☆☆☆☆
久しぶりに買った歌集。あの工藤玲音さんの歌集。四章に分かれているのだが、好きな歌は、一部、二部に偏っていて、工藤さんの初期の歌に波長が合っているのか、不思議なぐらい偏っています。
例のごとく・・・忘れないように気にいった歌を・・・
砂浜に俳句を書けばまっさきに季語を攫ってゆく波の泡
ガーベラもダリアも花と呼ぶ君がコスモスだけはコスモスと呼ぶ
バカの飲み会から逃げてひとりきり羽根がほしくて肩甲骨揉む
離れつつあるがなかなか視界から消えない晩夏のヤクルトレディ
死はずっと遠くわたしはマヨネーズが星形に出る国に生まれた
ふと予言めいた手紙を書きたくて銀のペン買うそれも太いの
音楽はかたちなきものわたしはかたちはあれど何もないひと
つつじの蜜吸いに夜な夜な出窓から羽ばたいてゆくノートパソコン
相槌がうまいですねと褒められてさみしくなって雪を見ていた
しかたなきことの多さよいろはすは押した分だけへこんでしまう
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます