☆☆☆
短歌シリーズ第4段。立て続けに歌集を読んでますが、一番言葉づかいが似てるので親しみを感じたが、じっくり読むと少し違和感というかずれを感じる、田中章義さんの歌。
気になったうたは
手の届く距離の短さ・あたたかさ リモコンばかりの部屋でお思えり
留守番電話の点滅ランプ 帰りたての我にじゃれつく仔犬と思う
幸せは目に見えなくて目に見えてオムレツの上のケチャップの顔
ほんとうは自分がいちばん知らなくてきみを見るときのこの目の動き
せつなさに耐えきれなくてアクセルを踏めばせつなさも加速しており
てのひらをはみ出す部分 孤独とはいつでも我らの目に見えるもの
月も星もない場所は今日も名を持たずまとめて呼ばれており暗闇と
行く場所より大事なものがあることを言わずにそっと拾ったどんぐり
「おやすみ」という語も果実この言葉言えるまでに要る時間の長さ
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