最近、若手が競って手がける動きのある体力勝負の「いらち俥」に。
ベテラン、年輩の文太師匠が、いかに。
息があがるか、ベテランの味か。。
仲入りの際の、庭でのお茶タイム。
雨が振りそうなので、テントの用意。
世話人のもてなしの心を感じますな。
開口0番・・・・・・・・「ロ」・・・「ろうそく」
落語には、ものを知らない人を笑いの対象にしていますが、
「まっちゃん、あいつ字書きよんねんてな・・・・・あほ、ちゃうか」
決して、知らない文盲を笑っているのでは無く、
知ったかぶりするさまを笑いにしていると。
このまえ、何かで、ろうそくの作り方を知った。文太師匠。
天ぷら油に石鹸を混ぜると、ろうそくになると。
そして、そこにクレヨンを削っていれると、炎がその色に
赤なら赤の炎に、黄色なら黄色の炎に。
それを聞いて、私、黒のクレヨンなら、どんな色に、
暗闇になるんかいな。
奥さんと言い合いになった、文太師匠、完全なる負け。
知ったかぶりは、あきまへんと、そのきっかけになった
「ろうそく」の話。
一、露の団姫・・・・・・・・・・・・・・・・・「平林」
三月に亡くなられた大師匠の露の五郎兵衛さんのはなし。
阿倍野の天空館でのご葬儀のあと、
弟子一同がお骨を忘れると言う大チョンボ。
それに、気がついたのが、何を隠そう、私、団姫と。
笑いの骨(ホネ)と、客のツボ、骨ツボは忘れたらアカンという
五郎兵衛師匠の教えですな。
噺は、「平林」、安定していて、おもしろい。
最後は「聞き違いやろか」、「名ちがいでんねん」と
通常とは、違ったさげ。
「平林」など一見前座噺でも、色んな工夫があって、
どんどんおもいろい噺に変身できますな。
二、桂春菜・・・・・・・・・・・・・・・・「母恋いくらげ」
今年、父の春蝶を襲名にあたり、いろいろと大変ですが・・。
、
先程、襲名披露落語会が終わった米団治さん、いたって天然。
普段からよく声を掛けてくださるのですが、先日、繁昌亭の楽屋で
「春菜くん、君は、お父さん亡くなわれたはんの、ある意味、幸せやで」
私に何と言えと言われているのか。多くの落語家さんがいてはる中
ほんま返事に困るような事。平気でいやはります。と・・・。
噺は、クラゲの噺。・・・・このまえラジオで聴いたが、
タコ、イカ、クラゲ、平目などの仕草が入っておもしろいが、
でも正直、ポエムなのか、何なのか、あまりしっくりきまへんな。
作者は、柳家喬太郎さんとか・・・
東京の落語・・創作で、クラゲを扱っても、
笑いの少ない人情仕立てになるのか。
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・「いらち俥」
文太さん、俥に乗るのは何とお婆さん。
最近、この噺、多くの若手が演じるが、
文太師匠の手に掛かると、まるで「住吉駕籠」の品格が。
でも、大熱演で、途中息切れして、こんな噺選んでやるんやなかったと
「キタヘ」の行き先で、今までの最遠隔地は、天橋立ですが
行き着いた先は、北方領土を返せと、北海道・・・。
やはり、文太師匠、元気はつらつオロナミン℃ですな。
四、桂蝶六・・・・・・・・・・・・・・・「昭和任侠伝」
昔聴いた、春蝶師匠を彷彿させる、出来ばえ。・・よろしいな。
確か、師匠はスポンジのサンダル、350円だったと思うが、
今回600円・・・物価高をいれてもチト高いのでは・・細かいな。
「さくらはもう寝たかい」、「おまえ、あそこの八百屋の子やないか」
「おっかさん今帰ってきたよ。右も左も真っ暗闇でござんせんか」
どのフレーズも、懐かしいですな。・・・我が青春ですな。
でひ、「ぜんざい公社」とか、「一文笛」、「猫定」、「崇徳院」など
春蝶師匠で、思い出に残っている噺、蝶六さんで聞いてみたいですな。
五、桂福団治・・・・・・・・・・・・・・・「薮入り」
奉公づかいの亀吉が、藪入りの休みをもらって実家に帰ってくる。
その母親と、父親の、うれしいこと。
子を思う親の気持、よう解りまっせ。
我が家でも、息子が大阪のミナミに、一人で住んでいますが、
帰ってくるという時の、嫁さんの嬉しそうなこと。
夕飯のおかずもいつもとは違う。息子の好きなものばかり。
福団治師匠の演じる父親、よろしいな。
嫁さんへの言葉は荒いが、でも家族に対する気持は優しい。
亀吉が帰ってからは、ほんのりさせますな。
大きくなった姿と、社会に出てみにつけた言葉づかいで喋る
息子に嬉しいやら、頼もしいやら。
久し振りに、静けさの中での笑い。
上方落語の会で聴けたこと・・・大感激ですな。
福団治さんの、「藪入り」・・・おおあたり・・でおます。
第499回・田辺寄席
2009年6月20日(土)午後6:00
阿倍野青年センター
一、露の団姫・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「平林」
二、桂春菜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「母恋いくらげ」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「いらち俥」
仲入り
四、桂蝶六・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「昭和任侠伝」
五、桂福団治・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「薮入り」
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