高島平発・文化的居場所「ミストラル」への夢

地域をファッション・音楽・お酒の“文化”の力で元気に!……地元に文化的な居場所作りを模索しています。

タイタニックのテーマ

2009年06月08日 02時16分20秒 | ●美意識・ファッション・デザイン私的考察
先週、氷山に衝突して沈没した豪華客船、「タイタニック号」の最後の生存者が、高齢者の施設で息を引取ったと小さく報道されました。

97歳の婦人だったのですが、船が沈んだ時は生後9週間だったそうです。

小さい時から私は造船技師になりたくて、タイタニック号の事は昔から本で知っていました。

客船としての船の魅力もありますが、この船はどうしても遭難にまつわるドラマに尽きます。

本を読んで一番印象に残っていたのが、事故の規模や経緯もさることながら、沈没間際の救命ボートをめぐる、生き残りをかけた人間模様です。

タイタニック号は完成当時世界最大の客船で、誰もが沈没する事など考えられなく、乗客人数分の救命ボートを載せてなかったため、1,513人の人が亡くなるという世界最悪の海難事故になりました。

その本では救命ボートに人が殺到し、収拾のつかない事態になったと書いてありました。

そして、混乱を収めたのが乗船していた楽団員による、“賛美歌”の合唱だったそうです。

それにより、乗客たちは冷静さを取り戻して、救命ボートには子供や女性に老人から、優先して乗ることになったとか。

この婦人もアメリカ移住のために一家で船に乗ったのですが、助かったのは母親と小さな兄に、生後9週間の本人だけで、父親は船と共に沈んだそうです。


昨日の会社での徹夜も原稿の待ち時間が多く、ネットでいろいろなニュースを見て、時間を潰しておりました。

その中にこのタイタニック号の事を、違う意味で考えさせられるニュースがありました。

「ダイヤ無料配布」で東京・銀座の街を大混乱させた、フランスの宝飾ブランド「モーブッサン」のニュースです。

店の対応の不備を問う声がある一方、行列客の行儀の悪さにも批判が集まり、中にはダイヤの引換券をネットで転売する人まで現れたとか。

モーブッサンはフランスの「5大宝飾店」のひとつで、1827年創業の老舗。

その名門ブランドが1日、銀座店で先着5,000人に0.1カラットのダイヤ(5,000円相当)を、無料配布すると発表したことで人が殺到しました。

午前9時の開店前には1.5キロにわたる行列ができ、ダイヤ配布の整理券はわずか1時間半でなくなったそうです。

騒動の原因は整理券をもらっても、この日のうちに受取れるのは330人だったそうで、長時間並んだ人たちから不満が噴出。怒号が飛び交い、警備員に詰め寄る人がたくさん現れたそうです。

同様のイベントは米ニューヨークの店舗でも開催され、そこでは大きな混乱はなかったために、日本の“過剰反応”が際だつ格好となりました。

肝心のダイヤもセッティングしなければ、身に着けることが出来ないのに、セッティングしたのは全体の約15%。残りの約280人は無料ダイヤをそのまま持ち帰ったそうです。
(猫に小判ならぬ、猫にダイヤ?)

一連の騒動について、ネット掲示板でも「なんと賎ましい」と、行列客のマナーの悪さを批判する書き込みが、溢れているそうです。

タイタニックでは自分の命と引き替えに、他人にボートの席を譲るある国の国民性。

片や5,000円相当の“無料”のダイヤに、血相を変える日本人の民度。


ファッションのセンスも民度も、まだまだ上辺だけのようです・・・
コメント
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