ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

世相が解る~男よりテレビ、女よりテレビ

2008-10-08 06:43:39 | 本の少し
男よりテレビ、女よりテレビ
小倉千加子
朝日新聞出版・1,600円
☆☆☆☆☆

先月読んだ中で、おもしろかったので、
遅ればせながら、御紹介を。

テレビを熟読すれば、日本社会がわかると。
大阪生まれの女性心理学者のエッセイ。

芸能界からの100の辛口のコメント。

例えば、「畏るべし、元女子アナの星、野際陽子」、では、

日曜日の「波乱万丈」(日本テレビ)は野際陽子の番組と言い切る。

作り笑顔で、速射砲のように喋り続けて、ゲストにヨイショする
女房役は、福留功男が引き受け、ナイーブな質問では間寛平がやり
野際陽子はいつになったら喋るのか。

野際陽子が喋らなくて、つまらなくしている時は、
本当にその日のゲストの生い立ちはつまらない。
視聴率ではなく、視聴質の女であると、決めつける。

「成功者、島田紳助の不安とプライドと良心」では

タレントとしての成功が、まぐれでは無いかと不安があり、
自分に能力がある事を証明する為に、サイドビジネスをして
そのゲームに勝つことを目指す。

不安を抱くと、人は自信が低くなり、逆にプライドが高くなる。

父親のギャラを聞いた、長女が言ったそうである。
「高っ! 返し」、娘は紳助の良心である。

この様な話が、あと98話続く。

芸能界は、各役者。各タレントが、ひとつの番組でも役割を果たしている。
私たちは、それを個人のキャラクターとして、漠然と観ているが、
本来、プロデューサー辺りが、大いに利用し、つくりあげているのか。

裏の裏、奥まで、深読みして観るテレビ。

私たち大衆は、テレビの向こうから、
世相として、逆に観られているのかも。

テレビ番組の質の低下は、私たちの質の低下の反映か。
この本には、100の問題提議があって、結構楽しめる。





コメント
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