おいしい人間 (文春文庫) | |
高峰 秀子 | |
文藝春秋 |
☆
昨年12月28日に亡くなられた、高峰秀子さんを偲んで、「おいしい人間」を引っぱりだす。
大河内伝次郎、イヴ・モンタン、花柳章太郎、藤田嗣冶、梅原龍三郎、司馬遼太郎など
日本の各界の巨匠との交友というか、お近づきのこと次第を、丁寧に紹介してくれる。
司馬遼太郎さんを、「人間たらし」と
昭和53年の春、司馬遼太郎を筆頭に文壇の先生方と、高峰、松山、ご夫婦も
一緒に中国を訪問したときの話・・・・楽しい二週間あまりの旅はあっという間に終わり、
香港での解散に、別れは淋しいと思っている、二人に司馬先生は
「度には終わりがありますなァ。でも、あなたがたとは、これが旅のはじまりっていう気がするんだ。」
このすざましいほどの殺し文句。「女たらし」ではなく、「人間たらし」の達人と・・・。
あの大女優の高峰秀子の心をつかんでしまう、さすが司馬の言葉の巧みさが際立ちますが、
どの先生達も、自然にふるまうことのできるように、させる高峰こそが
大先生達の、人の心にはいりこむ名人である。
その名人芸を、とくとご覧あれ・・・。
11-06
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