高島平発・文化的居場所「ミストラル」への夢

地域をファッション・音楽・お酒の“文化”の力で元気に!……地元に文化的な居場所作りを模索しています。

佐高信「逆命利君」

2009年06月15日 02時21分04秒 | ●“私を支える”一言・本・音楽.etc・・・
当初、引越しを5~6月で考えていたのですが、業者の都合でどうやら7月の中旬になりそうです。

引越しまで、まだひと月ありますが先日に続き、今日も少し準備をしました。

先日は捨てる物を整理したのですが、今日は持って行くものを段ボールに入れていきました。

その中から懐かしくもあり、また自分の形成にとても影響を受けた本が出てきたので、その本を書きます。

佐高信の「逆命利君」と云う題名ですが、“ぎゃくめいいくん”と読みます。

題名の由来は漢の劉向(りゅうこう)が編纂した、「説苑(ぜいえん)」からなんですが、意味は次のようになります。

  命に従いて君を利(り)する、これを順(じゅん)となし、
  命に従いて君を病(や)ましむる、これを諛(ゆ)となし、
  命に逆らいて君を利(り)する、これを忠(ちゅう)といい、
  命に逆らいて君を病(や)ましむる、これを乱(らん)という。

本の主人公は住友商事に実在した元常務・鈴木朗夫で、陰湿な日本的企業社会に臆する事なく全身で立ち向かい、当時の住友商事に有形無形の利益を与え、社長から絶大な信頼を得ていた男の物語です。

数年前にブームになった白洲次郎が、イギリス文化の影響を受けた人とすれば、彼はフランス文化に薫陶を受けた人となります。

将来を嘱望されながら、癌のために若くして逝ってしまいますが、その誇り高き生き方は、その後多くの住商マン達に影響を与えました。

抜群の企画力、折衝力、語学力を持ちながら、ひけらかすこともなく、“命に逆らいて君を利する”その信念は、いま会社組織の中で悩む人達には参考になるかもしれません。

もう20年近く前の本ですが、この人の美意識はこんな時代からこそ、学べるものがあります。

“自分”との闘いに、負けてる方にお薦めします・・・
コメント
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