閏年・2月29日。4年に一度の『29日』
昨日(2月28日)は、夕刻より、隣市シネマコンプレックス迄、ディレイビューイング:新作歌舞伎 風の谷のナウシカ・後編を鑑賞に。
アニメ映画の『風の谷のナウシカ』のその後の物語。
後半は、歌舞、音曲の総出演。
義太夫、常磐津、清元(区別がつかないのだけれど、三味線、笛、鼓など、雛壇で演奏するアレです)。
尾上菊之助演じるナウシカが、歌舞伎舞で、物語を音曲で、繋いでいくあたり・・・ああ、コレは、やっぱり、歌舞伎なんだなぁ・・・と。
『鳴神』から出てきたような坂東巳之助演じるミラルパ皇弟、巨神兵の尾上右近の赤獅子、中村歌昇の白獅子の連獅子舞。
終幕にかけて舞台も盛り上がり。
後半の狂言回しは、トルメキア帝国ヴ王の宮廷道化役・中村種之助。一種異形のつなぎ役。身の軽さ、コミカルさ、シニカルさを混ぜ合わせたような道化ぶりが、目を引いた。派手な衣装、奇抜なメイクもかの世界と違和感もなく。
舞踊と謡で、進行していく展開になると物語は、少し難解でもあった。
森の人セルム、箱庭の主と美しいヴィジュアルの登場人物の不意の登場で、このヒト誰?的な・・・。
やはり、原作読まないと・・・理解が、追いついていかないところもあるにはあったが・・・歌舞伎なんて、殆ど意味分からず・・・なところもあっても、音曲と衣装、雰囲気だけでも充分楽しめる(と思う)。
前後編を通して、久石譲の音楽を、琴、三味線、笛などの和楽器の音色が、舞台を際立たせている。全く違和感がなく、『ナウシカ』の世界観を美しく構築する柱のひとつとなっていた。
『風の谷のナウシカ』を歌舞伎で・・・って、どうやるのだろう・・・と思ったのだけれど、前後編6時間を飽きさせることなく、楽しませる演出は、流石に、今勢いのある演出家G2ならでは。
小劇場から、歌舞伎の演出は、野田秀樹をはじめ、宮藤官九郎、横内謙介、前川知大などが手掛けているが、伝統と斬新さの融合が、難しいようで、傑作、駄作と評価が分かれるところだけれど。
ジャンジャンやって、そして、映画館で、中継してください・・・と切に願う・・・(手許不如意なので、観劇に行けないし・・・)。