ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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落語を聴かなくても人生は生きられる~松本尚久

2012-07-10 00:47:09 | 本の少し
落語を聴かなくても人生は生きられる (ちくま文庫 ま 44-1)
クリエーター情報なし
筑摩書房


落語を聴かなくても人生は生きられる。
何とも、挑戦的なお題。落語ファンでも、なくても充分生活できるのはわかっているが、
落語を聴かないと人生味気ないと反語的に言っているのか、興味あるタイトルである。

帯には、落語は今をどう生きるのか。
時代と社会を視野に入れつつ、落語の原罪を読み解くアンソロジー、と。

解らなくて、アンソロジーを引くと、異なる作者による詩を集めたもの。詩 撰、歌撰、詞華集。
とか、良く見れば、著者、松本尚久ではなく、松本尚久=編・・・とある。

あとがきまで入れて、全316ページ中。松本尚久さんが自ら書いたのは、62ページ。
作家としては、いたって省エネの本である。

読んだ時、あくまで上方落語に関するところ、枝雀、さんまさんのとこで感想をと思ったが、
今迄、散々言いつくされたことばかりなので、逆に他の江戸の噺家さんの方が新鮮、其方の方を。

戸井田道三さんが、ちくま少年図書館の「まんじゅうこわい 落語の世界」で
落語とはと、子供向きに書かれていると思うが、解り易く、なるほどと納得する。

落語のほんとうのおもしろさは、落語家の芸にじかに接することによって得られるもの、と。
その場の空気というか、笑いの伝染(連鎖反応)に笑ってしまうのです。
ごちそうを食べて、たいへんおいしかったと感じたとき、ことばで説明するのは非常に難しい事です。それとおなじで、落後をきいておもしろいと感じた時も、ただおもしろかったというしかないんです。そして、それが芸がうまいということになりますと。

落語のおもしろい味の根底は間(ま)にあると、間というのは体にそくした一種の感覚です。
落語のおもしろさは一つは語り口、一つがしぐさ、一つがサゲといわれていますが、三つがばらばらにあるのではなく、それをつなぐのは「間」だと、この間は、下手なものがやるのと、上手なものがやるのとでは大いに違います。それが芸のよしわるしの差なんですと・・・。
言葉やさしく、ひらがな表示で解りやすい。

でも、本の題の「落語を聴かなくても人生は生きられる」とは、なんのこっちゃや。

「本を読まなくても生きられる」、「常識がなくても生きられる」、「音楽がなくても生きられる」
「仕事がなくても生きられる(生活保護)」「女房がいなくても生きられる(バツイチ)」
「車を乗らなくても生きられる(都会の人)」、「山がなくても生きられる(漁師)」
「休みがなくても生きられる(仕事人間)」など、いくらでも湧いてくるが・・・・・。

編者、松本尚久さんは、落語を通して何を言いたいのか、いまだ解らずじまいでおます。
が、各著者の落語論には、随所にはっとするエピソードがありまっせ。


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