やはり8月も末日だと、いよいよ夏も終わり・・・だな・・・と感じさせられる。
このところの涼しさにも負けず、蝉たちは、去りゆく夏にお別れでも告げるかのように、一層、大きく鳴いているようにも思える。
この数日。
どうも目の調子が良くなくて、特に、右目に異物感があって、鬱陶しい日々が続いた。
もしかすると、ヤバい目の病かも・・・と思い、ググってみると・・・。
これは、所謂、ドライ・アイという症状のようで。
私は、目薬を差すと、咽喉の奥というか、鼻の奥というか・・・そのへんから、苦いモノが降りてくるので、好きではなくて、一時期、パソコンなど端末の入力業務がメインだったころ以外は、目薬は使っていなかった。
ドライ・アイは、眼球の表面を潤す成分の分泌が悪くなり、角膜などを保護する機能が低下する。
悪くなると角膜を傷つけてしまう・・・とあった。
兎に角、眼球を乾かさないようにすることが予防の方法らしく、お湯で温めたタオルなどを目の上にのせて、温湿布をしたり、目の周りのツボを押すなどの方法が、紹介されていた。
一番手っ取り早いのが、目薬をさすことのようで、潤い成分のコンドロイチンやヒアルロン酸含有のものがよいらしい・・・。
・・・ということで、近所にある(自称)メガ・ドラッグストアの薬品コーナーへ行き、吟味する。
下は、500円くらいから、サマザマな商品が並んでいて、コンタクトレンズ着用者用のものだとか、老眼専用の高齢者向けのものだとか、いろいろあって、どれにしようかと思うくらい、よりどりみどりだった。
一番高価なもので、参天製薬のsante Beauteye(サンテ ボーティエ)というどうもフランス語っぽいネーミングで、何故だか、薔薇の香りだそうだ・・・目薬に香料なんて、いいのだろうか?目に悪かないのだろうか・・・と思いつつ、コレを購入。
香水を連想させるお洒落な容器に、バラ色の薬液が、なんとなく、毒々しい。
1回につき1~3滴。1日5~3回点眼するように書いてある。
2回程使って、症状がほぼ、解消した。
やっぱ、高いだけあるな・・・と思う。
目薬と言えば、『二階から目薬』という諺が、あるけれど、
二階にいるひとが、階下のひとに目薬をさそうとしても、うまくいかないように、もどかしく物事がうまくいかない例え、手間のわりには効果が薄いということらしい。
『二階から目薬』は、泉鏡花も使っていた。
泉鏡花の『天守物語』で、女主人富姫のお友達の亀姫さまをお迎えするために、姫路城のお天守より、侍女たちが、秋草を釣り上げる美しいシーンがある。
そのときの侍女頭の薄のセリフで、
『二階から目薬とやらではあるまいし、お天守の五重から釣をするものがありますかえ。』
秋草を釣る餌は、秋の白露。
『千草八千草秋草が、それはそれは、今頃は、露を沢山と欲しがるのでございますよ。』
美しい女人たちが、秋草を釣るシーンが、冒頭から展開される。
美しい秋・・・もうすぐ・・・。