今日は、久し振りの落語、いや演劇を・・・。
三谷幸喜さんの「笑の大学」を、同じ日大芸術学部出身の柳家さん生さんが落語版に置きかえて上演。東京の落語家さんでは、ちょっと馴染みのあるさん生さん。
「岸柳島」の古典と、弟子のわさびさんの落語も楽しみ・・。
難波、千日前あたりは人でいっぱい、衆議院選挙というのにと思っていると、
選挙権の無い、韓国、中国の観光客ばかり・・・・
日本という国は、幸せな国なのか、不幸せな国なのか、ようわかりませんな。
満員の客席。
さん生さんの熱演の余韻を残す・・・・・終演後置かれたままの羽織。
一、柳家さん生・・・・・・・・・・「岸柳島」
出てきて、深々と頭を下げ、第一声が「どぅも」のお馴染のフレーズでスタート。
少し声が割れて調子が悪そうだが・・・。
前座替わりの高座なので、気楽に聴いて頂きたいと・・・・・
今回の大阪公演では、大阪ではあまりされない演目を選んだつもりで、今日は「岸柳島」を・・・。
(今上方では、「桑名船」で、まん我さん、文太さん・・・で)
あとで明かされるが、三谷幸喜さんの劇にも「巌流島」というのがあるらしい、それ繋がりもかけてか。
その武士と、船中の町人のコントラストが面白味を増やす。
でも、町人の野次馬、能天気さが最高におもしろい。
普段抑えつづけられている上の者に対する、無責任な遠吠え・・・庶民は辛いですな。
江戸らしい噺に、満足の一席。
二、柳家わさび・・・・・・・・・・「宮戸川」
さん生さんの一番弟子、実はもっか一人だけとか・・・。
大阪初めてだが、怖いところと教えられて来たが、きれいで人も優しい。
特に大好きな、メイド喫茶でも、大いに違ってこちらはお客様に親切・・・とか。
「ご主人様」、一度呼ばれると、癖になりそうなフレーズですな。
頼りない若旦那、わさびさんの風貌と重なってぴったり。
でも、噺も少し頼りなく聴こえてしまったのは演目「宮戸川」のせいか。
最後は、色っぽくなったところで「ちょうど、お時間で・・・」降りる。・・・・・・・残念。
三、柳家さん生・・・・・・・・・・「笑の大学」
まずは、この「笑の大学」を手掛けるきっかけを・・・。
三谷さんが、同じ日大芸術学部の先輩後輩で、特にさん生さんの奥さんと同期で仲が良かったと。
三谷さんに、落語会のネーミングをお願いして20回目記念に何かしようと持ちあがったのが、
三谷幸喜さんの劇の落語版での公演。
さん生さんが提案したのは、「巌流島」、それは武蔵と小次郎が決闘前夜、同じ宿に泊まり、
会わせてはいけないと周りの宿の者たちが走り回るドタバタ劇、
三谷さんが提案したのは、今夜の「笑の大学」、・・・理由は登場人物が少ないからだと、
さん生、納得できなかったけど・・・・結果、新しい笑いの世界が実現。
話は、昭和16年太平洋戦争末期、
劇団「笑の大学」の座付劇作家のツバキと、検閲官サキサカとの二人芝居。
次から次に、台本に難癖をつけ、上演中止させようとするサキサカと、
書き直してでも、上演にこぎつけたいツバキ。
「ロメオとジュリエット」、この様な外国の話、それも敵国の英国はイカン。
一晩で書き換えてきたのは「寛一、お宮」の物語に・・・。
「接吻はイカン」「あれはイカン、これはイカン」と
毎日、毎日、書き換えれば書くほど、台本は喜劇としての出来ばえ、笑いが増していく。
最期には、笑いの無い、究極の喜劇をつくれという難題に、
喜劇作家の意思をを通そうと何度も書きなおして戦うツバキ。
毎日書き換わる台本に、今まで心の奥底に抑えていた笑いがフツフツと沸きだすサキサカ。
一週間経って、お互いの中に生まれる男の友情・・・・・・・。
でも、最後は結果上演できなくなってしまう・・・それはツバキに召集令状が・・・。
「お国のために戦ってきます、お国のために死んできます」
でも最後の、ツバキの「なぜ、お国は、国民から笑いを奪うのか、わからない」の問いに、
「言ってはならない言葉だよ。お互いの立場を考えれば・・・・」と答えるサキサカ。
「この台本は完璧だよ、ツバキ君」・・・完璧であるがゆえに、上演するまで私が預かっておくので、
「必ず生きて、帰ってくるんだ」・・・・。
後半は立場を超えた男の「人情噺」。
劇中の二人の笑いへの想いと、さん生さんの落語への熱意が相乗効果で・・・
それとも、熱っぽい体調のせいか、さん生さんの目もうるうる。
熱っぽい、さん生さんの長講「笑の大学」でおました。
三谷幸喜さんの「巌流島」の落語版も聴いてみたいですな。
更に、直球の笑いが満載の落語になりそうでおますな。
笑の大学~柳家さん生独演会
2012年12月16日(日)午後2:00開演
TORII HALL
一、柳家さん生・・・・・・・・・・「岸柳島」
二、柳家わさび・・・・・・・・・・「宮戸川」
仲入り
三、柳家さん生・・・・・・・・・・「笑の大学」
12-44-208
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