鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『青年は荒野をめざす(五木寛之・著)』-②

2007-10-22 18:36:06 | Weblog
寒い朝・・・でも、午後からは、少し暑いくらい・・・。

今日は、Shibuya-O-Westで『SKOMB』のLiveがある・・・。
大好きな岡崎司さんと松崎雄一さんの出演するLiveなんで、チケットを買うには買ったが、今、仕事が立て込んできているし・・・しかも、月曜日だし・・・スタンディングだし・・・。
・・・という理由で、行くのを断念・・・。
本当は、凄く、行きたかったんですよぉ~(泣く・・・)。


どんな楽器でも構わないのだけれど、演奏できる方には、ほんとうに憧れてしまう。
そして、曲が作れる人は、神様みたいだ・・・。
私には、どちらも出来ないんで、作曲して演奏してくださる方のお仕事の結果として聞かせていただくだけである。

『青年は荒野をめざす(五木寛之・著)』は、昨日、書かせていただいたのだが、
この物語の中に、第二次世界大戦中、ナチスのユダヤ人収容所に収容されたユダヤ人の作曲家が登場する。

ユダヤ人音楽家は、収容所で見たことをジュンに語る。
『ユダヤ人少女の全身に刺青をして、その皮膚を剥ぎ、ランプ・シェードを作ったんだ。そして、これがユダヤ人の少女の皮で作ったランプシェードだよ。ドイツが、敗退したとき、こっそりもちだしたんだ。それを作れと命令したドイツ人将校は、そのランプ・シェードの下で、その手で、ピアノを演奏した・・・それは、それは、美しい音楽だったよ。
・・・何故、そんなことを命令する将校がこんなに美しい音楽を奏でることが出来るのか・・・
私には、分からない。
私は、美しく優しい心の人間でなければ、演奏できない音楽を作る・・・。
残酷で、非人道的な心の持主が、どんなに技術が優れていても演奏するとその心の同様で、美しい旋律を奏でることのできない音楽を曲を作るよ・・・。』

私の一番、印象にのこっている章である。
昨日も、お断りしたけれど、原本が手許にないんで、詳細は、少し違うかも知れない。


アーティストのみなさんは、こんな楽曲があったらどうしますか?
心の質が問われる楽曲があったら・・・。
半端な心では、演奏できないんですよ。
これは、これで、ちょっと怖いかも・・・。


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4 コメント

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Unknown (政人)
2018-08-07 22:20:31
ふとランプシェードの話を思い出し調べてたらこちらのブログにたどり着きました
30年近く前に読んだ本だけど未だに記憶に残ってるんですよね

ブログを読んでたらまた読んでみたくなってきました

青年は荒野をめざす以外にも、さらばモスクワ愚連隊なども面白いですよ
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コメントありがとうございます。 (鼎子堂)
2018-08-07 23:13:41

政人さま

コメントありがとうございます。

『青年は荒野をめざす』で、一番印象に残っていたのが、ユダヤ人の音楽家の章でした。
美しい革のランプシェードに使われていたのは、刺青をされた少女の皮膚。

ひとは、どこまで、残酷になれるのでしょうか?

シベリア横断鉄道、白夜の北欧・・・。

1ドル360円の固定ルートの時代。
海外は、まだまだ遠いところでした。

そしてソビエト連邦は、地図からなくなり、ロシアになり、ベルリンの壁は、崩され・・・。

積み重なった年月を経て、昔読んだ本に戻っていくと、あの頃とは、違った発見もあるかもしれませんね。

立秋とはいえ、まだまだ残暑の続きそうな今年の夏。
涼しいお部屋で、読書するのもまた一興でしょうか。


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Unknown (政人)
2018-08-08 19:17:13
お返事ありがとうございます

いま青年は荒野をめざすを再読したら仕事をほっぽりだして旅に出たくなっちゃいそうで怖いですね

学生時代はお金は無いけど有り余る時間があった
今はお金はあるけど時間が無い
どっちが幸せなんだろうなんて考えちゃいますね

学生時代にバリ島からジャカルタまで1か月かけて旅したことがあったけど今同じルートを辿っても同じ感動は得られない気がします

まずは本でも読んで精神をリフレッシュして、運動して体をリビルドしてこれからの楽しみに備えてみます!
返信する
いろいろな旅・本の旅 (鼎子堂)
2018-08-08 21:35:02
『ガラスの動物園(T.ウィリアムズ)』の戯曲に、
「ぼくは、月へ行かなかった。もっと遠いところへ行ったんだ。だって、時間という距離ほど、遠い隔たりはないじゃないか・・・」
という科白(セリフ)があります。

学生の頃の旅と現在の旅。
同じ場所を訪れても、同じ感動は、得られない・・・。
あの頃には、もう戻れない。

今は・・・時間はないけれど、あのときより、高速な移動手段、より贅沢な旅も可能ですね。
選択肢が増えたのです。

今のご自身に一番あう旅ができるのではないでしょうか?

『本』の中にも・・・。
旅と同じで、昔、読んだときとは、違う、様々な感じ方が体験できるのではないでしょうか。

本は、時間と空間を超えて、再び、同じ場所、同じ時間に戻れるような仮想の旅が、できるような気がします。

インドネシアに1か月。
心に残る旅だったのでしょうね。

池澤夏樹さんの『花を運ぶ妹』というバリ島が舞台(だったと思うのですが)の小説を思い出しました。

お薦めの『モスクワ愚連隊』も機会があれば、読んでみたいです。

Have a nice trip!

楽しい夏をお過ごしくださいね。
(酷暑だけど・・・)
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