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ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

声、あるいは音のような~岸原さや

2018-06-21 05:05:05 | 本の少し
声、あるいは音のような (新鋭短歌シリーズ9)
クリエーター情報なし
書肆侃侃房

☆☆☆

この新鋭短歌シリーズも10冊目か。

パラパラとページをめくって、気に入った歌があって、
購入したもの、まちライブラリーでお借りしたもの。

この本、じっくり読むと、心にとまる歌は少な目、
どこか違和感が生じた歌集でおました。


そんな中で、気になった歌を

しずかだね時の濁りが澄んでゆく栞は本にはさんだままで

ジャズの音に心の波はせりあがるチャイティ―煮立つその火をとめる

図書館に古墳の匂いうっすらと返却期限の紙片をはさむ

勤勉な時計と手帳は仕舞いましょう静かにそそぐカモミールティ―

かなしみが遠のくときはしんとして雨やむ空を見るかたつむり

病院を出れば世界はまばゆくて日傘でつくるひとりぶんの影

オブラートに包みましょうか ビブラートを響かせますか。 いいえどちらも

コメント
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