ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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落語のひみつ

2010-10-07 06:15:03 | 本の少し
落語のひみつ
桂 平治,大友 浩
芸術新聞社


桂平治さんが、案内人。大友浩さんが著者。どういう関係。
まあ。桂平治さんが、語った事を、大友浩さんがまとめたという事か・・・。
楽しい、阿部伸二さんのまんがもついてるよ。

入門編のごとく、解り易い言葉で書かれているが
、随所になるほどという箇所がある。

例えば、「前座」では、前座にとって一番大事なのは、
落語を覚えることではなく、
今までの自分と決別して、新しい自分に生まれ変わることだと。
そして、師弟関係とは、前座修業を全人格的に支える
基礎的な人間関係であると。

また、噺家のあいだには「その人が売り物にしている噺は
、本人の前では演らない」という暗黙の掟があると、
人の「伝家の宝刀」みんなで尊重するらしい、
まあ、春團治師匠の前では、誰も
「代書屋」、「野崎詣り」、「いかけ屋」、「高尾」はできまへんやろ。

師匠の口調は全身染み込んでいます。
いつまでも、師匠そっくりと言われるのは、これまた複雑な気持だと。
でも、その噺家の一門は、喩えると「おでん」のようなもの
素材の味はそれぞれ違っても、長い間にくり返し継ぎ足した同じ出汁が
染み込んでいます。

本番中に、台詞を忘れるというところで、小さん師匠の話しが載っています。
小さんさんが台詞を忘れやすいのには理由があると、
それは、台詞を言葉で覚えず、腹で覚えているからだと。
「腹で覚える」・・・すなわち、登場人物の気持になって、ということらしい。
登場人物の気持になったら、言葉は自然に口をついて出てくるのに任せる。
だからこそ、小さんの描く人物には真実味があったのだと。
たまに、台詞が出てこないぐらい、ささいなこと・・・落語。

人間がそこに居ればこそ、たかが落語、されど落語ですな。

まあ、初心者用と馬鹿にしないで、落語ファンも、
一度図書館あたりで、目を通されることを、お勧めします。





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