goo

『世界共和国へ』 (その40)

2016年12月06日 | O60→70(オーバー70歳)
【188〜189ページ】
それはむしろ市場的交換に似たものです。だから、そこには競争があり自由がある。にもかかわらず、そのシステムは、貧富の格差や資本―賃労働の対立関係をもたらすことがないようなものでなければならない。〜。
第一に、それは生産者協同組合です。そこでは、全員が労働者であるとともに経営者である。ゆえに賃労働(労働力商品)は揚棄されています。第二に、代替貨幣・信用銀行などの創出です。〜。プルードンによれば、真の民主主義は政治的なレベルだけでなく経済的なレベルで実現されなければならない。王権を廃止しても、「貨幣の王様」が残っているなら、民主主義ではない。
要するに、プルードンが考えたのは、国家と資本主義市場経済から自立したネットワーク空間を形成することです。

(ken) 最近の日本では、為替変動による各国の労働力価格差等を利用し、たくさんの商品が国境を越えて流通しています。それに打撃を受けた国内産業は、空洞化の波に襲われ後継者不足が深刻な中で、これまでの「食べていくのがやっとの状況」にある流通経路から、より合理的な手法で抜け出していく模索が始まっています。たとえば、くら寿司は漁師が漁獲した魚を一括買取しており、これまで商品価値のなかった魚を活用し、まぐろ・サーモンの価格高騰に対処しています。全国各地で自家消費されたり、販売ルートにのらず廃棄されたりしていた農産物が、メニュー開発を含め再生しています。それは、安全で安心できる品質保証の課題はあるにせよ、採りたての野菜や果物が生産者と消費者ともに喜ぶ(高く売れる・新鮮で美味しいものが食べられる)という関係の構築につながろうとしています。まさに、「国家と資本主義市場経済から自立したネットワーク空間」が自然発生的に、苦肉の策として、ギリギリの地点から、当事者意識を持った人たちの汗の結晶として産み出されているのです。(つづく)
goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。