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龍馬伝

2013年04月16日 | 小説・映画等に出てくる「たばこ」
「竜馬伝/決死篇」つかこうへい著(角川文庫)の135ページに、こんなのがありました。

「フン、どうだか。労咳も治ってんじゃないの?ただの怠け癖がついてるだけじゃないの?」

「これでも朝晩血を吐くのよ」

「いつ吐いたのよ。見たことないわよ。あたし、思ったんだけどさ、総司さん、坂本さんがいなくなったとたん、ピターッと血も吐かなくなったし咳も止まっちゃったもんね」

確かにそうだ。

「フン。お絹ちゃん、煙草取って」

「自分で取んなさいよ」

「分かったわよ」

枕元のミカンの食べカスを押しつぶし、腹ばいになって煙草を取りにいく。火をつけるとまたゴロンと横になり、鼻から煙を吐く。

「ああ、うめえ。人間ってこういう、身体に毒になるもんが好きなんだなあ」

「だからおもしろいのよ」
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