![]() | 水中翼船炎上中 |
クリエーター情報なし | |
講談社 |
☆☆☆
穂村弘さんの最新歌集、17年ぶりの出版らしい。
最近、事典、辞書以外で購入した、一番高額な本。
2300円もしたんですよ。
今、穂村さんの本、読みかけてなかなか進まない本が、あと二冊あります。
まあ、読書の時間で多いのが、通勤、出張、の乗り物の中。
そうすると、重い本は後回しで、いかに家で読んでいる時間が案外少ないのが分かりますな。
大好きな、穂村さんの短歌ですが、今の私には難解、難しいですな。
良さが解らない、情景が素直に入ってこない。
エッセイの穂村さんは五つ星ですが、短歌は今の私にとっては三つ星でおます。
そのなかでも。気になった短歌は
硝子越しに電話で話すまんまるな毛糸の帽子が頷いている
苦しいよ死にたいという書き込みに生きてとコメントする天使あり
鳥と樹は仲がいいのか午後二時のひかりのなかに遊びつづけて
楽しい一日だったね、 と涙ぐむ人生はまだこれからなのに
パンツ一丁できゅうりのキューちゃんを齧るなんにもない夏休み
カルピスと牛乳まぜる実験のおごそかにして巨いなる雲
蛍光灯ちらつくたびにこわいこと起きてるようなわからないけど
意味まるでわからないままばしばしとお醤油に振りかける味の素
魚肉ソーセージを包むビニールの端の金具を吐き捨てる夏
さみしくてたまらぬ春の路上にはやきとりのたれこぼれていたり
もう一度チャンスをくれと云いながら鹿せんべいを買いに走った
お茶の間の炬燵の上の新聞の番組欄のぐるぐるの丸
さよならと云ったときにはもう誰もいないみたいでひらひらと振る