悲しい酒

今日は何時間もお酒の場にいたのに、今夜ほど酔えないお酒は今までありませんでした。

と云うのも、私が以前に勤めていた会社の倒産が近いことを、ある人から今日知らされたのです。

いろいろと思い出が甦り、気持ちがかなりナーバスになってしまいました。

そもそも、先代の社長には仕事上で協力会社として、昔から大変お世話になり、それが縁で二代目の社長に代わる時に、お誘いを受けて暫らくの間、二代目社長のために得意先開発の仕事に就いていたんです。

その時に新たに自分の取り組んでみたい事も出来て、結局、別な会社に移ったのですが、その後もよく連絡は取り合っていました

昨年からデザインや印刷関連の会社の倒産が、今年は多いだろうと噂されていたのですが、まさか自分がお世話になった会社が新年早々、危機的な状況だとは・・・

二代目社長には信頼もして頂き、お酒の席には随分とお供して、相談相手にも多少なっていたので、これからの大変さを思うと、とても人ごとではありません。

社員も路頭に迷わぬことを祈るばかりです。


私の会社もそうならぬために、今年は人の入れ替えを心を鬼にして、断行せねばなりません。

その結果、生活が一変する人も何人か出てきます。

でも、そうしないと自分の夢も、実現出来なくなってしまいます。


何か自分の因縁めいた立場に、今夜のお酒は酔おうとしても酔えない、悲しい酒でした。