お父ちゃんのゲゲゲな毎日 (新潮文庫) | |
水木 悦子 | |
新潮社 |
☆
ゲゲゲ、繋がりで、水木しげるの次女である、水木悦子さんが描くお父ちゃんのゲゲゲの生態。
肩張らず、きのうのお父ちゃんこんなんやったでと、卓袱台の前でお茶を呑みながら聞いている心地。
妻を選んだ理由を娘に言われ、
「悦子がこげなこと、ゆーがな(言ってるぞ)。ほら、どーすげーだ(どうするだ)おーい。
幸(叔父)、お前だまらせ。何笑っちょ-だ。」と顔を赤くしてトイレに行く、しげる。
飼っていた猫の説明では、
「かわいげなかったよ(かわいかったよ)ペル。お父ちゃんが顔を近づけ-とな、
なめ-だ(なめるんだ)、がいに(すごく)、ペロペロとな。そーな(それを)
おばあちゃんが見とって「ペル」と名づけたんだ」と、
テレビの「ゲゲゲの女房」を見ていただけに、しげるの気取らない言葉が、自然と入ってくる。
悦子さんは普通であり、父親の水木しげるの妖怪さが際立つ。
この本のおもしろさは、ひとえに、題材の、父のおもしろさ、妖怪さである。
しかし、昔はどこの父親も、威厳があり、多少の無理難題もその家庭ではまかり通ものだった。
この本を読んで、何か安心するのは、その父親としての悲哀とか、家族との距離間に
共感するからかもしれない。
「ゲゲゲの女房」のファンさん、番外編として十分楽しめまっせ。
11-05
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