ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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たっぷりの熱演に、たっぷりの感動~第11回・笑福亭鶴二独演会

2008-11-03 01:51:20 | 笑福亭鶴二
第11回・笑福亭鶴二独演会

ついに来ました、鶴二さんの独演会。
ドキドキ、ワクワクの落語会ですな。

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ワッハホールに、一時半に着けば、
ホール前でも待合せの人がいっぱい。
指定席は、お客様の顔にも余裕が感じられ、
知り合いの方との、御挨拶もあり、
独演会に相応しい、雰囲気。

客席は、補助席も出ての、330名の大入満員。
日曜日の昼でもあり、中年のご夫婦連れが目立つ。

2ヶ月前の、9月には前売完売のとの事。
鶴二さん人気、大いに浸透中ですな。


一、笑福亭由瓶・・・・・・・・・・「看板の一」

男の三大煩悩は、飲む、打つ、買う。
と、マクラ無しで、即、バクチと言えばサイコロ。
丁半ばくちと、ちょぼいち。と「看板の一」ヘ。

おやっさんが、江戸の遊び人の設定。
江戸のカッコ良さにかき消されて、ヤクザ人のコワサが薄れる。
普通の人生においての貫禄あるおやっさんに見える。

今までの「看板の一」と違い、江戸版、
いや江戸プラス上方のミックス版で
元々は、米朝師匠が、東京から仕入れられた噺とのこと、
初期の内容は、案外、今日のような形かも。

鶴二さんの独演会、目立とうとせず、控えめな一席でした。


二、笑福亭生喬・・・・・・・・・・「花色木綿」

どろぼうの噺。
40年ぶりに聴く、「花色木綿」
定番ネタでありながら、この2年間一度も出合う事の無かった噺。
「子ほめ」、「阿弥陀池」、「時うどん」、「崇徳院」、の前座ばなしと
「いらち俥」、「はてなの茶碗」など一年に4~5回も会うのに
噺にも、やはり、流行、はやりがあるのですな。

これは、選ぶ噺家さんより、聞き手の私達、
お客さん側の好みが変わったのか。

噺は、やもめが取られていないのに
「袷が一枚。」、「黒羽二重が一枚」、「現金370万」
最後には、「蚊帳がひとはり」が出てきて、裏は、花色木綿と。

この370万、昔からこんな大金だったのか、
貧乏長屋のやもめが持っているには多すぎる額。

やもめの、その場限りの受け答えに、もっとあほさかげんが欲しい。

やはり、あっさりとした、笑福亭らしからぬ、一席でした。


三、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・「禁酒関所」

登場するなり、ご祝儀をもったファンが次々舞台ヘ。
独演会の晴れがましい独特の雰囲気に、鶴二さん輝く。

11回目の独演会にご来場厚く御礼と、御挨拶。

噺は、前回、地盤珍華の会で、ネタおろししたての「禁酒関所」を
聴いたが、今日は、数段磨きのかかった出来映え。

お役人の酔いぷりが更に増し、最後の三人目の時はぐでんぐでん。

「こ、こらぁ、町人、そ、すの方、ど、どこふぇ、まいるぅ」と
言葉、科白も少なめにしながら、体全体で
へべれけぶりの、酔いっぷりを表現。・・・・上手い。

まぁまぁ、あれだけ酔っていたら、
おしっこを酒とまちがう事ぐらいするでしょう。

まあ、ご自分はどう思われているか解りませんが、限時点で
「禁酒関所」、鶴二さんの、オハコの一つになりまっせ。


四、喜味こいし・・・・・・・・・・「ほのぼのトーク」
、、、喜味家たまご

幕が開くと、床机に左右に分かれて坐っている、
たまごさんと、こいし師匠。

娘のたまごさんの、ほのぼのトーク、いや辛口トーク。
まあ、つっこみが、いあ厭味なく聴けるのは、
やっぱり実の娘だからか。

昔の、変わった芸人さんのエピソード。
でも、秀逸は、「いとし。こいし」さんの声での出演。
「我家の湾岸戦争」です。

「湾岸」が・・・「おわんと、頭に当って、ガーン」
「ミサイルが飛んでるか」・・・・・「みそ汁が・・・」
「シリアとクェート」・・・・・「尻や、・・・食わんと」
「フセインは」・・・・・・・・「布施の隠居でフセイン」
「大統領は」・・・・・・・・・「大工の棟梁でダイトウリョウと」

と、数分だったが、懐かしい、ほのぼのトークではなく
ほのぼの漫才、楽しませてもらいました。

でも、「ちょっと、待ってね」の寛太、寛大さんがの
二代目いとしこいし襲名が流れたのは、残念ですな。

ほっとする、味のある、喜味こいし師匠と娘のたまごさんの
トークでした。

追伸・・今日、「君恋し」、のフランク永井さんが亡くなられましたな。
平成も20年、昭和の歌声、芸がますます懐かしく思われますな。


五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・「紙屑屋」

別名、「天下一浮かれの屑より」のはめもの、たっぷりの大ネタ。
三味線のお師匠さんの、林家和女さん、早川久子さん、
呂竹さん、松五さん、生寿さんの鳴物で
まさに、上方落語の総合芸術のお披露目ですな。

居候の若旦那が、紙屑を分けながら、浮かれるのは、

最初は、「吉兆回し」

隣の稽古屋の三味の音にあわせて、中腰になっての踊り。
鶴二さん、上手。舞台一杯の動き。
この為に、7キロもダイエットしたとか。
下半身鍛えないと、やわな噺家ではできないネタ。
動きも軽く、浮かれてましたでぇ。・・・よろしいな。

「源兵衛はん、源兵衛はん」の声で
私達も一緒に、浮かれの空想から、醒める。

次は、義太夫の本が出てきて
「義経千本桜」、四段目の吉野山。

またまた、稽古屋の音にあわせて、
「扇をもっての舞」、「足を踏み鳴らしての舞」

「源兵衛はん、源兵衛はん」の声で
私達も再び、浮かれの空想から、醒める。

次は長唄、「娘道成寺」で、長唄三味線の音・・。
女舞で踊る、鶴二さん、あぁ、なんとも色っぽいですな。

芝居や、踊り、三味線が大好きな鶴二さん。
主人公とも重なりおうて、完全に性におうてまっせ。

サゲ前の、「えぇ、わたいは屑でっか・・」

「いや、いや、鶴二さん、輝けるダイヤモンドでっせ」

力の入った、それでいて芸への真摯な姿勢が、
心より感じられる、素晴らしい独演会でした。

鶴二さん、お疲れさまでした。



次回、第12回笑福亭鶴二独演会は
来年、2009年11月1日(日)
同じく、ワッハホールで開催です。

まあ、まさに、一年後ですが・・・。




第11回・笑福亭鶴二独演会
2008年11月2日午後2:00開演
ワッハホール

一、笑福亭由瓶・・・・・・・・・・「看板の一」
二、笑福亭生喬・・・・・・・・・・「花色木綿」
三、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・「禁酒関所」
中入り
四、喜味こいし・・・・・・・・・・「ほのぼのトーク」
、、、喜味家たまご
五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・「紙屑屋」

08-60
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