![]() | ニセモノ師たち (講談社文庫) |
クリエーター情報なし | |
講談社 |
☆☆☆☆
何とも、中島誠之助さんのイメージが変わったような、
更にカッコよく思えた様な不思議な本。
にせもの師、ひとつ間違えれば詐欺師と云われそうな骨董、古美術商、
その生々しい実情を赤裸々に暴露。
古美術商仲間では、騙した者より騙された者が悪い。
ニセモノにひっかかる三条件。
その一、その品物を買ったrら儲かると思ったとき
・・・・・自分自身が本当に欲しくて買ったものではなく、欲得が絡んだもの。
その二、勉強不足
・・・・・マニュアルを超えた美意識、広範囲な知識として時代背景の研究と、
経験による感性の訓練が必要。
その三、おカネがあること
・・・・・ハングリーな人の方がニセモノにひっかからない。
なまじ中途半端な知識がある人の方が騙され易いと、
そこで、誠之助さんはホンモノとニセモノを見分ける上で一番大切なことは、
「品物は口を利かないが、人間は口を利く」ということ。
ニセモノは、人間がでっちあげ、他人を騙すために書き残したり、言葉巧みに話されたもの。
でも、知人の同業者のおさめた品を客に見せられ、真贋や評価を求められたとき、
「仲間の扱ったものでございますから、論評は控えさした頂きます」と言いきれるのが
ホンモノの骨董商、と。
書画掛軸の九割がニセモノと言い切る誠之助さん。
読めば読むほど、代名詞とも言える「いい仕事してますね」の言葉でさえ、
本心なのか逃げなのか解らぬ言葉に聞こえてくる。
骨董品って、数が限られているものだから、希少価値で値を上げながら流通させなければ
各々の生活が成り立たない骨董業界、そこには欲と良識のしのぎあいの人間模様がみえてくる。
騙し騙されてる、業界の人たち、自身が「ニセモノ師たち」なのか、よくぞ書かれた・・・・
この本を読んで一言、誠之助さん「いい仕事してますね」でおます。
にほんブログ村に参加中。
クリックで応援、よろしくでおます。
↓↓↓


