ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

笑福亭の匂いプンプン~494回田辺寄席

2009-04-19 02:45:33 | 田辺寄席
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・桃ヶ池公園の並木路・・・・・・・・・・・・・・・・・


昨日は行けず、今月は、日曜の昼席のみ。
トリで、崇徳院とは、竹林さんに期待。


開口一番・・・・「ヨ」・・・・・・・寄席

寄席のルーツ、を説明。
神社とか寺での、説教からと、殿さまのお伽衆からの
ふたつの説が有るが。

京都での、露の五郎兵衛。大阪の米沢彦八。
が上方落語の祖。辻噺が、座麻神社の境内でなされ、寄席に。

その生国魂神社では、今や毎年9月に、上方落語協会主催で、
彦八まつりが開催されている。

しかし、明治時代には隆盛きわめた落語も、映画の出現と
その後の漫才への移行により、急激に上方落語は衰退する。

戦後の混乱期に、四天王の松鶴、米朝、春団冶、小文枝がほそぼそと
継承し、今の上方落語の火を消さなかった功績は大であると。

10分弱で、文太さん、上方落語の歴史を、ダイジェスト版で語る。


一、笑福亭呂竹・・・・・・・・・・・・・・・・・「江戸荒物」

「イラッシャイ、何でもあります」
「ナイマス。ナイマス。」・・・「まあ、今からナウとったら・・・」

福笑さんのイメージの強い噺。
江戸イコール勢いのある言葉と、柄の悪さが特徴なのに
呂竹さん、人柄の良さか、上品さが際立つ。

でも、最近、出会う度に新ネタが増える呂竹さん。
安定度があるだけ、どの噺も、楽しみですな。


二、笑福亭喬若・・・・・・・・・・・・・・・・・「時うどん」

「ひっぱりな」と袖を引っぱるところ、みごとに上手い。
他の人は、袖をバタつかせているだけだが、
喬若さん、テグスでも仕込んであるぐらい、
後ろから引張られているように見える。

それだけ、アホが、まねをする段での、袖の引張りの
違いがありありと・・・芸ですな。

うどんをすする音も、逸品。

時うどん、しぐさが基本の噺。
仕草が完璧だけに、喬若さんの時うどん一見の価値有りでおます。


三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「へっつい盗人」

「こっちを、向け」・・・・・・・「こっちを・・向け」
よそ見をしている喜六に、清八が何度も何度も呼びかける。
この台詞で、喜六の落着きの無さ、抜け具合がありありと。
盗人の噺なのに、こっちまで、楽しくなる。

道具屋の前でのやりとりをたっぷり。
文太さん、「へっつい盗人」、大熱演の30分。

まあ、どんな仕事でも、相棒は選ばんとあきまへんな。


四、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・・・・・・「竹の水仙」

良かったでっせ。遊喬さんの「竹の水仙」。

マクラで、前に坐っている小学五年生のボクに、
寄合酒(田辺寄席ニュース誌)ばかり見てんと、こっち見いや。
これから話すのは、左甚五郎という、まあ大人であれば、
ほぼ皆んな、お解かりだと思いますが、解らなければ、
この噺、チンプンカンプン。・・なので。

この男の子だけに、集中して説明いたします。
マンツーマンで語りだす、
甚五郎さん、昔の人で、彫り物をする、名人。

まあ、その当時、あちらこちらで、甚五郎が出没して、
同時に現れた事が有り、本物を決める為に、ねずみを彫って
本物を決めようと、でも、出来上りは優劣つけがたく、
猫に決めさそうと、すると、猫は、一方を迷わずくわえて去る。

本物と決まった甚五郎に、何が違うのかと聞くと、
実は、鰹節に彫ったのだと。

ここからは、大人の時間と、竹の水仙に入る。

甚五郎も、肥後、細川の武士も堂々としていて、
腰の坐った・・良い噺に。

オチは、さっきの坊さん、探しに行かなければ。
ひょっとしたら、弘法太子さんかもしれん。

でも、あの男の子、ええ経験ですな。
集中しぃと注意され、そのあと噺が理解し易いように
個人レッスン、遊喬さんの顔に似合わない優しさを見ましたな。

無理に笑いを取りにいくでは無く、
体格に似合ったスケールの大きい

風格さえ、感じさせる、遊喬さんの竹の水仙でおました。


五、笑福亭竹林・・・・・・・・・・・・・・・・・「崇徳院」

出て来るなり、この噺、苦手ですねんと。
なぜ、この噺選んだのか、後悔しています。
上手くいったためしが無く、今日も失敗するか
初めての成功に、お客様が出会えるのか。

言いながら、しゃれというより、御自分にプレシャーが。

お金はもちろん、借家にも色気はあるが、
雲を掴むような噺で、見つける術が無くてウロウロ。

パワー不足なのか、つかれた様子が・・・何となく。
やはり、成功とは言えぬ出来栄えか。
ご本人さんのご評価、聴きたいものですな。

「崇徳院」、パワーと、勢いが必要なのがわかった、
竹林さんの一席でした。



第494回・田辺寄席
2009年4月19日(日)午後1:00開演
大阪市立阿倍野青年センター

一、笑福亭呂竹・・・・・・・・・・・・・・・・・「江戸荒物」
二、笑福亭喬若・・・・・・・・・・・・・・・・・「時うどん」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「へっつい盗人」
仲入り
四、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・・・・・・「竹の水仙」
五、笑福亭竹林・・・・・・・・・・・・・・・・・「崇徳院」

09-27-116
コメント
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