ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

第499回・田辺寄席~桂福団治の段

2009-06-21 21:51:32 | 田辺寄席


最近、若手が競って手がける動きのある体力勝負の「いらち俥」に。
ベテラン、年輩の文太師匠が、いかに。
息があがるか、ベテランの味か。。



仲入りの際の、庭でのお茶タイム。
雨が振りそうなので、テントの用意。
世話人のもてなしの心を感じますな。


開口0番・・・・・・・・「ロ」・・・「ろうそく」

落語には、ものを知らない人を笑いの対象にしていますが、
「まっちゃん、あいつ字書きよんねんてな・・・・・あほ、ちゃうか」
決して、知らない文盲を笑っているのでは無く、
知ったかぶりするさまを笑いにしていると。

このまえ、何かで、ろうそくの作り方を知った。文太師匠。
天ぷら油に石鹸を混ぜると、ろうそくになると。

そして、そこにクレヨンを削っていれると、炎がその色に
赤なら赤の炎に、黄色なら黄色の炎に。

それを聞いて、私、黒のクレヨンなら、どんな色に、
暗闇になるんかいな。

奥さんと言い合いになった、文太師匠、完全なる負け。
知ったかぶりは、あきまへんと、そのきっかけになった
「ろうそく」の話。

一、露の団姫・・・・・・・・・・・・・・・・・「平林」

三月に亡くなられた大師匠の露の五郎兵衛さんのはなし。
阿倍野の天空館でのご葬儀のあと、
弟子一同がお骨を忘れると言う大チョンボ。
それに、気がついたのが、何を隠そう、私、団姫と。

笑いの骨(ホネ)と、客のツボ、骨ツボは忘れたらアカンという
五郎兵衛師匠の教えですな。

噺は、「平林」、安定していて、おもしろい。
最後は「聞き違いやろか」、「名ちがいでんねん」と
通常とは、違ったさげ。

「平林」など一見前座噺でも、色んな工夫があって、
どんどんおもいろい噺に変身できますな。


二、桂春菜・・・・・・・・・・・・・・・・「母恋いくらげ」

今年、父の春蝶を襲名にあたり、いろいろと大変ですが・・。

先程、襲名披露落語会が終わった米団治さん、いたって天然。

普段からよく声を掛けてくださるのですが、先日、繁昌亭の楽屋で
「春菜くん、君は、お父さん亡くなわれたはんの、ある意味、幸せやで」

私に何と言えと言われているのか。多くの落語家さんがいてはる中
ほんま返事に困るような事。平気でいやはります。と・・・。

噺は、クラゲの噺。・・・・このまえラジオで聴いたが、
タコ、イカ、クラゲ、平目などの仕草が入っておもしろいが、

でも正直、ポエムなのか、何なのか、あまりしっくりきまへんな。

作者は、柳家喬太郎さんとか・・・
東京の落語・・創作で、クラゲを扱っても、
笑いの少ない人情仕立てになるのか。


三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・「いらち俥」

文太さん、俥に乗るのは何とお婆さん。
最近、この噺、多くの若手が演じるが、
文太師匠の手に掛かると、まるで「住吉駕籠」の品格が。

でも、大熱演で、途中息切れして、こんな噺選んでやるんやなかったと

「キタヘ」の行き先で、今までの最遠隔地は、天橋立ですが
行き着いた先は、北方領土を返せと、北海道・・・。

やはり、文太師匠、元気はつらつオロナミン℃ですな。

四、桂蝶六・・・・・・・・・・・・・・・「昭和任侠伝」

昔聴いた、春蝶師匠を彷彿させる、出来ばえ。・・よろしいな。
確か、師匠はスポンジのサンダル、350円だったと思うが、
今回600円・・・物価高をいれてもチト高いのでは・・細かいな。

「さくらはもう寝たかい」、「おまえ、あそこの八百屋の子やないか」
「おっかさん今帰ってきたよ。右も左も真っ暗闇でござんせんか」
どのフレーズも、懐かしいですな。・・・我が青春ですな。

でひ、「ぜんざい公社」とか、「一文笛」、「猫定」、「崇徳院」など
春蝶師匠で、思い出に残っている噺、蝶六さんで聞いてみたいですな。



五、桂福団治・・・・・・・・・・・・・・・「薮入り」

奉公づかいの亀吉が、藪入りの休みをもらって実家に帰ってくる。
その母親と、父親の、うれしいこと。
子を思う親の気持、よう解りまっせ。

我が家でも、息子が大阪のミナミに、一人で住んでいますが、
帰ってくるという時の、嫁さんの嬉しそうなこと。
夕飯のおかずもいつもとは違う。息子の好きなものばかり。

福団治師匠の演じる父親、よろしいな。
嫁さんへの言葉は荒いが、でも家族に対する気持は優しい。

亀吉が帰ってからは、ほんのりさせますな。
大きくなった姿と、社会に出てみにつけた言葉づかいで喋る
息子に嬉しいやら、頼もしいやら。

久し振りに、静けさの中での笑い。
上方落語の会で聴けたこと・・・大感激ですな。

福団治さんの、「藪入り」・・・おおあたり・・でおます。


第499回・田辺寄席
2009年6月20日(土)午後6:00
阿倍野青年センター

一、露の団姫・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「平林」
二、桂春菜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「母恋いくらげ」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「いらち俥」
仲入り
四、桂蝶六・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「昭和任侠伝」
五、桂福団治・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「薮入り」

09-44-195



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