
本日は、徳々亭で、東西の落語が、日頃聴けない江戸落語が・・・。

一階にある、盛り塩替りか、茹で卵が三つ供えてある。

いつもの、こじんまりの高座、東西の落語が聴けるのに、なんとお客様は20人弱。
落語ブームと云われながら、果たして本物なのか、もったいない。
まあ、落友のM子さんが居られたので、ほっとするが・・・・。
一、桂米平・・・・・・・・・・・・・・・「正月丁稚」
師走の落語会、気を利かせて、もう新年の噺「正月丁稚」
定吉の噺の中に、大阪の商家の正月の雰囲気が漂う。
「大福(茶)や、茶碗の中に開く梅」の番頭さんの一句に、
新年の、めでたさを感じます・・あと20日で、新しい年を迎えるんですな。
二、柳家はん冶・・・・・・・・・・・「背なで老いてる唐獅子牡丹」
高齢者時代を背景にして、90才の組の親分が、シマを荒らされたと、
タマ(命)を取りに、立ち上がるが、若い衆が61才。
助っ人の銀さんを頼みに行くが、其の先は養老院。・・・・・、まさに高齢者社会です。
しまいに、老人ホーム対抗のカラオケ大会とか、そんな時代が来てるんですな。
創作なので、題は「背中でしなびた唐獅子牡丹」と思いきや、
あとで、聞くと「背なで老いてる唐獅子牡丹」、案外ええとこ、ついてましたな。
三、瀧川鯉朝・・・・・・・・・・・・・「反対俥」
瀧川鯉昇の弟子、瀧川は、春風亭の一門で、春風亭がソニーとすれば、
その下請けの山田ネジ製作所みたいなもの。特徴は二つ、貧乏でいて酒飲みと。
噺は、いらち俥、東京では「反対俥」とか。鯉朝さん、声も大きく個性的。
上方では、箕面を越えて、天の橋立まで行く人もあるが、鯉朝さん、
なんと、北朝鮮まで、運んでくれる。
でも、凄さは、右に曲がれと言われた、真っ直ぐしか行けない俥屋は跳び上がって
向きを変える。横向きの鯉朝さん、又右へと、跳び上がって真後ろ向きに・・。
高座で、噺家さんの背中を見たのは初めて・・・。
そして、最後は、難易度高い、正面に向き返る180度回転。
今日は、足が痛いと言いながら、フィギィアの3回転のような、荒業に挑戦。
一度目は、170度ぐらいで、失敗。再挑戦で成功・・・凄い、肉体派。
上方は、240人、東京は600人弱の噺家さん、噺の数は変わらぬ為、
競争相手も多く、単に噺をするだけでは、十八番をつくるのも至難の業とみた。
そういう意味では、噺家さんの個性が勝負。
粋だけが、江戸落語と思っていた私には、衝撃的な高座でおましたな。
四、桂梅團冶・・・・・・・・・・・・・「お玉牛」
師匠春團冶さんと、春秋時代のエピソードをおもしろおかしく語る。
上方の協会に入るまで、他の者は3カ月か5カ月ぐらいなのが普通だが、
春秋さんの場合、一年九ヶ月かかった、周りの方が薦めても、師匠は
「こいつ、いつ、やめよるか解らんやろ」と、辛抱の一言ですな。
噺は「お玉牛」・・・言葉、一つ一つに師匠が表れる。
見かけはいまだに、一番遠い梅團冶さんですが、
春團冶さんの落語の、真なる継承者でおますな。
五、遊亭好太郎・・・・・・・・・・・「親子酒」
粋な喋っぷり。
マクラは考え落ちでピカソの絵とか、仕草落ちでサルの運転手とか。
既に上方でも、良く語られているハナシ。最初はどちら、いずれにしても共通なんですな。
噺は・「親子酒」・・・・、おやっさんが酒飲みたさに、嫁さんを美しいとか誉めて一杯飲むが、
何十年も連れ添っている亭主のそんな、みえすぎたべんちゃらに騙されるとは・・。
まあ、解っているけど、とりあえず騙されてやろうという方が、自然か・・。
でも、今日のお三人方の中では、一番期待したお江戸の粋さがありましたな。
この、東西交流落語会、来年も是非、続けていただきたい、企画でおますな。
東西交流落語まつり IN 徳徳亭
2010年12月12日(日)午後1:30
難波千日前 徳々亭
一、桂米平・・・・・・・・・・・・・・・「正月丁稚」
二、柳家はん冶・・・・・・・・・・・「背なで老いてる唐獅子牡丹」
三、瀧川鯉朝・・・・・・・・・・・・・「反対俥」
仲入り
四、桂梅團冶・・・・・・・・・・・・・「お玉牛」
五、遊亭好太郎・・・・・・・・・・・「親子酒」
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