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最果タヒさんの「百人一首」。もちろん百人一首ずつに書かれているんですが、一切その歌の説明ではなく、その歌からの想いを散文としてしたためておられる。歌とタヒさんのを切り離してかるた取りでもしたら、10首も合わせることはできないでしょう。それも、三笠山とか逢坂の関、因幡、龍田川、住之江、難波、手向山、小倉山、奈良、三室山、など固有名詞が出てこなければ到底無理。逆に言えば、平安時代にタヒさんが恋に焦がれたら、こんな心情であったのではと、ふだん恋心などとは縁遠いところに居るようなタヒさんだけに、くらくらと彷徨うさまはおもしろい。
まあ、千年後と言わず、十年後にもう一度読み直したい本でおますな。
まあ、千年後と言わず、十年後にもう一度読み直したい本でおますな。