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ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

趣味は何ですか~高橋秀実

2012-12-18 05:21:42 | 本の少し
趣味は何ですか? (角川文庫)
クリエーター情報なし
角川書店(角川グループパブリッシング)


三浦しをんさんの推薦の帯に魅かれて買ってしまった本。

趣味の発見、趣味は人生の味わいと。
でも、ここにでてくる方の趣味は尋常ではない。

愉しんでいるというよりは、明確な目標があったり、やらねばならぬといった
何か義務的な自分との約束事を、粛々とこなしていく、収入が伴わない仕事みたい。

そこまでやらなくてもと、一般人が思える時点になってこそ、やはり趣味といえるのか。

どんな趣味かと、紹介すると、「鉄道」では、普通「乗り鉄」「撮り鉄」などに分かれるらしいが、
さらにマニアの人たちには、それぞれの専門分野があるらしい。
車両、レール、橋、路線、廃線、模型・・時刻表に切符の収集、信号機まであると・・・。


第二章では、「航空無線」・・・これなんと思いますか・・・。

管制塔とパイロットの交信を傍受する。・・・・・・・「聴く」ことが専門、スパイか。
交信を聞き、航空路線を見ながらの確認。その飛行機の飛行ルートがわかる、と。
それで・・ニヤニヤするだけ、ただそれだけ。・・24時間BGM替りに聴く人も。

思わず、それが、何が楽しいんですか。と、突っ込みたくなる。


「郵趣」とは郵便趣味のことで、切手は「郵趣品」、その愛好者を「郵趣人」と、
でもすごい方は切手収集ではなく、各郵便局の消印の収集、なんじゃ、それ

日本にある2万4000もの郵便局の消印を集める、買うことはできず、
すべての郵便局で押してもらわなくては・・。
仲間と手分けして、各郵便局に見本を添えてお願いし、送りかえして貰う。
10人で手分けしてはじめたらしいが、それでも気の遠くなるようなハナシ。

それで完集できた方は、10人中5人。あとの5人は途中で亡くなられたと。
完集に必要だったのは、気力やお金だけではなく、寿命だったとは。


あと、おもしろいのは「階段」。
「階段を鑑賞する、つまり、階段を愛でるんです」、
山の手線内には現在、670余りの階段があるらしく、約三年を費やして登り下りをしたきた、と。

傾斜でいうと「坂」があるが、坂はどこまでが坂なのか曖昧。、
その点、階段ははっきりしていて、また坂のごとく車が通り近代化されてないので、
昔のまま、それも摩耗したりして、侘び寂びに通じる美しさがある。・・・と。

階段は「見る」「上り下りする」「腰掛ける」、趣味もこうなると、「階段」となるんですな。

月刊誌「野生時代」に2007年12月から二年間連載されたものらしいが、
著者の高橋秀実氏が、体験レポートのごとく逃げ腰ながらどんどん真髄、いや深みに入っていく。

知らない裏世界に侵入の様な、趣味めぐり、世のディープな趣味人に乾杯でおますな。


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