笑福亭鶴二・春の独演会~2024.5.12
大チョンボ、ちゃんと6時に起きたのに何を勘違いしたのか、家を出るのを10時50分と思ってデスクで本の整理をしていたら、あれ今日って朝の部は11時開演では? 気が付いたのが9時50分、チケットを代わりに予約受けて方々に「各々事情をお話して係りの人から受け取って欲しいと」連絡しながら、最寄りの駅へ。
駆け足でかけつけたら、鶴二さんと呂好さんお対談中。鶴二さんの一席目には辛うじて間に合って、一息つく・・・。
“そこつ”ではなく“うっかり”、でも“うっかり”で済まして良いのか、完全なる認知症のはじまりなのか少しショックを受けたのでございます。
でも、そんな憂いも吹き飛ばしてくれた鶴二さんの独演会でございました。
【あさの部】11時より
一、笑福亭呂好・・・「青菜」「コザック・ダンス」
そういうことで残念ながら、呂好さんの「青菜」は聞けず、しかしかくし芸の「コザック・ダンス」はしっかりと見せてもらいましたで、お見事。
二、笑福亭鶴二・・・「粗忽長屋」
本日の秀逸。東京の喬太郎さん、志らくさん、小痴楽さんでも聴いたことのある「粗忽長屋」。私はどなたのものより鶴二さんのが一番好き。
5年前のネタおろしの時とは数段違う「粗忽長屋」。どこかとぼけた味が丸くなって、粗忽もんの鶴二さんのほんわかとした味付けに。噺家さんて凄いですね、時を経てばたつほど熟成させるものなんですな、まあすべての落語家さんがそうではないと思いますが、鶴二さんはそれを成せる秀逸の落語家さんですな。
三、パピヨンズ・・・「漫才」
安定感のある、パピヨンズさんの漫才。解かっているハナシでも、楽しく聞ける。自然体で話しているようで、熟した干し柿のような芸。随所に旨味が増してくる。海原のやすとも、ハイヒール、などの吉本勢に負けぬよう頑張ってほしいですな。
四、笑福亭鶴二・・・「猫の忠信」
これも米朝一門の匂いがする演目、「猫の忠信」。「義経千本桜」の通し狂言することになった稽古屋へ通う連中。「猫の只飲む」吉野家の常吉で「よしつね」駿河屋の次郎吉で「駿河の次郎」、静御前が「おしず」さん、常盤御前で「おとわ」さん、歌舞伎や文楽で「義経千本桜」が有名だったので、こんなパロディが活きてくるんですな。まあ、私の場合は落語で先に知った逆バージョンでおますが・・・。
【ひるの部】15時より
一、桂治門・・・・・「普請ほめ」
あっさりと、牛ほめまで行かずに普請で止めた「普請ほめ」。池田の猪買いといい、池田というのは大阪からは片田舎だったんですな。でも、昔は世話焼きの甚兵衛さんが居ったり、ちょっとした小使いかせぎとかいうのがあったんですな。今や両方とも死語直前で住みにくくなりましたな。
二、笑福亭鶴二・・・「口入屋」
今でいう、派遣屋さん、でも美人の女子衆が来ただけでてんやわんや。
でも。膳棚を担げる手の先の仕草のきれい事。ドガチャガの噺が下品にならないのはやはり鶴二さんの芸でおますな。「稽古屋」「紙屑屋」「口入屋」は最初に鶴二さんに惚れこんだ、三屋でおますな。
三、チキチキジョニー「漫才」
相撲好きのおふたりが、狭い舞台で相撲の取り組みを・・・。次世代の女性漫才コンビ。まだまだ、粗削りながら、その勢いが魅力か。月曜日にラジオを聞くと長時間お二人の声が聞こえてましたな。喋りでのくんずほぐずれの好取組期待してまっせ。
四、笑福亭鶴二・・・「竜宮界龍の都」
これもいたってレアな演目。通称「小倉船」。途中から竜宮城での立ち回りの際、後ろのお客様から、「踊りしたはるから、きれいやわ」とおほめのお声。最初の謎解きところから、フラスコに入っての竜宮界龍の都への旅までたっぷりのファンタジーの旅。今日は,いろんな色の違った四席、十分楽しませてもらいましたで・・・。
秋の独演会は、11月3日(日・祝)で開催決定。
阿倍野区民センターで、ゲストは内海英華さん。
笑福亭鶴二・春の独演会
2024年5月12日(日)
DAIHATSU心斎橋角座
【あさの部】11時より
一、笑福亭呂好・・・「青菜」「コザック・ダンス」
二、笑福亭鶴二・・・「粗忽長屋」
三、パピヨンズ・・・「漫才」
四、笑福亭鶴二・・・「猫の忠信」
【ひるの部】15時より
一、桂治門・・・・・「普請ほめ」
二、笑福亭鶴二・・・「口入屋」
三、チキチキジョニー「漫才」
四、笑福亭鶴二・・・「竜宮界龍の都」
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