ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

小三冶・落語家論

2009-04-23 06:17:07 | 本の少し
落語家論
柳家小三冶
ちくま文庫・724円
☆☆

小三冶さんの著者には、「ま・く・ら」、「バイク」があって
落語のまくらの延長が本になっている。これはおもしろい。

落語家論と、若手の噺家へと助言を遠慮勝ちに綴ってある。

最初の、座右の銘では、笑いについての思いを。

「若手ベテランに限らず仲間の話を聞いても、ギャグやいれごとが
いのちという人の噺には心の底から幸せになれない。
笑うことは笑っても、笑わせたという疲労感が残るし、
多くの場合は笑えない。・・・それとは逆に、演者の姿がいつのまにか
消えて、登場人物が見えてくる人の芸を聞くと、わかりきった噺でも
ついつい引き込まれて笑ってしまう。・・・感動してしまう。」

志ん生師匠は、落語は面白くできてるんだから素直にやればいいのだ
と、ボク(小三冶)の師匠は「人物になり切れ」とよくいう。

まともにやって面白い、それを芸というのだ。
落語の本質を述べている。・・・落語の愛情に満ちており、
落語のまくらのごとく、江戸の粋さを楽しめる。
コメント
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