バージニア労働者

アメリカで働くってどんな感じ?アメリカの企業で働く統計アナリストの労働ブログ。アメリカ生活小話や猫も登場。

週末を返せ (Super Storm)

2012年07月02日 | 4SEASONS

ワールドニュースをご覧になった方ならご存知かと思われるが
先週の金曜日の夜、オハイオ州で猛威を奮った暴風雨がワシントンDC辺りの州に下りてきて
それはそれはものすごい悪さをして消えていったのだった。



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金曜の夜、私とハニバニはいつものように家でくつろぎながらDVDを借りて観ていた。


その映画が終わった頃、私たちは『ああ、面白かったね』と言いながら、
ふと、外の風が強くなってきたことに気がついた。


やがて雨も降ってくる。


こういうことは日常茶飯事なので気にも留めてなかったが、
その晩の嵐はやけに荒く、途中風が窓を割ってしまうかもと思うぐらいの勢いになってきたので
途中でちょっと恐くなった。


「この風、ちょっとヤバイかもよ。絶対に停電するかも。」


と私が言い、それなら電気のある今のうちにお風呂とか入ったほうが良さそうだねと
笑いながら腰を上げたそのとき、ジャストタイミングで停電になるのだった。


まるでドリフのコントのひとコマである。


突然の暗闇。


慌てて懐中電灯を探す。


どうせ電気なんてすぐにつくさ、だって嵐もあっという間に駆け抜けていったし。


と思ったが最後、その停電は『すぐに』どころか、31時間も続くのだった。


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土曜日の朝、目を覚ましたら外はうっすらと青くて、普段見慣れている朝の色から
ああ、早朝なんだなとわかった。


携帯の時計を見たら5時ちょっとすぎ。


電気はまだない。


その日は日中の気温が40度を超えるのに、エアコンが使えないとは残酷だ。


ただの嵐だったのに、こうなるとは。ハリケーン一過でもこんなことはなかったのに。


シャワーを浴びて(お湯が使えたのはラッキー)、比較的涼しい地下室にお嬢様を軟禁してから
私たちは車を走らせ(車内では冷房が利くからね)電気が通っている遠くの町へ食料を求めてドライブした。


外出してみると、その嵐がどれだけ暴れて行ったのかが一目でわかる。


倒された木々の量は、今までのハリケーンの被害でもそれほどまではなかったろう。


やっと見つけたレストランはおなじみのマック。


そこでは同じようなことを考えて漂流した難民でごった返している。


涼しい場所で、とりあえずお腹を満たして気がついたが、そこはすっげー田舎町であった。


『ここ、何もない田舎だね。住む人は退屈だろうな。』と言ったら


『確かに田舎で何もなくとも、僕たちが食べ物にありつけた最初の町。感謝だねー。』とハニバニ。


彼の優しさが窺がえて、なんだか私も優しい気持ちになったのだった。


...のもつかの間。


電気が戻ってきてるかも!とわずかな期待を抱えて家に帰ったが、やっぱりまだダメ。


それからは前庭の木陰で涼を取った。家の中にはいられない。


お嬢らはもう家の中なら行きたいところに行きなさい状態にしたら、いつもは暑くとも日向を好む毛皮着た彼女らも
その日はさすがに影になったフローリングで横に伸びていた。


私は外で何箇所も蚊に刺された。


ハニバニは全く刺されていないのはどういうことだろう。


その夜は、昼間あの田舎町で買った室温で常備できるピーナツバター&ジャムを使ってサンドイッチを作って食べた。


普段は食べないが、こういう時に食べると異様に美味しい。


いや、本当に心から美味しいと思った。


暖かい空気は上へ上へと上昇するので、2階のベッドルームではもちろん寝ることなどできず、
1階も無理で、結局地下室で寝ることにした。


うちの地下室、物置き部屋とフィットネスルームを兼ねてる部屋なので、もちろんコンクリートむき出しである。


その上にアクセントラグを引いて、その上にシーツをかぶせて横になってみたら
5分といわないうちに体全体が痛くなった。


しかしその地下室。お嬢らを軟禁していたと言ったように、信じられないぐらい涼しいのだ。
1階とそこでは気温差が10度ぐらいあると言っても過言ではない。


数時間そこで寝て、あまりにも体中の骨が痛むので
しかたなくそこを離れ、リビングのソファーで寝ることにした。


近所も電気が全く通っていない状態なので、外は暗く、とても静かで、
その夜見た空の星がものすごかったこと、ちょっと忘れがたい。


ラジオでは、この付近の停電はあと数日続くと言っていたが
いつまでこんな生活が続くんだろう。


なんかヤケクソになりながら眠りに落ちた。


そして、ピピピという電子レンジの音でびっくりして目が覚めた。


日曜、午前5時半。


いきなり全ての電化製品が稼動し始めて、眩しくて騒々しくて、
あまりの嬉しさにハニバニを揺り起こした。


生活が戻ってきた!


大げさかも知れんけど、本当にそう思った。


それからハニバニはベッドへ戻って再び睡眠を続け、
なんと私は身支度をして職場へ行って少し仕事をした。


疲れていたけど、やらなければならない仕事が一杯だったし、
そこでまた一眠りすると今度は絶対に起き上がれないのはわかっていたので。


昼ごろ家に戻ってきて、それからは冷蔵庫の物を全て処分した。


ケイエスは、賞味期限が切れてる食品は大丈夫だけど
冷やさないといけなかった物が一旦常温に戻ったら、それには手をつけない。


そうであっても大量に食べ物を捨てるのには気が引けた。


しかし!


ちょうどいい機会なので、冷蔵庫の部分と冷凍庫の部分を隅から隅まできれいに掃除した。


こういうことがないと冷蔵庫を空っぽにするなんてできないじゃん?


空っぽの冷蔵庫は新品の冷蔵庫を連想させて、なんだか嬉しい気分になった。


その夜のディナーはチキンファヒタ。





電気が通う生活って素晴らしい。


職場にはまだ停電している家庭がたくさんいて、ルイスなんて昨日の夕方やっと停電が解消した。


『部屋に灯りが灯ったとき、じーんと来てしまったぜ。』と彼は笑って言う。


わかるよ...。


当たり前の、普通の生活がこんなにも素晴らしいとはね。


これがケイエスの散々な週末でした。


明日は独立記念日でアメリカは祝日ですが、私はできればゆっくりと家でくつろぎたいです。


なんかお疲れ気味~。



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停電中、頭では電気使えないってわかってるのに
トイレに行ったら必ずスイッチをカチャカチャ。
これ、ほぼ毎回やってました。


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いつもありがとう。


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