹が、伊勢原、湯河原、多摩市へと貰われていきました。
残るは茶トラ1匹と白猫1匹。両方オス。
しばらく2匹でうちの縁の下にいました。
お隣も猫の数が減ったことで少しおとなしくなってくれました。

1年ぐらいたってしまい「もう仔猫じゃないから貰い手はいないだろう」と思っていたら、「白猫だけほしい」と言ってくださる人がいました。
でも私は「この2匹、ずっと一緒にいたので、できるなら2匹一緒に貰ってもらえないでしょうか?」とずうずうしいお願いをしてしまったので「2匹一緒は無理」と断られてしまったのです。(ドジッったよ、トホホ)

さらに半年ほど2匹は一緒にいました。彼らのテリトリーも我が家の庭やお隣の庭だけではなく、道路を渡ってだいぶ離れたところで見かけることもありました。
ある日から茶トラがぱったりと姿を見せなくなりました。
道路を渡っているときに車に轢かれてしまったのか、それともほかの家でご飯がもらえるようになったのか・・・。事故に遭ったら、多分我が家の近くで遭うだろうし、ご近所はその猫は私が面倒を見ている猫だということを知っているので、私が気づかなくても気づかせてくれるはずです。そう考えると、よそに行ったのだ、と思えるし思いたいのですが・・・。

そんなわけで、今は白猫さんだけがうちの庭にご飯を貰いに来るのです。
この白猫さん、前歯がなくて、声がかすれているのです。
今年で8年目。うちの猫たちも、この猫に関しては「あ、またいつものアイツだ」と、全然相手にしません。

ルーツって

2006-02-04 23:40:21 | 映画
金曜日映画を観ました。
タイトルは「愛より強い旅」
原題はEXILS、フランス語で意味は、追放・流刑、亡命などなどあるけれど、映画の内容と一番しっくりくる訳は「親しい土地、親しい人から離れて暮らすこと」だと思います。
主人公カップルのザノ(男性)とナイマ(女性)は、パリ郊外の高層集合住宅に住んでいます。高層集合住宅って言ったって、六本木ヒルズレジデンスとかそんなんじゃなくて、多分、1階にある集合ポストは使い物にならないんだろうなぁ、とかエレベーターには落書きがしてあるんだろうなぁと想像できるような住宅です。

ある日ザノは窓から外を眺めながら突然ナイマに言います「アルジェリアへ行こう」と。アルジェリアはザノの両親が生まれた地、ザノのルーツのある土地です。
ナイマは最初その提案を笑い飛ばしていました、「突然何言い出すの?」と。

結局二人は無賃乗車を繰り返しながら、フランスを出て、スペインのアンダルシアへ。そして、船に乗りアルジェリアへ向かうはずが、乗る船を間違えてモロッコへ。途中で知り合ったジプシーには所持品を盗まれ、彼らとは逆にアルジェリアを発ちフランスを目指して不法出国しようとする姉弟には助けてもらいながら、アルジェリアを目指します。

彼らの行程を見ていると、大変だけと楽しそう。
街なかの池で水浴びしたり、フラメンコのショーを見たり、
ナイマのお誕生日、ザノは野宿している場所のすぐ傍にシャンパンのボトルを前もって埋めておき、彼女の前で犬の真似をしてボトルを掘り出します。彼女はそれに大喜び。
無賃乗車、野宿などなどラクな旅ではないけれど、若い二人には楽しい旅ですね、と思いながら観ていました。

二人がアルジェリアに着いたとき、ナイマは自分のアイデンティティの不確かさを痛感し始め、気持ちが不安定になり、さかんに爪をかみ始めます。
彼女の風貌はアラブ系の、普通なら人前で肌を見せるような服装は許されないイスラムの国の女性と同じ風貌なのです。
でも彼女は郷に入っても郷に従うことができずに、街中をサンドレス1枚で歩き回ります。見ず知らずのイスラム教徒女性から「この恥知らず」のような罵声を浴びせられます。
そして彼女はますます疎外感を募らせていきます。

ザノは自分の両親が昔過ごしていた家に行くことができ、そこの住人がたまたま取っておいてくれた彼の祖先の写真を見て号泣してしまいます。
ザノはそこで、ずっと離れて暮らしていた親しい人に再会できたのです。
もうザノはEXILS(エグジル:親しい人・土地から離れて暮らす状態)から抜け出すことができたのかもしれません。

この映画の圧巻は、ナイマがトランス状態に陥ってしまう、音とダンスの場面です。占い師のような女性に「自分のことをしっかり見つめなさい」のようなことを強く言われ、最初は「フン」という反応だった彼女も、自分を包む音リズム、歌声、ダンスにだんだんとわれを忘れてのめりこんでいきます。
最後は恍惚状態で涙を流し、それを見守っていたザノも陶酔状態に陥ります。

