笑福亭鶴二・春の独演会~2023.04.09
鶴二さんの独演会、今回も繁昌亭なので所狭しと二階席まで満員御礼。お顔を存じ上げてる鶴二さんファンも多く、開演前に多くの方にご挨拶させていただく。
一、桂文五郎・・・・「商売根問」
達者ですな、文五郎さん。鳥捕りの部分だけで十分楽しい噺に。鳥がこぼれ梅食べて酔って歌い出すところだけでも、今風の歌を挟み込みオリジナル性抜群、堂々とした落語の基礎の上に若さの溌剌さを加味、他の古典もどうアレンジされるのか、文五郎さんの高座たのしみですな。
達者ですな、文五郎さん。鳥捕りの部分だけで十分楽しい噺に。鳥がこぼれ梅食べて酔って歌い出すところだけでも、今風の歌を挟み込みオリジナル性抜群、堂々とした落語の基礎の上に若さの溌剌さを加味、他の古典もどうアレンジされるのか、文五郎さんの高座たのしみですな。
二、笑福亭鶴二・・・「蛸芝居」
鶴二さんの、「蛸芝居」。踊りの素養がるだけに、身のこなしがなんとも綺麗、鶴二さん。そして、お連れさんが思わず「鶴二さん、綺麗な手」と感嘆。見れば色白でシュッとしていて女の人みたいなお手。すべてが品の良い、「蛸芝居」でおました。
三、桂福團治・・・・「長屋の花見」
上方落語、最長老の重鎮、福團治さんの登場。よろしいな水墨画みたいな落語。無駄がなく墨一色ながら、濃淡とぼかしだけで落語の世界を描く。
上方では「貧乏花見」ですが福團治さんのは江戸の「長屋の花見」。いちばんの違いは江戸のは大家が行こうとしぶる店子を連れ出すが、上方は長屋の連中が自主的に花見でも行こうと、あの「気で気を養う」、あのハチャケルのは「貧乏」とついてるだけ上方が上、ここら、あたりが噺の骨組みがちょいと違うようでおます。
でも、今日は思い出に残る「長屋の花見」、福團治さんでじっくり聴かせてもらいましたで。
四、鶴二&福團治・・「対談」
若い時に、よく福團治さんに可愛がられた鶴二さん。九州などの地方の仕事にいつもお誘いを頂き同行。そのエピソードはどれも、鶴二さんをオモチャに、それが嫌みやなしでやっぱり可愛いんですな。我が弟子には厳しい福團治師匠、「鶴二は一門やないから・・、そんな風にほたえてたら、師匠(春団治)に怒られるやないか」・・・そういう芸人の遊び心をキッチリお教え願ってるんですな。
直接師匠(松鶴)とのご縁は短かったようですが、福團治さんをはじめ、鶴二さんの周りにはたくさんの師匠がおられるんですな。周りの師匠の方々や兄弟子に愛されるって大事なことですな。
そんな、ほのぼの対談でおました。
五、笑福亭鶴二・・・「らくだ」
よろしいな本日の「らくだ」、大ネタの匂いがせずに気楽に聞ける「らくだ」に豊熟。
最初に鶴二さんの「らくだ」を聞いたのが12年前の「新丸八寄席」。あの時、演じる鶴二さんも聞く私たちも、凄いネタとなぜか身構えていた「らくだ」。今回で鶴二さんの「らくだ」、数えてみるとなんと9回目でおます。でも、聞く度ごとに新鮮、・・・落語というものは不思議、ワインみたいなもので上手に保管しとくと、時がどんどん熟してくれるんですな。
五年後、十年後の鶴二さんの「らくだ」大いに楽しみですな。
笑福亭鶴二・春の独演会
2023年4月9日(日)午後6:00開演
天満天神繁昌亭
一、桂文五郎・・・・「商売根問」
二、笑福亭鶴二・・・「蛸芝居」
三、桂福團治・・・・「長屋の花見」
中入り
四、鶴二&福團治・・「対談」
五、笑福亭鶴二・・・「らくだ」