第354回・NHK上方落語の会
一、桂鯛蔵・・・・・・・・・・・・・・「つる」
上手いですな、噺っぷりは鼻にかかった声で先代の文枝さんを彷彿させる。
「つる」は、米朝一門では最初に覚える噺と聞いているが、
磨きがどんどんかかって、熟したメロンのごとく食べ頃、利き所の噺に。
腕の立つ若手さんの、熟れる前のみずみずしさが何とも云えませんな。
TVでの放送も、是非もう一度聴いてみたい鯛蔵さんの「つる」でおました。
二、桂三扇・・・・・・・・・・・・・・「シルバーウェディングベル」
高齢のおばあちゃんが結婚、師匠の三枝さん作の「シルバーウェディングベル」
今や、三扇さんの得意ネタ、十八番に。
自然体で語る、三枝さんの落語は、自然体の三扇にピッタリ。
都噺ではないが、三扇噺聞いてみたいですな。
三、笑福亭呂鶴・・・・・・・・・・「植木屋娘」
「うちのおみつは、ぼてれんじゃ」で浮かれる植木屋の親父。
今や、できちゃった婚も多いですが、父親にしてみれば、
この植木屋の心境か・・・次に生まれてくる孫の顔でも浮かんでくるんでしょうか。
今迄に聴いたのが、小文枝さんに始まり、雀々さん、文太さんに呂鶴さんの四人方さん。
もっと、多くの方で聴いてみたい演目の一つですな。
四、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・「竹の水仙」
よろしいな、鶴二さんの「竹の水仙」。
あまりする方も少ないようで、NHKからの依頼がある演目とすれば
やはり自他とも認める、十八番ネタなんでしょうな。
(今迄、聴いたことがあるのは、梅団治さん、阿か枝さん、遊喬さん、と鶴二さんの四人)
講談ネタなのに、重たくならずに軽いタッチで描かれるのは
やはり、鶴二さんの良さですな。
五、月亭八方・・・・・・・・・・・・「胴乱の幸助」
これも、やはり八方さんの得意ネタ。
そういう意味では、このNHKの落語会は各自の十八番のオンパレード。
テレビの収録もあり、力の入った出来の良い高座で見ごたえたっぷり。
この噺の主人公のように、真面目一筋で、世の中のことに疎い人っているんですな。
仕事でも、業界が違ったり、企画畑と営業畑とで、
まるっきり価値観の違うことにビックリする時があります。
じっくり、楽しめたNHKの上方落語の会、なかなか当たらないのが
唯一のキズですが、申しこみのハガキ出し続けなければですな。
第354回・NHK上方落語の会
2015年7月2日(木)午後6:30開演
NHK大阪ホール
一、桂鯛蔵・・・・・・・・・・・・・・「つる」
二、桂三扇・・・・・・・・・・・・・・「シルバーウェディングベル」
三、笑福亭呂鶴・・・・・・・・・・「植木屋娘」
中入
四、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・「竹の水仙」
五、月亭八方・・・・・・・・・・・・「胴乱の幸助」
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