![]() | 声、あるいは音のような (新鋭短歌シリーズ9) |
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書肆侃侃房 |
☆☆☆
この新鋭短歌シリーズも10冊目か。
パラパラとページをめくって、気に入った歌があって、
購入したもの、まちライブラリーでお借りしたもの。
この本、じっくり読むと、心にとまる歌は少な目、
どこか違和感が生じた歌集でおました。
そんな中で、気になった歌を
しずかだね時の濁りが澄んでゆく栞は本にはさんだままで
ジャズの音に心の波はせりあがるチャイティ―煮立つその火をとめる
図書館に古墳の匂いうっすらと返却期限の紙片をはさむ
勤勉な時計と手帳は仕舞いましょう静かにそそぐカモミールティ―
かなしみが遠のくときはしんとして雨やむ空を見るかたつむり
病院を出れば世界はまばゆくて日傘でつくるひとりぶんの影
オブラートに包みましょうか ビブラートを響かせますか。 いいえどちらも