昨日の午後から、風が出てきて、一晩中、強風が吹き荒れていた。
今日の深夜の3時頃、ふと、思い立って、易を立ててみた。
得た卦は、『巽為風』。
春の嵐の夜に、『巽為風』とは・・・。
この強風で、咲きそめの桜が散ってしまわないか・・・などと、思ったりした。
却説。この卦『巽為風』。
風の如く、柔軟であれ・・・。
気まぐれ、心が定まらない。
たしかに。
心が決まらず、アレコレと彷徨い歩き、自分でもどうしようもない。
それで、いつも当たらぬ易を立ててしまう。
当たっているのか・・・外れているのか・・・。
花に嵐は、つきものなれど。
あまりに、激しい風だから。
ふと・・・。もう数十年前。
灯りの消えた薄暗い病室の中で、こんな嵐の春の夜を眠れぬまま過ごした日を思い出した。
あの時の春も、モラトリアム。
春なのに、私には、何もなかった。
希望も、未来も・・・。
ただ・・・切除した傷跡が、早く癒えて、この先の指針が欲しかった。
そのときも・・・たぶん。
春だと言うのに、心が定まらず、先の見えない不安があった。
それでも、あの頃は、まだまだ若かったから。
『巽為風』
激しい嵐に、眠れぬ夜に、ふと立てた易は、風。
まだ暗闇の中・・・。風は、樹々を揺さぶる。
私の心を揺さぶり続ける。