「竜馬伝/決死篇」つかこうへい著(角川文庫)の135ページに、こんなのがありました。
「フン、どうだか。労咳も治ってんじゃないの?ただの怠け癖がついてるだけじゃないの?」
「これでも朝晩血を吐くのよ」
「いつ吐いたのよ。見たことないわよ。あたし、思ったんだけどさ、総司さん、坂本さんがいなくなったとたん、ピターッと血も吐かなくなったし咳も止まっちゃったもんね」
確かにそうだ。
「フン。お絹ちゃん、煙草取って」
「自分で取んなさいよ」
「分かったわよ」
枕元のミカンの食べカスを押しつぶし、腹ばいになって煙草を取りにいく。火をつけるとまたゴロンと横になり、鼻から煙を吐く。
「ああ、うめえ。人間ってこういう、身体に毒になるもんが好きなんだなあ」
「だからおもしろいのよ」
「フン、どうだか。労咳も治ってんじゃないの?ただの怠け癖がついてるだけじゃないの?」
「これでも朝晩血を吐くのよ」
「いつ吐いたのよ。見たことないわよ。あたし、思ったんだけどさ、総司さん、坂本さんがいなくなったとたん、ピターッと血も吐かなくなったし咳も止まっちゃったもんね」
確かにそうだ。
「フン。お絹ちゃん、煙草取って」
「自分で取んなさいよ」
「分かったわよ」
枕元のミカンの食べカスを押しつぶし、腹ばいになって煙草を取りにいく。火をつけるとまたゴロンと横になり、鼻から煙を吐く。
「ああ、うめえ。人間ってこういう、身体に毒になるもんが好きなんだなあ」
「だからおもしろいのよ」