その翌日のナイマの表情の変化を見て、ナイマも自分のルーツの何かを見つけたのだな(感じ取ったのだな)と思いました。

疎外感を感じ、激しく爪をかんでいた、暗さと焦りの映った目ではなく、穏やかでよりどころを持ったような、優しさと自信のあふれた目をしていました。

自分のルーツを確認するというのは、それだけ重要なことなのか・・・。
この映画の監督トニー・ガトリフ氏はそこが言いたかったのでしょう、と思います。
日本人だって決して単一民族とは思いませんけれど、ヨーロッパの人々は、さまざまな宗教文化を持った、肌の色の違う人々と共存していくのが当たり前です。
やはり、自分のルーツをどこかに感じていたいのでしょうか。

1時間43分の映画でした。
集中して観たので、終わった後に少し疲れました。
画面を注視していたのもありますが、やはり映画の終わり近くにかなり長く続いたナイマのトランスシーンに圧倒されたのかもしれません。
歌とダンスにはものすごいパワーがありますね。

この映画、多分、フランス語をやっていなかったら、関心の持てない映画だったのかもしれません。
この映画を観ることによって私が多民族、移民などについて理解できたことなどないに等しいでしょう。
でも、「なんか、いろいろあるのよね」というのは実感できたので、それでよしとします。

DVDになってレンタルされるようになったら、もう一度観てみようかな、と思いました。


誘拐もありうる?

2006-02-02 22:18:13 | ねこねこ
今日、夕方のニュース番組でこのようなことが伝えられていた。
最近、ペットが盗まれる、という事件があるそうなのだ。
「盗まれる」というよりも「連れて行かれる」「誘拐される」といったほうが、私やこのブログを読んでくださっている猫好き・動物好きの方々にはしっくりきますね。
留守中のマンションに侵入され、チワワを盗まれてしまった女性は半ば引きこもりの精神状態になってしまったそうだ。
仕事も辞め、実家に戻ってしまったとのこと。
知らない人が悪意を持って自宅に侵入することさえ怖いことなのに、自分が大切に大切にしている家族を連れて行かれたのだ、平気でいられるはずがない。
同じくチワワを連れて行かれてしまったある男性は、警察はあてにならないので、懸賞金を出して、ネット上で告知し、探しているそうだ。
窃盗事件として現場検証に現れた警官のうちの何名かは、大事なペットが連れて行かれたことに対して同情もしてくれず、口の端には笑みがあったという。
きっと「たかた犬で・猫で」と思っているんだろう。

なぜ、チワワが誘拐されるのか。誘拐した後どうするのか・・・。
誘拐した犬を転売するよりもその犬を繁殖に使い、それによって生まれた仔犬に不正に入手した血統書をつけて高値で売るのだそうだ。

またこの先、家族の中でのペットの位置が、単なる愛玩動物ではなく、家族の一員であり人生の伴侶にも近い存在になってくると、そこにつけこんだ誘拐事件(身代金要求)が発生するのも時間の問題だとか。

子供の数よりペットの数の方が多くなった今、たかが犬、たかが猫ではもうないのだ。
子供がいようといまいと、一人暮らしだろうと家族と同居だろうと、一緒に暮らす動物の存在がどれほど大きいかは、動物と一緒に暮らしたことのある人なら感じているはず。

自分のホームページやブログで自分の子供の顔写真を公開するのは控えたほうがよい、と考える人がいる。
どこで誰が見ているかわからない、犯罪に巻き込まれる可能性がゼロではないからだ。

この先、ペットも(人間の)子供同様、「写真は載せないほうがいいよ」になるのだろうか。






日本酒風呂

2006-02-01 22:26:11 | Weblog

今日も寒かったですね。
地震もありました。うちの方は震度3だったそうですが、4ぐらいに感じました、何せレトロな日本建築なもので・・・。
丸くなって寝ていたパスカルは飛び起きて匍匐前進、エルメスはキャットタワー天辺で釘付けでした。
実際問題として、もっと大きな地震がきて、家が倒れるようなことになったら、猫を連れて逃げるなんて無理だと思います。
普段から「グラッときたらキャリーバッグに入る」なんて訓練できるわけないもんね。
猫と一緒に暮らしていらっしゃるみなさん、もしも大地震がきたらどうします?

さて、話題はガラリと変わりますが、今日私は日本酒入り風呂に入りました。
何かの雑誌に出ていたのです、日本酒を少し入れてお風呂に入ると体が温まる・・・と。
100ccほど入れてみました。そして結果は優良!です。
お湯の温かさがどんどん浸み込んでくる感じだったし、肌もツルツルだし、汗もいつもよりたくさん出ました。(私は、汗をあまりかかないのに)
これは、いいかも。
日本酒+塩だともっと効果的だそうです。

皆様、お試しあれ。ちなみに、お酒の香りなど全然しませんので、お酒に弱い方でも大丈夫ですよ。